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過去最大のカレーパンブーム到来間近!文化を熟知する「協会」の救世主に聞く

著者: 日本カレーパン協会


<<< 食パンの次は…カレーパンブームだと話題に >>>

唐突ですが、日本には今、過去最大級の「カレーパンブーム」到来が予測され、注目されています。テイクアウトスタイルのお食事メニューにスポットが当たる「コロナ禍」が後押ししたとの一説もありますが、ともあれ、あの“高級食パン”の仕掛け人が、次なる一手に「カレーパン事業を」と公言した直近のニュースも手伝って、真実味が加速しています。

ですが、もとい、だからこそこのタイミングで念押ししておきたいことがあります。それは、そもそもカレーパンは日本生まれで、とっくの昔から根付く“国民食”であり、一過性の流行りグルメではないという事実です。東京の一店から派生し、みるみる全国で手にできるまでに浸透した「カレーパン文化」の道のりは、作り手それぞれの切磋琢磨、買い手の愛あるリピートにあってのものに他なりません。

なので今回は、日本一の美味しいカレーパンを決定する「カレーパングランプリ」などの発信的取り組みで、近年の「カレーパン文化」の底上げに寄与してきた「日本カレーパン協会」のキーパーソンに焦点を当て、様々な角度からブームの裏付けを考えます。


<<< 創立7年の「日本カレーパン協会」に、近年は課題も >>>

2013年4月に任意のファン団体として設立され、2017年2月に一般社団法人格も取得した「日本カレーパン協会」は、会長・佐藤絵里さんの「カレーパンマニア」としての全国的なメディア露出や、「カレーパングランプリ®」をはじめとしたオリジナルイベントなどの実施で知名度をあげ、まだ見ぬ名店たちの掘り起こしにも貢献してきました。

(カレーパン作りを子どもたちに教えるイベントの様子)


ただ、順調すぎる活動規模の拡大を遂げてきた同協会ですが、ここ数年、キャパオーバーから、様々なほころびが見え始めていたそう。ファン(会員)数の増加も伸び悩み、一部では心無いオワコン説も囁かれましたが、2018年当時の事務局スタッフ・宮脇小百合さんが仕掛ける本格的な運営サポートで状況を改善し、その功績から彼女自身が専務理事にまで昇格するという、協会として歴史的な出来事が(2020年に)起きています。

実は宮脇さんは、あの「ウイルスバスター」立ち上げメンバーの一人として、同ソフトがシェアナンバーワンに至る一翼を担った過去を持つマーケティングのプロ。現在は「集客コンサルタント」として独立しており、個人事業主や中小企業、タレントや地方の歯科医院などのコンサルタントを行いながら、実際に多くの成功・改善事例をつくっています。

(イベントのマニュアルを見返す様子)


そんな“本職”の顔を持つ彼女が今、協会専務理事として託されているミッションは、「日本カレーパン協会」の仲間を集め組織を立て直すこと。ただ、2020年はコロナ禍でイベントがほぼできない万年逆風状態でした。ですが、宮脇さんはそんな状況を逆手に取り、ファン会員数を1.5倍&前年比300パーセント増に導くという、逆に有能ぶりが際立つデビュー年にしてしまったのです。


<<< プロの集客コンサルタントがいる強み >>>

まず、宮脇さんに「集客コンサルタント」という仕事について説明を求めると、「人を集めるというよりは、人が魅力に惹かれて集まってくれる状態にすること」という、「なるほど」な返事が返ってきました。実は彼女自身が「日本カレーパン協会」存在を知り、参加したのは設立4年目の2017年9月のことで、代表理事(やすひさてっぺいさん)から直接声をかけられたことが深くかかわるきっかけだったそう。

(集客コンサルタントとしてセミナーを開催している様子)


「私が参加した当時の協会は、既にメディア実績も多く、全国各地でイベントを開催できるほどの状態でした。ただ、少数精鋭の協会規模での運営は、危うい綱渡り状態にもなっていて、カレーパンがイベント当日に届かないなどの細かいトラブルも起き、クレーム対応に追われるうちにまたミスを重ねるという、悪循環に陥っている部分はすぐに見て取れました。」と、宮脇さんは当時を分析します。

(カレーパン博覧会2019で指導をする様子)


そして、「この状況がもったいない」との思いで、まずは事務局スタッフとして2018年から適切な運営マニュアルを作成し、提供した宮脇さん。業務の流れの効率化を促し、実際に50パーセントの時短を実現させ、さらにベーカリーのデータベースを作ることで、情報の一元化も行ったのだそう。

そうして健全な運営を取り戻した「日本カレーパン協会」は、2019年11月開催の「カレーパン博覧会」で大きな再注目を浴びることになります。「煩悩の数と同じ108種類のカレーパンを一堂に集め、お寺でイベントを開催するというイベントそのもののインパクトに、完売ラッシュという目に見える結果が重なったことで、一気にメディアに取り上げられました。」と胸を張る宮脇さん。この手腕を見せつけた彼女には、2020年から専務理事の役職が与えられ、「会員数の上乗せ」というミッションに本格的に取り組むことになったのです。

(カレーパン博覧会で全体指導をする様子)


<<< 強い地盤があれば、弱点を潰すだけ >>>

協会の変革に際し、4つの課題に取り組んだという宮脇さん。「まず協力してくださるベーカリー様からのクレームに関しては、分かりやすい資料作りやこまめな連絡など、意思伝達のすれ違いを解消しました。そして、カレーパンがイベントに間に合わないなどのリスクを解消するため、配送業者を一社に絞り、配送伝票の番号を事前にリスト化し、発送状況も電話で確認できるようにしました。スタッフ不足による疲弊問題は、イベント運営マニュアルをつくり、ルーティン化することで改善できました。そして、イベント時に検定の参加をお客様に伝える取り組みで、会員数の伸び悩みも改善の兆しが見えるようになりました。」と、丁寧にその内訳と流れを教えてくれました。

もとより新聞、テレビ、ラジオ、雑誌といった媒体露出の実績が突出していた協会に、組織としてのあるべき軸を段階的に取り入れる能力を持つ宮脇さんが合流したことは、もはや運命だったのかもしれません。


<<< 「ピンチをチャンスに」は持ち味の見せ所 >>>

 宮脇さんが専務理事に就任したのは2020年。ただ、就任直後には新型コロナウィルスの台頭で、協会運営の屋台骨となるイベントが次々と中止になっていったそう。ただ、さぞ肝を冷やしたかと聞けば、「私(宮脇さん)はむしろチャンスだと思いました」と笑います。実は協会の在り方を見直したいと思っていた時期でもあったそうで、イベントに忙殺されず、年に一度の「カレーパングランプリ」に集中できる環境となったことが、逆にメリットと思えたのだそう。

「グランプリは2020年で5年目ですが、最高金賞・金賞の発表の注目度は身に染みていましたので、これを磨けば会員数は自ずと増えるという確信がありました。」と宮脇さん。資料の作り直し、zoomを使ったベーカリーサイドへの説明会、既存のメルマガの情報発信の回数増加と内容改善、ポスターの各店への送付、ネット投票フォームを画像付きにバージョンアップ、ライブ配信の受賞式の模様を協会サイトに置いて(テレビなどでの)二次使用の問い合わせをしやすい環境を作るなど、その取り組みは細部に渡りました。その結果、会員数も6000人から9000人に増え、この目に見えるノビシロから、新規スポンサー契約も獲得中という連鎖が起き…と、宮脇さんの専務理事就任一年目は、極めて順調です。


<<< 客観性をポジティブに、確実に明るい未来へ >>>

 最後に、「with」も見越した新型コロナの時代における、新しい協会の在り方について聞きました。

宮脇さんは、「私たち(協会)が求められているのは、情報の集約と発信です。私たちからの一方的なものではなく、ファンや会員の皆様それぞれが“推す”本物のカレーパンの情報を簡潔に公式発信できれば、ウィンウィンの関係で一緒に成長できると思っています。なので、現在公式サイトをリニューアル中ですが、今までとは違う新たな“カレーパンマップ”を製作しており、ネットでもなかなか出会えない、地方の小さなベーカリー様が一気に大ブレイクできるような、下地を作れればと思っています。」と業界全体の明るい未来に思いを馳せます。

 この流れで今後のトレンド予測も聞くと、「映え・巨大化・ヘルシーの3要素がキーワードになります」と即答してくれた宮脇さん。「形がどこもだいたい同じ」「揚げ物なのでカロリーが気になる」といった根本的な先入観を打ち破る個性的なカレーパンが、この情報過多の時代から一歩抜け出してくると見立てます。「集客コンサルタント」としての実績に裏打ちされた宮脇さんの丁寧で的確な戦略の数々、これはカレーパンに限らず、どのジャンル(仕事)にも活かせるノウハウと言えるでしょう。ともあれ、まずは第何次目かのカレーパンブームの本格到来、待ち遠しいところです。



<<< プロフィール >>>

一般社団法人日本カレーパン協会専務理事 / サポート株式会社代表

宮脇小百合


1964年宮崎県生まれ。新卒でシステム開発会社にプログラマーとして入社するも、早々にマーケティング部門へ部署移送。新サービスの案内やイベントの企画、運営の実務経験を重ねる。25歳時に「ウイルスバスター」の創業メンバーとしてマーケティング全般に携わり、ウイルス対策ソフト日本一まで上り詰める一翼を担い、後にマネージャーとして部下の育成なども担当。

37歳で退職した後は、出産育児を経て、マーケティングの知識と経験を活かしたコンサルタントとして独立起業。テレビ出演、本の出版、雑誌や新聞への掲載などの露出も重ねた集客のプロとして、全国各地でのセミナーも開催。

2017年、本業と並行し、「一般社団法人日本カレーパン協会」の事務局メンバーに。2020年、専務理事に昇格。





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