~偶然は神様がくれたボール 運命は女神とのキャッチボール~全国47都道府県ツアーから得たこと 第二十八話

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第二十八話 合格の花束 口に出せば受かるから

岩手県盛岡市⇒宮城県仙台市

前回までの補正移動距離 7095.4km
区間移動距離 183.5km
概算総移動距離 7278.9km

≪盛岡⇒仙台まで≫

8月7日 

 東北本線を各駅停車で、下っていくと、一ノ関・小牛田で、それぞれ乗換える駅になる。

 俺は、ひとまず一ノ関まで向かった。

 

 今年の3月、命の大切さと立ち上がることを目的とした授業として、北海道の教え子ミ

サトさんと、当時卒業間近なミヤタくんを連れて、陸前高田市と気仙沼市を訪れた。

 俺は、再び訪れ、無力さを改めて感じた。

 その帰りに、お花屋さんで、花束を創ってもらった。

 東北地方で栽培された花の束を持って。

 何故か分からなかったが、何かある気がした。

≪宮城県仙台市 仙台駅≫

8月7日 PM4:30

 青森で撮影した、ユミさんと再会することになった。

 彼女は、東北旅行を終え、仙台から地元へ帰る。

 その途中の時間を割いてくれた。

 ユミさんが、俺と会った理由は、≪未来をリフレクション≫したい。

 俺は、黙って聴きたい。

 会うと直ぐに、俺はユミさんに花束を渡した。

 それに対して、ユミさんは、こう切り返してきた。、

 

 

「今日、実は大事な試験の合格発表なの。まだ結果は出てないんだけど」

 俺は、すかさずこう言った。

 『大丈夫だって。この花束は、前祝いだから大丈夫。口に出せば受かるから』

  

 


 知らなかったが、何となくの勘ほど当るものだ。

 そして続けざまに俺はこう言った。

 『落ちるという選択肢は今考える必要ないよ。なぜなら、受かる未来は存在するのだから。落ちると言う選択肢は、考えなくていい。』


 そして、わずかな時間が終わりを告げる。もう飛行機の時間だ。

 ユミさんから

 「これからの旅で、素敵な出会いに巡り合いますように。」

 笑顔で見送られた。

 『お時間作ってくれてありがとうございました。』

 俺も、笑顔で見送った。

 ユミさんと、別れて七夕まつりを散策。

 多くの人が、七夕まつりを楽しんでいた。

 夜には、秋田出身のOLさんを

 はい

 チーズ 

 パシャリ

 

 そして、看護大学の4年生を

 はい 

 

 チーズ


 パシャリと撮った。


 さてそろそろ、ホテルに行くかと仙台駅を散策していたら、屋台の明かりに誘われていった。

 後ろを向けば高校生が、なにやら≪カメラ≫をいじくっている。

 取りあえず、お話してみた。

 

 『何やっているの?』

 「高校の部活で、写真をやっているんですけど」

 『写真見せて見せて』

 俺は、そんなことを言った。

 そして、イロイロと話した後に、

 『俺をモデルに撮ってみる?』

 なんてことを言った。

 ハイチーズ パシャリ


 路上での学び、そして演習が出来る。

 嬉しかった。

 そして、この高校生とも再会することになる。

 『また、いつか』

 この言葉は、いつかという曖昧なものでなく、会いたい時、聴きたいときにつかえる魔法

のコトバに昇華していた。 

 いつかは、分からないけれども

 ≪また、いつか≫

 その夜もう日付が変わるころ、ユミさんから無事に着いたというLineともう一つのLine

が届いた。

 

 「合格しました。祝勝会よろしく」

 思わず、ガッツポーズした。


 一度目の出会いは、偶然なのだ。

 
 いくら、会話をしたいと思っても、「いま急いでいるんで」という拒否をすれば、そこで終了になる。

 二度目の再会は、必然である。何故なら、時間と場所をあらかじめ指定するから。拒否したり、レスポンスを返さなければ、偶然のままで終わりになる。

 最後に、三度目以降は自然である。だから、当たり前という考えが、驕りになったりすることも少なくない。しかしながら、自然であるからこそ、双方間で思いやりを持つことが大事だと思う。

 キャッチボールというのは、思いやりをお互いに持つことでなりたつのだなと、改めて感じた。

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