レッドブルは本当に「翼をさずけてくれるのか」、を90日間試してみた“名もなき男”の人体実験結果。
待ち合わせは、社長行きつけの「高級焼肉店」。(恐竜ですからね、肉ばっか喰ってるわけです。)
当然、社長と飯を喰うのは、これがはじめてではないけど、この日は緊張していたのを覚えています。
乾杯を済ませ、話を切り出しました。
小細工が通用する相手ではないので、ストレートに
「あの店、僕にやらせて下さい。」
と、一言投げてみました。
しかし、この言葉には多くの意味が含まれています。
要するに、「当初3000万円を投資して立ち上げた店を、赤字とは言えオレにタダ同然でちょうだい。」と言っているのですから、社長は、
「・・・・・・・・・・・(計算中)」
「・・・・・・・・・・・(計算中)」
「・・・・・・・・・・・(悪いこと考え中)」
みたいな感じに当然なるわけですよ。
分かってもらいたいのですが、恐竜系ヤクザの沈黙ほど怖いものはありません。
上カルビを箸で挟んだまま、オレは社長の目を見続けました。
「目をそらしたら負ける」なんとなくそんな感じがしたので。
そして、社長が口を開きました。
「ええんちゃう!」
社長の声はとにかくデカい。カラオケに行ってもマイクいらない人ですから。
「お前がやるんやったら、応援したるわ!」
と言ってくれました。
まぁ、「応援したるわ?」の意味がちょっと怖いわけですが、とにかく資金を持っていないオレにとっては、このチャンスを何が何でも取りにいくしかありませんでした。
もちろん会社にとっても、工事費300万円を負担する必要がなくなる話なので、メリットはあります。
しかし、この社長がこの程度のメリットで引き下がるかどうかは微妙でしたが、この日はオレも社長も細かい話を詰めることはしませんでした。とりあえず、今日はお互いの意思確認まで。あとは旨い肉を喰っていたはずですが、まったく味は覚えていません。
恐れに打ち勝つ
オレは、何とかその恐竜ヤクザとの交渉をまとめることができ、本当に“タダ”同然でこの店を手に入れることができました。
オレはこのとき、人生を変える何かの勝負にはじめて勝ったような感覚を持ちました。
それは、交渉に勝ったとか、タダで店を手に入れたとか、そんな事ではなく、「自分の人生」を取りにいった、掴みにいったそんな感じです。
ここで、負けたらオレの人生はグダグダになる、そんな気がして怖かったから、なりふり構わず恐竜ヤクザと戦えたんだと思います。
オレにとって「絶対に負けられない!」そんな戦いだったのです。
独立まで、あと90日
「独立したい」そう思ってから、12年。やっとの想いで手に入れたオレの店。
大赤字の店だけど、ポテンシャルはある。マーケティングにだけは自信があったので、赤字なんてまったく気になっていませんでした。
ただ、
「まだ、何かが足りない。」
今一ピンと来ないけど、確かにまだ何かが足りていない気がして気持ちが悪い。
なんだか、パズルのピースが一個欠けてしまっているような、そんな感じです。
ある日の深夜、独立準備を進めている時、強烈な睡魔に襲われたので眠気覚ましに近所のコンビ二に出かけました。いつもなら、こんな時「リポビタンD」を購入するのですが、その日はなぜか隣に置いてあった、別の「エナジードリンク」に手を伸ばしました。
そう、そのエナジードリンクとは、「レッドブル」のことです。
コンビ二に翼が売っている
事務所に戻ってから、何気にレッドブルを検索してみると、
レッドブル、翼をさずける。
Red Bull Gives You Wings
というキャッチコピーが目に留まりました。
オレは引き寄せられるように、YouTubeやFacebookページなどあらゆるレッドブルに関する情報に目を向けました。
すると、レッドブルの人たちは、
飛んでた。
うん、たしかに飛んでいる。
おぅ?こいつは微妙か?
著者の梅津 久和さんに人生相談を申込む
著者の梅津 久和さんにメッセージを送る
著者の方だけが読めます