受験学(9)

受験学(9)

 第八章

  いつの時代でも、どの国にも「学者」にあこがれる中学生や高校生はいる。それなのに、いつまで「クラブ(たいてい、運動部)と勉強の両立だ」なんてやっているのだろう。

  江戸時代じゃないのだから、5人組(班)の連帯責任とかガラパゴス化どころじゃない。私が中学生の頃は、男子は坊主頭でなければならず「強制的」に髪の毛を刈るように指導された。

  今となっては、

「日本にも、そんな野蛮な時代があったんだ・・・」

  と言う人が多い。クラブ活動の強制なども、数十年後には、

「そんな無茶な制度があったんだ」

  と言われるのは間違いない。世界中で、シロウトが指導するスポーツなどやっている国はないのだから。

男児の夢、学者・博士が2位=ノーベル賞効果で急浮上―第一生命調査

 第一生命保険が小学生以下の幼児・児童を対象に行った2016年度の「大人になったらなりたいもの」アンケート調査によると、男の子のランキングで「学者・博士」が前年度の8位から2位に急浮上した。(時事通信) 

   学校の勉強だけを(つまり、宿題だけを)やっていれば学者になれるのだろうか?

 絶対にムリ!それは、分かってもらえますよね。ここ三重県の北部では一番レベルが高い県立高校は四日市高校だけれど、100人中1人か2人しか合格しない。だから、そんな子に合わせた教材は使わないし、授業もしない。

 でも、その四日市高校でも上位の1割くらいに入らないと旧帝に合格できない。つまり、四日市高校の授業でも教材も授業も上位層にはあわない。学者は、その先。

  学校に行くこと自体がリスクになる     教室は、平和ではありません。陰湿ないじめもあれば、学級崩壊、教師からの過剰な圧迫、危険な体育の授業もあります。しかも同調圧力が強く、その中に入ってしまえば個別の活動は断れません。もしかしたら、こういった経験をしないほうが、社会や大人に不信感を抱かずに、社会に適合できるのではないかと思ってしまいます。

  なぜ学校に行くのか -みんながいくから     では、なぜ行くのか。それはみんなが行っているからという横並び意識でしかないと思います。ここまで教育現場が劣化してしまえば、行くこと自体がリスクになってしまっているかもしれない。学校に丸投げするのではなく、こういった認識をもって、お子さんを学校におくりだしてもいいのではないでしょうか。

学校は制度疲労をおこしていて、それは文科省や日教組の権力闘争などをやっている間に、現場はとおくへいってしまいました。もういちど、足元の教育現場から見直してほしいと思います。

                                                                    中沢 良平(小学校教諭)

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