指揮者でもある数学教師が語る『数学と音楽の共通点』(その1~プロローグ)
私は神奈川県にあります個別指導塾「永野数学塾」の塾長であると同時にプロの指揮者としても活動をしています。上の画像は福島県の「いわき交響楽団」さんに客演させていただいた時のもので、下の画像はNHK(Eテレ)「テストの花道」に出演させていただいた時のものです。
よく色々な方から
「数学塾と指揮者なんて2足のわらじは大変でしょう」
と言っていただきますが、実は私の中では2つの全く別のことをしている、という意識はありません。指揮者としてスコア(楽譜)を読むことと、数学の数式を読み解くことはとても似ています。
数学と音楽には論理を読み解くという点で共通点があるからです。
モーツァルトやベートーヴェンやヴェルディやプッチーニやマーラーやといった過去の「天才」たちが遺してくれた数々の名曲のスコアを読み解くとき、そこにある「論理」に私はいつも感動をします。
音楽には~特に西洋音楽は~ハーモニー(和音)があります。1つのメロディにどのようなハーモニーを付けるかで、音楽の感じられ方は大きく異なってきます。そして、ハーモニーにはゆるぎない「論理」があります。音楽に限らずヨーロッパの文化・芸術において「論理」は欠かすことのない重要なファクターであると思います。
もちろん、人を感動させる芸術は論理だけでは成立しません。論理の前に「これを伝えたい!」という「心」があるべきなのは言うまでもないことです。
しかし、それは数学とて同じことです。数式は自然界が語る「言葉」ですから、数式には必ず「メッセージ」がこめられているのです。そのメッセージを感じ取る感性がない数学者や物理学者は決して一流の研究者になれません。
このように数学と音楽は2重の意味で重なっていると思うのです。
次回は音楽の論理≒和声進行(ハーモニー)について詳しく書きたいと思っています。
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