生まれも育ちも東京生まれな都会っ子が農業に目覚めた瞬間

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何故、農業を学んでいるのか。
東京都目黒区出身の私には、こうような質問を数多く頂く。
そこでまず、東京都目黒区出身の都会っ子が農業に興味を持ち始めたキッカケをお話したいと思う。
父親は青森県八戸出身。母親は岩手県奥州市出身。
いわずと知れた、東北のサラブレットとして東京に命を受けた細越である。
なんの変哲もない一般家庭に生まれた私だが、少し他人と異なるところがあるとするならば高齢出産で生まれたことだろうか。
また、私がまだ幼稚園児だったときにに既に重度の肝臓病を患っており、入院していたので家にはほとんどいなかった。
更に言うのであれば、兄と私は12歳の年の差があり、干支が一緒である。



そんな兄とは異父兄弟でもあり、18歳になるまで知らなかった。
まあ、このような家庭の事情は大なり小なりあれど、各々が持っていることなので特に気にもしていない。
幼稚園のときに父親が家にいない環境が当たり前になっていたため、大きくなってもそれが自然の状態であったので、その点では物心ついてからいなくなられたりするよりはよかったのかもしれない。
そんなわけで、父親との記憶はほとんど無いに等しい。
記憶には無いが、母親に言わせると私の幼少期は
・昼寝をしない
・よく食べる
・頑固
の3点に要約される。
昼寝をしないがために、保育園から入園拒否をされる等、いろいろと頭を悩ませていたらしい。
食事に関しても、母親の乳を良く飲む、いや、飲み過ぎだったため、わさびを乳房に塗るなどの抵抗をみせる等、母親も対策していたらしい。
ただ、私はそれを拭いてむしゃぶりついていたらしいが。。。
ここでわかるのは、私は幼少期から「食」に対して貪欲だったということ。




これは私の人生そのものなのではないだろうか。
上記の様に幼稚園時代をそれとなく過ごした私だが、小学校時代が農業に興味を持つ布石だったのではないかと今思えば思う。
目黒区立向原小学校
小学1年生から4年生頃まで、毎年「エコフェスティバル」というものが行われていた。
これは、「ベルマーク」やいまはなき「グリーンマーク」を貨幣代わりにし、フリーマーケットや環境に対しての取り組みの発表、環境に配慮した出し物等が行われる場であった。
全学年がこの催し物に参加し、当日は地域の方々もお客さんとして小学校に訪れ参加できる素晴らしい取り組みだったと記憶している。
集まった「貨幣」は学校側が一纏めにし、学校に必要な用具等(一輪車とかボールとか)と交換するといった仕組みになっていた。
そこで廃油を利用した「油せっけん」も1個50円で販売もしていた。(なぜかこれだけ現金だった)
母親は「これであなたの汚れた服も良く落ちる」とか言ってせっせと買っていたのを覚えている。


野球をやっていた私と母親の強い見方だった。独特の匂いはいまでも忘れられない。
また、運よく私たちの学年は4年生時に「ビオトープ作り」(※ビオトープ:生物空間、生物生息空間とされる)に参加させてもらった学年である。
小学校も片隅にあるウサギ小屋周辺に穴を掘り、浸透性0のビニルを張り、どこからだか持ってきた田舎の良さげな土をそこに張り付けていく。その後、井戸水も組み上げ、人工的に生物の住処とするのである。
その時に土の中から昔のお金が出てきたりと、なにかとツイていた学年だったように思える。
そこから1年間、ビオトープ観察日記たるものをクラスで付けていた。
また、同時期にお隣の世田谷区「大平農園」に総合的学習の時間に訪問したり


「バケツ稲」というバケツで稲を育て、脱穀までするというなんともよい経験をさせて頂いたと思っている。
ちなみに、世田谷区は東京23区では2番目に農家が多い区であり、自然も豊かかつ高級住宅街も広がっている面白い区である。
やはり、子供のときの経験というのは非常に大事なのだろうか、冒頭でも書いたが今思えばこの経験が私の原体験になっているのかもしれない。
しかし、時代の流れというのは恐ろしく小学校高学年になると次第に「エコフェスティバル」も開催されなくなり、いまではすっかり見る影もない。
かろうじて、ビオトープは残っている様だが。
そんな経験をして中学生になったのだが、その当時から環境に対してなにか積極的だったわけではない。
しかし、ここでやっと「農業に興味を持った出来事」が起きる。
中学2年の夏休み、社会の先生から宿題が出される。
その先生は、決して教え方が上手いわけでもなく、どちらかというとみんなからネタにされるような先生であった。



自分の人生、誰がどう変えるかなんてわからないものである。
その宿題とは「平和について」の作文。
平和について。
今、改めて考えてみれば、なんとも抽象度の高い題である。
当時の私は、ちょっと捻くれていて、みんなが考えられるような内容ではつまらないと考えていた。

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