冬の夜空に、願いをかけて
第一章
「39通の不合格・合格通知」
私を大切に育ててくれた父の期待に応えたかった。
私は、名古屋大学の教育学部を卒業してから勤務した会社の社長とケンカして辞表を叩きつけてから宮仕えができないと途方に暮れた。それで、留学試験を受けまくって、アメリカのユタ州にあるローガン中学校で、中学生の指導をすることになった。
帰国して、英検1級や通訳ガイドの国家試験に合格した頃は、通訳かガイドでもやろうかと考えていた。こう書くと、すごく簡単に合格したように聞こえるけれど、最終的に39通の「不合格通知」「合格通知」が残ったんです。才能の無さを痛感。
しかし、中京地区には満足な仕事がなかった。26歳にして、仕事なし、貯金なし、彼女なしのプータロー。だから、小さなアパートを借りて、塾でもやるしかなくなった。
それでも食えないので、名古屋の河合塾学園をはじめ、7つの予備校、塾、専門学校で指導することになった。その時、生徒アンケートをとったら40人の講師の中で2番の人気講師ということになった。
通訳の才能もなさそうだし、塾講師なら食っていけそうにないので覚悟を決めた。
中途半端なことは嫌いなので、やるなら一流の塾講師をめざしたいと決意は固まった。まず、Z会を8年間受けて教材や添削方法を研究し、、河合塾や駿台の京大模試を10回、センター試験を10回、京都大学の二次試験を7回受けて受験指導のノウハウを研究してきた。
これしかないと決めたので、持てるお金や時間を全て注ぎ込んだのだ。
和田秀樹さんの「新・受験技法」などの対策本、エール出版の合格体験記なども読みあさり、生徒の方たちの悩みや参考書、問題集も研究した。もちろん、自分の学力の向上もはかった。
結局、京大二次試験で英語81%、数学70%の正解率だった。その成績開示したものをホーム・ページやブログに公開し、全国に通信生を募ってみた。とにかく思いつくことは全てやった。広告を出すお金もないので、無料のSNSに頼ったわけです。
英検1級の賞状はコレ http://takagi-kyoiku.life.coocan.jp/index.html
第二章
「塾を始めたら、こうなった」
読んで下さっている方は
「三重県の小さな個人塾が、Z会のように生徒が募集できているのか?」
と、疑問をお持ちではないだろうか。そう、私は有名タレントを使ったり、テレビやラジオでコマーシャルを流せるような立場ではない。そんな大金があるわけない。
では、なぜ京都大学や国立大学の医学部に合格できる子たちが集まってくれたのか。
それは、簡単で、上記のようなことを“やってみせた”からだ。
名古屋の予備校で指導して気がついた。英検1級に合格した講師に会ったことがない。旧帝に合格した講師に会ったのは一人だけだった。しかし、その一方で、高校生で英検準1級に合格した生徒もいたし、帰国子女で中学3年生なのに1級に合格した生徒もいた。
全国の公立中学・高校の英語教員のうち、英検準1級以上かそれに相当する資格を取得しているのは中学で28.8%、高校で55.4%だったことが25日、文部科学省の2014年度英語教育調査で分かった。
政府の教育振興基本計画は17年度までに中学で50%、高校で75%との目標を掲げている。つまり、高校の教員でも、淳1級以上であるのは半数。1級は推定で、2割程度なのだろうか
京都大学のボーダーラインは、二次試験では65%程度だ。だから、京大卒の講師であっても「7割程度」の正解率の場合が多い。医学部のボーダーは8割程度なので、賢い生徒の信頼を得られないんだよ。
有名タレントのCMなどには引っかからない。
自分の準備ができたから、今度は生徒の選抜だ。
なぜなら、ある時、気がついたからだ。
「勉強ができる子とできない子は歴然とした違いがあるなぁ」
こうして、ブログやYoutube に公開した時の反応にも、歴然とした差がある。賢い子たちは
「予備校の講師も学校の教師も、“自分は本当に合格できるの?”って感じ」
と、疑問を持っている子が多い。やってみせないのに信用しろという方が無理。
勉強のできない子は、ブログで成績開示をすると、
「何を威張ってんの?テレビでやってないショボイ塾は信用できん!」
ということが多いのだけどね。
つまり、ファンとアンチに分かれるんです。
第三章
「“落ちこぼれ” VS “浮きこぼれ”」
塾講師を長くやっていると、最初にお問い合わせの電話を受け取ったときに、賢い子(の保護者か)分かるようになってしまった。賢い子の保護者は、電話をかけてくる時点で、すでに塾のHPをチェックし、口コミなどの情報を収集し、入念に検討をしている。
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