変態を通じて視野を広げる経験。

2009年4月。東北大学入学。

見ず知らずの新しい土地で始まる新生活に胸をときめかせる。
何でわざわざ鳥取県から仙台に出てきたの?とよく聞かれた。
東北の色白美人に会うために!と答えていた。
当時から今までを振り返ってみると、色白美人さんには会えはしたものの、それ以上何もなく。
でも、それ以上の価値ある、変態との出会いがあった。

キッカケは一冊のフリーペーパー。

入学式会場へ向かう道でフリーペーパーを渡され、それを作ったサークルのミーティングに連れて行かれ、あれよあれよという間に、東北大Masspyという企画サークルに入部する事になる。
そこは、"変態"を崇める変態サークルだった。
"変態"とは、あえて自ら困難に飛び込み、既成概念の枠からはみだしてチャレンジする気概をもったパイオニア的人材の称号。らしい、良く言えば。
企画サークルというと、めちゃくちゃチャラいサークルのような印象を与えるが、この変態文化から容易に推測できるように、女性の影は無い。
何か自分が本気で打ち込め、楽しめるものを企画し実行する。(但し、他人の目は気にしない!)
一言で言えば、そんなサークルだった。
初めて参加したミーティングの中で、不用意に「カレーが食べたい」と口走ってしまったが故に、後の大学生活を決定することとなる。
その言葉をニヤニヤしながら真摯に受け止め、モチベートして、企画達成まで付き合ってくれたのが、変態紳士である当時の代表だった。
そこで、僕は初めて、何かをやり遂げる楽しさを知った。
要するに、良いようにそそのかされて企画を回す事となったのだけれど、今ではこの事をとても感謝している。
初めて行った企画は、
大学生協に裏メニューのカレーのレシピを聞きに行くという至極単純なものだった。
しかし、企画書の作り方や、熱意の伝え方を学ぶ中で、成長を実感しながら企画を達成できた喜びは、生徒会やキャプテン等の責任あるポジションとは無縁だった世間知らずな学生にとって、とても新鮮だった。

らせん状にモチベーションUP

一度スイッチが入れば、面白いもので、どんどんとのめり込んでいく。
次の目標として、裏メニューのカレーをレシピをフリーペーパーへ掲載しようと決めた。
DTPソフトの使い方を覚えながら、紙面獲得のために街のカレー屋さんに広告費の営業しに行く。
何度か断られたものの、最終的には二件のカレー屋さんから広告費を頂く。
カレーのレシピのページも、広告ページも、今見れば非常に見栄えは悪い。
でも、何よりも自分がやってきた事が形になる喜びは当時計り知れなかった。
そして次々と新しい企画やチャンスに飛びついていく。
同じような失敗を繰り返しながらも、先輩や仲間に時に優しいとは言えないアドバイスを受けながらも、前に進んでいく。
また、多様なキャリアを持った社会人が集まるサークルや、当時東北ではまだまだ知名度の低かった"学生団体"の集まり等で、多様な人間とも交流できた。
何かを実行すること、いろいろな人の価値観に触れることが、グングンと視野を広げてくれた。
元は、と言えば、こうした喜びを人一倍体験した変態が、
「大学生にもっと社会経験や成長の機会を与えたい。」という志の元、ゆるーい気持ちで創ったサークルだったらしい。
取得したテクニックも幾つかあったが、何よりも、人の目を気にせず、自分の「やりたい」、「成し遂げたい」という気持ちに正直になるマインドを学んだ。

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