新卒社員の頃の話(二話目)〜投資一部に配属されてました〜

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※金融系VCで新卒入社すると、大体同じような経験を積むのかもしれませんし、そうでないかもしれません。

■ 投資一部へ配属されるまで
前回の話で書いた、内定者としてのアルバイトは組合管理課という部署でしたが、入社後してからすぐに二週間ほどの研修期間がはじまりました。入社が一人だったので、各部署の管理職の方が主催する社内研修が1on1になってしまい、人数的な意味で費用対効果が悪そうで、なんだか申し訳なく感じておりました。(ちなみによくある一般的なマナー研修とかは、同じように新卒採用人数が少ない京都の中堅企業との合同研修でした)
(ちなみにどうでもいんですが、入社同期がいない、ということはなんだか人生を損をしているようなコンプレックスに近い感情があったりします。その後サイバーエージェントに転職した際も、新卒でCAで入社するって素晴らしいな、羨ましいなと思いました。どうでもいいかもしれませんが。)
一応、配属希望とかを聞かれたのですが、「ベンチャーキャピタル業務をファンドレイズからExitやファンドのクローズまで一通り全部経験しておきたい」という気持ちがあったのと、「はじめに現場で配属されても大して価値が出せなかろう」という気持ちがあった(散々周囲の大人達に脅された)ので、ミドルオフィス的な意味で、ファンドレイズを担う”事業推進部”か全体を通してみれてそうな”経営企画室”がいい、とか言ってたような気がします。
元々、二週間の研修期間が終わるとすぐに配属先が決まる、という話を聞いていました。どうも中々決まらなかったようで、「投資本部付」という横断的(京都本社には当時投資本部の中に”投資一部”から”投資三部”まであり、”業務推進部”という契約書関連やモニタリングを横断的に支援するミドルオフィスもありました)な配属になりました。
これは各投資部や先輩から発生する方々の調査や情報の整理などのタスクを受ける、という社内で唯一の宙に浮いた便利小僧的なポジションで、部長の参加している経営会議とかファンドレイズの営業に同行したりしつつ、先輩諸兄から事務作業をふっていただいておりました。幅広にいろんな業務を垣間見えるので楽しくやっておりましたが、途中から「で、和田は結局誰の指揮命令系統の下なんだ」的な雰囲気が出てきまして、当時明らかに人手が足りてなさそうに見えた投資一部に配属という辞令を頂戴しました。

■ 投資一部のカルチャー
投資一部は住友銀行出身の部長が率いる部署で、全員からプロフェッショナルとしての仕事に対する姿勢や覚悟や哲学などがオーラが醸し出されていて、徹底的なハードワークっぷりから常時臨戦態勢のような緊張感がみなぎったチームでした。
ミッションとしては、投資予算の中でベンチャー投資を行う傍ら、コンサルティング業務(クライアントとの二人組合ファンド組成、IPOに向けた管理体制構築、ストラクチャーファイナンス、M&Aアドバイザリーなどなど)でスポット収益開発も同時に狙う、という感じでした。当然、コンサルティング業務にも目標予算がありました。
案件の性質上、当然ですが法律とか会計とかの専門知識がある程度要求されますんで、実務面と併せて余った時間を全て法律書や会計学の勉強をしてました。どんな新卒社員も初めは同じかもしれませんが、丁稚的な感じで必死に吸収しようとしておりました。部長や先輩の業務知識の豊富さと厳しいプロ意識にビビりつつ、企業個別の複雑なニーズやリクエストに対する学習速度の早さにも衝撃を受けておりました。
自分の勉強不足を露呈する質問は許されない雰囲気ですので、「●●ってなんですか?」とか「●●を教えてください」とかは絶対的なNGワードで、「●●はどの本を読むとよいですか?」という質問をしておりました。すると先輩からは、かなりマニアックな専門書が指定されるので、速攻でそれを読んで習得する、ということの繰り返しでした。

■ コンサルティング業務
実際の業務では、新規の投資よりもコンサルティング案件の方が専ら多かったです。背景としては、丁度アクティブなファンドの投資余力が少なかったなどの会社の会社の時期的な事情もありつつ、ベンチャーキャピタリストとしての経験を積むという一番の難題に対する部長の育成方針もありつつ、の流れでした。
なんで二人組合の組成や匿名組合を使ったストラクチャーファイナンス的なものとか、中小規模のM&Aや事業売却などの、地方の経営者ならではの税理士とかにも相談しづらいニーズへのコンサルティング的なお仕事でして、実際には先輩のアシスタント的な形で、100数十ページの報告書つくるとか飲食業のデューデリジェンスで総勘定元帳を作るところからやるとかチェーン店をお客さんとしてまわるとか、そういうノリです。
これはこれでとても面白かったです。正直に申し上げて、これらの仕事自体がベンチャーキャピタルの仕事なのか?と問われれば、本来の投資育成業務とは全く違う仕事です。しかし、一見回り道に見えるかもしれませんが、会社の実情への洞察力とか経営者との関係構築とか学ぶことは多々ありまして、本当にこういう仕事を経験できたのはよかったなあ、と思っています。「新卒VCの若手に投資だけさせてもロクなことにならない、最終的に大成しない」という部長の育成哲学のおかげで、振り返ってみて感謝してます。
あと、見ていて圧巻だったのは、期末が近づくにつれて、これまでじっくり暖めていた経営者との関係を一気に形にしての売上を立てる時の部長&先輩の気迫でした。予算消化率の途中経過の不安さを最終週で一気に払拭していく様は、目に焼き付いており忘れられません。
もう一点すごく忘れられない教えがあって、「会社のアキレス腱を守る人材になれ」ってことを言われた事がありました。実際に、最も厳しそうな課題や明らかに難易度高そうな目標を自ら逃げずに背負い込む姿勢や気概を背中で見せてもらえて、自分もそうありたいなと強く思うようになりましたし(実際転職後も自分の中で持っていた理想像の一つでしたし)、本当に色んな学びがあったなぁと思っております。



いわゆるVC的な話が全く出てこなかったのですが、本当にすいません。
自分が引継案件として担当させてもらったVCの現場的な話も、(あくまで書ける範囲で)またいずれ書いてみたいと思います。


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和田 圭祐

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