周りはみ~んな自己破産 1人目 その3

前話: 周りはみ~んな自己破産 1人目 その2

自己破産の意味

自己破産
言葉を聞いたことがある人は多いと思う。

でも、自己破産っていうものがどういう制度なのかを知らない人は多いような気がする。
実際に私も実母の借金発覚から情報収集をするようになるまで、どのような手続きをするのか、どのくらいの期間がかかるのかなんて知りもしなかった。

実母自身に至っては、自己破産というものは借金が数千・数億の人たちがとる手段だと思っていた。
自己破産した人は住居や生活も制限されて、仕事にも就けない。などと考えていたようだ。
このような制限がなされるのは相応の資産・財産があり、破産にあたって管財人がつくような状況であり、実母のように何もないケースはそのような制限はない。

自己破産の流れ

実母は処分できる財産をもっていないので、自己破産申立と同時廃止手続というものを行った。
20万円以上の財産を持たないような人は同時廃止手続きとなるのがほとんどだそう。

流れはこう。

1、弁護士に依頼することが決まったら、借金の内訳を確認する。
  借入先の金融機関/借入金額/借入期間/連帯保証人など細かく確認。
  弁護士に依頼する旨の契約も結ぶ。

2、弁護士から受任通知を発送する。
  各借入先に『弁護士が入ることになったから、今後の窓口はこっちね~』って  の内容を通知してくれる。
  この受任通知が届くことで、借入先からは請求や支払の督促が来なくなる。
  ※請求がこなくなるだけで、ここではまだ破産は成立してない。

3、利息等の再計算
  借入先の利息が法定金利を超過してないか。
  超過しているものがあれば、利息の払い過ぎが発生している場合がある。
  その場合には、過払い金の返還請求をする。
  ※実母は過払いなかったため、返還請求もなし。

4、自己破産申立
  地方裁判所に自己破産申立書を提出する。
  書類の作成は弁護士まかせでいいが、用意するものも多く骨が折れた。
  【弁護士が作成してくれた書類】
  ◎破産申立書・免責申立書
  ◎陳述書
  ◎債権者一覧
  ◎資産(財産)目録
  ◎家計内訳
  【用意した書類】
  ● 戸籍謄本
  ● 住民票
  ● 市県民税非課税証明書 ※市県民税が非課税の場合
  ● 賃貸契約書(コピー)※賃貸物件に住んでいる場合
  ● 車検証(コピー) ※自動車を保有している場合
  ● クレジットカード ※持っているものは全て
  
  これらを用意するために、数回、弁護士との打ち合わせを行った。
  家計状況などは直近の3か月分を記入する。
  印象的だった言葉がある。

…大丈夫ですか?
  弁護士が家計状況に目を通してから言った一言。
  大丈夫じゃない!けど、借金返済なんてもっと大丈夫じゃない!

5、破産審尋
  裁判所に出向き、裁判官と面接する。
  時間は15分ほどで終わった。
  破産できるかを裁判官が決定する。
  ※ここで自己破産開始決定となる。開始とされているが、処分できる財産がな   い場合は、ここで破産手続が終了となる。(これを同時廃止という。)
  要は、財産がない場合は自己破産開始と同時に終了という流れ。
  財産がある場合は、開始の後に財産の処分が始まる。らしい。
  ※ここで破産が決定となると、官報に公告される。官報に公告されて2週間後   に破産が確定する。(この時点では、まだ借金が帳消しになってない)
 
6、免責審尋
  裁判所に出向き裁判官と面接する。
  数分で終わった。

7、免責決定
  免責の許可が裁判所から出る。
  借入先に免責決定の旨が通知される。
  ※ここで免責が決定となると、官報に公告される。
  借入先からの異議がなければ、自動的に免責が確定する。
  ※ここまできて、やっと借金が帳消しとなる。

ついでに官報にこと

官報に公告される
その言葉を聞いて「官報って何?」と私は思った。

きっと同じように思ってくれる人もいるだろうし、官報のことも書いておく。

破産・相続等で裁判が行われ、その内容が掲載される新聞のようなもので、行政機関が休日でなければ毎日発行される。

誰でも購入して読むことができる。

氏名・住所・決定事項などが記載されている。


弁護士に・・・

官報に掲載されると『自己破産でも貸付できます!』という内容の郵便物が、いわゆる闇金業者から届くことがありますが、すべて破棄してください。
と言われていたのだが、本当に何通かきた。
ここで『ラッキー』とまた借金してしまう人もいるそうだ。

実母には、くれぐれも手をださないよう念を押した。


実母のような人がもしいたら・・・

もし、実母と似たような状況に陥ってしまってる人がいたら、早い段階で専門家に介入してもらうのが良いと思う。

利息は待ってくれない。
多重債務となれば雪だるま式に借金は膨らんでいく。

実母の場合も、一番最初は『車検費用が払えないから10万円をキャッシング』から始まった。

それが、数年経過したら400万にまでなっていた。


もし今、金銭的に困っていて、借金を考えている人がいれば、よく考えた方がいい。

借入は簡単にできる。

でも、返済はとにかく大変だ。

それぞれに事情はあるだろうが、私は、借金が良い結果を生むとは思えない。
というのも、私の周りには経済破綻者が多いから。

借金する前
借金する原因
借金した結果

そういうものを見てきて感じたことを、他にも書いていけたらと思う。

ここまで読んでくださった方々に感謝。

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