【16歳】忘れたくない人 その1

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席を立った私に、声をかけてくれたタカフミ。




その様子を見ていた先程の女性が私を睨みました。その視線に、自分が選ばれたのだという優越感を感じずにはいられませんでした。






オフ会という非現実的な状況での高揚感、優越感、タカフミの柔らかい笑顔。




あの時が初恋の始まりでした。






タカフミへの気持ちを自覚することは、ユウへの感情が恋愛感情ではなかったことの証となりました。

私はユウとの関係で体が女になり、タカフミと出会うことで心も女になりました。







会いたい

「送っていくよ。」と言ってくれたタカフミ。


良い意味で私の期待を裏切って、電車で2時間かかる私の地元の駅まで一緒に来てくれました。




「また会いたいね。」と柔らかい笑顔を残して帰ろうとするタカフミに「今度は私が送る。」と言いました。


冗談半分の言葉だったけれど、もっと一緒にいたい気持ちは本物でした。


私の地元と、タカフミの住む街までは電車で4時間の距離。

中学生の私にとっては、手軽に会える距離じゃないと感じていました。




その思いも、結果としては良い意味で裏切られたのでした。






オフ会の翌日から、タカフミとの長電話が日課になっていき、話せば話すほどにタカフミに惹かれていきました。


学校にいても、友達といても、タカフミの声を繰り返し思い出しては、甘い感情に浸りました。




オフ会から2週間も経たない、ある日の夜。


「週末に、そっちに行ってもいい?」とタカフミからの提案があり、あまりの嬉しさに「来て!会いたい!」と泣いてしまいました。






週末。




タカフミとの時間は楽しくて楽しくて、あっという間に過ぎていきました。

時間が進んでいくことを呪いたくなるほどに。




その日の夜、タカフミが「付き合いたい。」と言ってくました。


冗談でも大袈裟でもなく『私は今この瞬間、世界で一番幸せな人間だ。』と涙がでました。









恋は、あまりにも甘く刺激的で、人の心の奥深くに染みこんで、全ての感情・行動を支配するもの。私はまさしく恋に全てを支配されたのでしょう。



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