正社員になったはいいけど、スキル不足を実感して、辞めようと思った話
「11時に来てださい」と言われた。
それまでの会社は9時出社だったので、随分と遅いなぁと思った。
初日、言われた通り11時に事務所に行くと、そこにはもの凄く眠そうな3人がいた。
「やっぱり明日から1時にしましょう」とロン毛が言ってきた。
夕方に「昼ごはん」を食べにでかけた。ココイチだった。食べ終わると「それじゃ」と簡単なゲームを始めた。負けた人がごはん代を払うルールらしい。僕は初日にしてごはん代を奢るはめになった。
数日手探りで過ごしていた。どんな会社なのか、どんな人達なのかよくわからなかったのです。そしてだんだんとわかってきた。
ロン毛(後の社長)、中分け(現社長)の二人のプログラミングスピードがそれまでの僕の常識を超える速さでビックリした。以前の職場にもプログラマーはいたけど、ちょっとレベルが違うというか。僕を誘ってきた女性デザイナーのデザインスピードが速い事は知っていたけど、とにかく僕の作業スピードがダントツで遅かった。遅い上にFireworksやDreamWeaverもそれまで使った事がなく、もういろいろとショックで、これは「ゴールデンウィークには辞めてるな」と思った。いや、辞めさせられると思った。
あまりにも劣等感を感じたので、ロン毛に「給料を下げて欲しい」と申し出てみた。そしたらロン毛は「プロならばその金額に見合うだけの仕事をすればいいのであって、現状その金額に達してないと思うのならば、給料を下げるのではなく、その給料に見合うように頑張ってもらえればいいです。」と言われた。
その頃、制作案件の話が振ってきてて、ラフを作って提出したところ、コンペを通過してしまい、受注することになった。当然僕がデザイン担当となった。この他、立て続けに2件の受注も決まった。まだ実績をあげたわけではないけど、なんとなく一息ついた。これでちょっとは会社に貢献できたかなと。
「辞めるかもしれない」と思ったゴールデンウィークには会社にいた。少しでもスキルが上がるように会社でイラストの練習をしていた。誰もいない事務所。やがて中分けがやってきた。サーバのトラブルがあったらしい。少しするとロン毛、そして女性デザイナーもやってきた。
この頃、いつもみんな会社にいたような気がする。一通り仕事した後はきまってAge of Mythologyをやった。ロン毛が異常に強かった。
著者の大柴 貴紀さんに人生相談を申込む
著者の大柴 貴紀さんにメッセージを送る
著者の方だけが読めます