アメリカ人の金銭感覚その① 顔で見る、笑顔から怖い顔へ

アメリカ人が金銭感覚に日本人よりも厳しいものを持っていることは知ってはいたが、それでも驚くことがたくさんある。その中でもいつもすごいなと思うことは、彼らの表情なのである。
それまで、すごい面白いジョークをとばし、周りの私たちを笑わしてくれていた、笑顔の紳士が、金銭的なやり取りの話しになると、突然表情がマフィアのおっさんに変わる。それまで映画でしか見たことのない怖い顔に変わっていく。
この表情の変化の激しさにいつまでたっても慣れていない100%日本で育った私には、なんか歌舞伎役者の表情を見ているような、(テレビでしか見たことがないが)そんな感覚におちいっていく。
机をはさんでいなければ、首でも絞められそうな勢いの表情をして、だんだん声もおおきくなってくる。周りで、数字のやり取りが飛び交う。もうこうなってくると、彼の表情は沸点に達する。私は思わず携帯の非常用のナンバーを確認しながら、まあ落ち着いてと言おうとしたら、突然彼の納得する数字がテーブルにでてきた。
その途端、マフィアが花嫁の父のようなスマイルに変わってた。それは、日本の俳優養成所の人もびっくりというほどの変わりようでいったいなんだったのと思うのである。でも、アメリカに暮らしているとこういうマフィア顔の場面にはしょっちゅう出くわす。
だから、私は言いたい。日本の人が外国人とお金の交渉をする場合、相手がマフィアのような顔に見えても、決して怯んではいけない。彼らはただ金銭感覚が厳しいだけではなくて、自分の感情を出さないようには訓練されてなくて、思いっきり金銭感覚の厳しさがストレートに表情に表れているだけである。別の言い方をすれば、演技力が、表現力が、かなわないぐらいすごいのかもしれないと思うのである。



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