「赤本」を知らなかった高3の夏。でも生き方は色々あります【其の七・テクニック】

前話: 「赤本」を知らなかった高3の夏。でも生き方は色々あります【其の六・増加】


自学自習で学ぶことはいくらでもできますが、予備校などで知り得るべきはテクニック。

勉強のやり方というよりも、目指す学校ごとの出題意図を読み解いていく。大学受験にはそういう変化球も大事なのだということはうっすらと理解できました。

しかし、頭でわかっていても自分のものにすることはできませんでした。

夏期講習で「○○大学専門ゼミ」のようなものも受講しましたが、正直理解力不足。自分にとっては結果お役立ちにならない講座となってしまいました。

今だったらもっとうまく活用できたのだろうと思いますが、この当時は正攻法しか知らなかったのです。バカ正直も時には悪や罪になる。そんな感じでしょうか。


無論テクニックを得ることがそのまま受験突破への近道になるというわけではありません。

ある程度基礎があっての応用。

直球もまともに投げられないピッチャーが変化球の習得ばかりしても肘を壊すだけ。段階を踏んで一つずつ積み上げていくということは本当に大事なのです。


テクニックという部分に話を戻しましょう。

正攻法しか知らなかったと先ほど記しましたが、これには原因があります。予備校に通っていたとはいえ、誰とつるむわけでもない。ほぼ自学自習に近い単身浪人生活。つまり仲間から情報を仕入れるというツールを自ら遮断していたことが失敗だったのです。


なんでこんな簡単なことに気づけなかったのか。相当性格がひねくれていたとしか思えません。浪人ということに対しての引け目を誰にも感じさせないために、人一倍虚勢を張っていたのでしょう。
もっと砕けてさらけ出して愉しめばよかったのではないかと今更ながら思います。


一度は前向きになれたのに不本意な夏を過ごしてしまい、気づけばもう秋。受験まで半年もありません。そろそろ本腰を入れなければいけないのですが、この時点で明確な志望校というのはまだ決まっていませんでした…

著者の山口 寛之さんに人生相談を申込む

著者の山口 寛之さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。