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ピンチの時こそ、基本に立ち返る!ビジネスイベントの支援が中心だった広告会社の奮闘

著者: 株式会社ビッグビート

あなたにとって2020年はどんな一年だっただろうか?


BtoB企業のマーケティング支援を行う広告会社である我々ビッグビートにとって2020年は、“場づくり”について見直す一年となった。

気軽に人を集めることができなくなってしまっただけで、こんなにも「イベントの意味」「ライブの価値」「要・不要」を考えることになるとは思ってもいなかったことだった。


当社売上げの7割を占めていたリアルイベントの企画運営案件がほぼ0になり、経営が危機的状況に陥る中でも、ビッグビートのチャレンジする、自分たちで考えてやってみるという文化は健在であった。振り返れば、できることが増えた一年になったのではないかとさえ感じる。

コロナ禍でどのようにしてその文化を紡いできたのか、そして実際にどんなチャレンジをしてきたのか、当社代表取締役 濱口豊と振り返る。(書き手:ビッグビート阿部)

当社代表 濱口

海外で感じたCOVID-19の流行と恐怖

2020年1月末、タイとミャンマーに出張していた濱口。その頃は、中国を結ぶ国際線も飛んでおり、海外への渡航は少し気になるくらいで、取りやめるほどの危機感はなかった。

ただ、バンコクのホテルのTVニュースで観た武漢の様子には、とてつもない恐怖を感じたという。

バンコクの街並み


緊張感と不安を持って帰国した2月下旬、やはり東京でもいよいよCOVID-19の影響が表れ、当社クライアントのオフラインで開催予定の大規模なカンファレンスが開催数日前に、急遽オンライン開催に切り替わるなど、慌ただしい日々を過ごした。


同時期から、ビッグビートでは原則テレワーク・在宅勤務をスタート。3月後半には出社も外出先での打合せなども全面的に禁止の措置をとった。

「何よりまず、社員それぞれが自分と自分の家族の身を守るために家にいること、それしか選択肢はなかった」と振り返る。

3月のオフィス閉鎖時、入り口に掲載されたポスター

「今、私たちは世の中に何を提供できるだろうか?」

緊急事態宣言の影響も受け、当社売上げの7割を占めるリアルイベントのサポート業務がほぼ0という事態になる中、濱口は「ビッグビートという広告会社ができることは何だろう」と考えた。


深く考えた先に出てきたのは、「ピンチの時ほど、あれこれ手を伸ばしたくなるが、一つに絞ること。50数名の小さな会社だが、50数名のエネルギーが一つに向かうと強くなれる。そしてできることを周りに差し出すGiverになることが大事だ」という昔からの考え方だった。


そうして、私たちビッグビートができることの答えは「場づくり」と至り、行動を始めた。


まず、ビッグビート社内で、在宅勤務がスタートしてから、PEP TALK(アメリカのスポーツ界で取り入れられている、試合前に贈る前向きなメッセージのこと)的になればという思いから毎週オンラインで朝10時から原則全社員が集合して顔合わせをする場をつくった。これは今日までずっと継続して行っている取り組みだ。


社内も含め、パートナーやクライアントに対する社外の場づくりとしては、オンラインでのヨガレッスンを主催した。元々は、社内の福利厚生の一環として毎週水曜日の朝に行われていたヨガであったが、在宅勤務が続く中でのリフレッシュにと、パートナーやクライアントにも積極的に呼びかけた。特にゴールデンウイーク期間中は、40名程集まり、誰でも定期的に集まれる明るい場づくりができた。


緊急事態宣言が解除され、動き始めた5月頃はオンラインイベントプラットフォームをつくる取り組みを本格的に進めていった。後の「KODOU」である。


6月には、オンラインイベントでの発信拠点として、会議室を配信スタジオ「Rockup! Studio」に改装

イベント配信スタジオ「Rockup! Studio」


改装に対し、実はかなり迷っていたと語る濱口。スタジオとしてきちんと稼働するのか不安だったが、迷ったときはGO!の精神で改装に着手。

今ではその不安も杞憂に終わり、連日イベントの収録・配信が行われている。


もう一つ、大きな場づくりを仕掛けた。それが当社主催のカンファレンスイベント「Bigbeat LIVEである。Bigbeat LIVEとは、当社が2017年から毎年8月に開催している、BtoBマーケティングをテーマにしたカンファレンスイベントである。


このBigbeat LIVEは今年で4回目の開催となったが、今年のようなかたちになるまでの道のりは険しいものだったと、笑いながら振り返る。


初年度は、経営側と従業員の距離が比較的近い会社内であっても開催に疑問をもつ声が複数あがった。50数名、ワンフロアで仕切りのないオフィス。全員が納得して、同じ方を向くということの難しさを知った。2年目以降も、濱口の描く「完成図」にはまだまだ実力が足らず、課題が残る結果となったという。3年目になりようやく理想のかたちとなり始めてきたが、「完成図」への達成度は7割だったと振り返る。

そして2020年。3年目までのリアルイベントで培った技術は振り出しに戻り、オンラインという未体験の手段に切り替わった。今年は、初の5日間開催。全てが初めてだった。会期を5日間にしたのは、何かやらねばと思っているたくさんの人に出てもらいたかったからだという。「Bigbeat LIVEを今年もやろう」という濱口の一声から、社員も何か覚悟と役割を持って各々ができることを進めていった。5日間それぞれにテーマが生まれ、全体として大きなストーリーも描きつつ、準備期間中は悲鳴や唸り声が響きながらも瞬く間に”Bigbeat LIVE 2020”が組み立てられた。結果、51名の方にご賛同・ご登壇いただき、6月の実施決定から2か月弱で初めてのオンラインイベントの開催を成功させたのであった。

BigbeatLIVE配信の様子


「Bigbeat LIVEという場づくりをすることで、一人ひとりが向かうべき方向が示せると思った」と語る濱口にとってのBigbeat LIVEは、自社の営業活動のためのリード獲得や知名度アップのためではなく、社員やパートナー、クライアントなど、ビッグビートに近しい人たちに、自分たちがどこに進もうとしているかというメッセージを伝えるための場であった。


「今年はオンラインでの開催だったけれど、社内のモチベートや方向性を意味づけるというインターナルな点は、今年が一番良くできた。初年度に描いていたシーンが描けたと思う。」と誇らしげに語る。感動しても社員の前だと泣けないじゃないか、と語る目には5日目のグランドフィナーレで流れたエンドロールが映っていた。

次なるチャレンジは「イベントデザイン」

濱口は、BigbeatLIVEや数々のオンラインイベントを通じて、次にチャレンジしなければならないのは「イベントデザイン」だと語る。

ここでいうデザインとは、表面的なかっこよさではなく、イベントにどのような出会いがあってどのように人が動くのか、というプロセスも含めた設計のことを差す。


オフライン・オンライン問わず、イベントの成功のために必要なのは、こうなったらいいなという「理想のシーン」を描くことと、それを「デザイン」する力だという。


選ばれたい相手は誰か、どんな価値を感じて選ばれたいのかを明らかにして、その道筋を立てる。そして、形のないアイデアに生命を吹き込んで、具現化すること、これがデザインの役割だと話す。

別の言い方にすれば、”私のためにやっている”と思われないと選ばれるイベントにはならない。誰に伝えたいか、「一番」伝えたい人を明確にすると、本当に伝わるストーリーが作れるのだという。そうすることにより、来てくれた人がシンパシーを感じ、手にとってもらいやすくなる。この状態を目指すべきだと語る。


目指すためには、一枚の絵を作ることが大事で、これがとても難しいことなんだと笑って話す濱口。


形のないアイデアを一から組み立てていくときに拠り所となるものは、そのイベントの方向性を示すシンボルの設計である。それがイベントの顔となり、メインビジュアルとして目にすることとなる。

そのビジュアルが強いほど、目指したいところが明確に見えてくるのだ。

BigbeatLIVE2020のメインビジュアル


カメラやイベントプラットフォームなどのツールが使えて、配信ができるようになったことは間違いなく”進化”であった。ただ、「それがデザインできているかと考えると現時点ではまだまだ」と話す。


また、濱口は「イベントは、わくわく感が大事だ」と言う。確かにリアルイベントでは、会場に行くまでのドキドキ、会場に着いたときのワクワクという期待感や雰囲気が作りやすかった。しかしこの感覚の醸成をオンラインイベントで実現することは、まだ現時点で苦労している点の一つである。


オフラインイベントの代替としてのオンラインイベントは、春先からの約半年間で経験値も増えてきたが、それをもっと深めていくためにはオフラインの代替ではない考え方が必要だと予想する。つまり、「オンラインならではの考え方」に変容させる必要があるということだ。


2020年のビッグビートを振り返ると、オフラインもオンラインも扱える状態になっていた。今後オフラインが戻ってくれば、これまでの知見を活かした場づくりを提供し、オンラインはオンラインでまた違う楽しみ方で場づくりを提供できる。

このデジタルの発展に、広告会社としてのデザイン力を組み合わせていければ、企業それぞれにとっての最良な「場づくり」ができるはずである。


「まだまだやれる!」

世の中にある仕事のほとんどが、未来をよくするためにやっていること。特に広告は、お客様の未来をよくしていくためにつくるものだと思っていると話す。

広告会社の仕事はひとつの製品を作っているものではない。そのため、社員一人ひとりの動きやお客様に対しての言葉やサービスが、ビッグビートとしての集合体になる。そこには一人ひとりの想いや考えがとても大事になるため、目指すべき道を明確にしていく必要がある、と濱口は語る。

苦しい時に自分たちができる場づくりという一点に絞り突破してきたこと、BigbeatLIVEというイベントを通してGiverになってきたこと。

これらの考え方を持って、2021年もパートナー各社とタッグを組んでお客様にデザインがなされた場づくりを提供していきたいと語った。


さらに「まだコロナは終わっていない。きっとまだイントロ。これからAメロが始まるくらいじゃないかな。少なくともAメロの中では、まだ負けていないと信じている。」と話す。

「まだまだやれる!」


負けたと思わなければ、負けていない。そして、負けないためにできることをやり、世間に価値を差し出していく。そうすることで、世間から反響をいただく事ができ、それを繰り返す、濱口はそれが自分の考える”経営”だと話していた。

なにより、若手がこれをやるんだと目指すべき道を認識して活動してくれたことは大きな成果であったと振り返る。


思えば、オンラインヨガも朝のPEP TALKも始めた当時はツールの使い方も不慣れなものであったが、あの小さな場づくりの経験がBigbeatLIVEという大きなイベントの、そして今日までのオンラインイベント運営のベースになっているように思う。


また、たくさんの人があつまる密なオフラインイベントも安心してできる世界になることを夢見ながら、2021年も変化に柔軟に対応し、「場づくり」を通して、皆様に価値を届けていきたいと強く思う。



株式会社ビッグビートについて


会社名:株式会社ビッグビート

本社:〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町 4-1 ニューオータニガーデンコート 22F

TEL:03-3222-8877

FAX:03-3222-8882

設立:1995年3月

代表者:濱口 豊


事業内容:

BtoB企業のマーケティング支援を行う広告会社です。

誰に、何を伝え、どのようなシーンを生み出すか。お客様と成功のカタチを共有し、描いた絵を具体的にプランニングして実行、次の活動へとつなげていきます。

企業が生み出す素晴らしい製品や技術そしてサービスを、その熱量を下げることなく必要な人に最適なタイミングで届けるコミュニケーションを創造していくために、ビッグビートはイベントというライブ型メディアと、デジタル上のメディアを駆使し、熱を感じる「物語」を伝えていきます。




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