休学の負の部分を知った話の休学する前の話

もっと勉強がしたい!

そう思って入った大学院だが、1ヶ月で不登校になった。

初めての東京。
初めての一人暮らし。
友達はおろか知っている人はいない。
コミュニケーションは英語。

そんな環境にうまく適用できなかった。

僕は思った。なんでお金を払っているのに不登校にならなきゃいけないんだろう?大学生の不登校なんて、今までいっぱい見てきたが、まさか自分がそうなるなんて思わなかった。やる気満々で入学したのになんでこんなことに…。不登校当初、こんな感じのくらーいくらーい感情が僕を襲っていた。

そのうち指導教員の先生に、カウンセリングなるものを勧められた。カウンセリングは知っていた。僕の友達も受けていて、すごくいいというのを聞いていたからだ。

とりあえず行ってみよう。

そんな感じで行ってみた。カウンセラーという人たちは本当にすごい。あんなに話を聞いてもらったのは初めてだった。

僕はこの時病んでいて、人と人との会話はどちらかが気持ち良く話し、どちらかがそれを聞くものだと思っていた。僕はほとんど聞く側の人間として、生きてきたのでこんなに話を聞いてもらえたことが驚きだった。この先生なら自分の半分はさらけ出せそうだった。

半分。

そう僕はほとんど自分をさらけ出せない。自分の意見を言えない。不登校の原因はほとんどこれだった。

僕の通っていた研究室は自分の意見が求められる環境で、そんな環境は初めてだった。しかし、僕は言えない、隠す。結果、僕はそれから逃げて逃げて逃げて不登校となった。

ただし、勉強はまだ好きだった。カウンセラーに勧められて、僕は図書館登校を始めた。カウンセラー以外、誰とも話すことはなかったが、いろんな本を読めて、勉強できて、楽しかった。

そんなことをしていると前期が終わり、先生から後期からは来れそうか?休学するか?という内容のメールが来た。休学するには医師の診断書が必要だった。そして僕は心療内科に行った。

まず、事前アンケートがあった。アンケートに、

「死んでしまいたいと思うことがありますか?」

という項目があり、僕は「いいえ」と答えた。

それからカウンセリングだった。

ここに来た経緯を話して、最後に

「時々、ものすごく暗い感情が襲ってくるんですが、どうしたら良いですか?」

と聞いた。

「それって、死んでしまいたいってこと?」

と聞かれ、僕は泣きながら「はい」と答えた。こんなことってあるんだと思った。僕はどこかでこの質問をして欲しかったのだ。しかし、自分からは言えないし、誰も言ってくれない。でもこの先生は言ってくれた。カウンセラーはすごい。

診断の結果、適用障害という病名で診断書を書いてもらった。

その後僕は休学し、実家に帰ることになった。これが休学する前の話。

何も希望なんてない休学が始まった。

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