ニートで恋愛依存症だった自分がゲームで出逢った人を好きになり経営者になった話し8
オーナー「じゃぁ次に来たお客様を揉んでみて」
えええええええ!
いきなりだった。
ドキドキしながら待っていると来た!
インターネットに予約が入ったのだ。
女性のお客さんだ!
女性なら私でも…と言うぬるい考えは、女性客を見た瞬間に消し飛んだ。
格闘技をしていると言うプロレスラーのような女性だった。
緊張をひたすら隠し、女性のお客さんを揉み始めた。
私「お仕事帰りですか?」
お客さん「個人情報なんで」
私「……」
私「力加減は大丈夫ですか?」
お客さん「撫でてるの?」
私「……」
横でオーナーがチェンジすると言う合図を仕切りに出していた。
私は首を横に振った。
あの辛かった日を思い出せばなんて事ない。
もう逃げない!
自立する為に頑張るって決めたんだ!
とにかく、自分の体力全部使い果してもいいから満足させたい、そんな思いで必死に揉んだ。
そして60分揉み終わった時、お客さんが
「お姉さんうまいって訳じゃないけど、全力でやってくれてるのは伝わったし会話が上手で癒されたわ!」
横でオーナーがガッツポーズをしていた。
試験は合格。
次の日から歩合給が貰える事になった。
給料が出るようになっても毎日練習は欠かさずやった。
親指はいつも腫れていて、ボールペンすら持てなかった。
それから1ヶ月、昼は飲食店でバイト、夜はリラクゼーション店でバイト、帰りは夜中の0時を回る事も多かった。
2ヶ月目位から指名のお客さんが来てくれるようになっていた。
同期でデビューした5人の中で指名がいたのは私だけだった。
3ヶ月になった頃には指名は30人を超えていた。
オーナーから昼の飲食店を辞めてマッサージ1本でやって欲しいとお願いされた。
そして15万の最低保障を付けてくれた。
その頃、私は昼で8万、夜で6万位の稼ぎだった。
不安はあったが飲食店を辞めてリラクゼーションだけで食べて行く決意をした。
その事を彼にも伝えた。
彼から思わぬ言葉が返って来た。
彼「お前、変わったな…凄い頑張ってるじゃん
偉いな。」
涙が溢れた。
彼はとても優しい顔だった。
この頃から彼はゲームの話ししかしなかったのに仕事の話しをしてくれる用になった。
いつも気が向いたら会いに行くと言うスタンスだったのが、ちゃんと前もって約束をするようになり、会う回数も増えて行った。
仕事を休まない人だったけど、たまに調整して旅行にも連れて行ってくれるようになった。
全てが順調に進んでる気がしていた。
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