サツマイモ加工品の卸(BtoB)で老舗のハマダフーズが挑む、新たなブランド「mosukii」。お芋を贅沢に50%使った、さつまいもケーキの誕生秘話。
ハマダフーズ株式会社は熊本県南部の海、山に囲まれた自然豊かな環境の下で自然本来の味を伝えるために独自の技術で「素材の味を活かした食品」を作り続けている企業です。
長年、サツマイモのペーストなどBtoB商品を全国に卸しており、
素材本来の旨味を引き出す製法で人気を集め、スイートポテトをはじめとしたスイーツ等、様々な商品に使われています。もしかしたら皆様もどこかで口にされたことがあるかもしれません。
取引先より納品されたばかりのサツマイモ。九州南部の大地の恵みです。
しかしながら近年はサツマイモの病気や地方の高齢化等多くの課題と直面してまいりました。その状況を変えるべく、食品加工(BtoB)の老舗である私たちはBtoC市場に乗り出すために自社ブランド「mosukii」を開発しました。本ストーリーでは、その挑戦の軌跡をご紹介します。
九州南部のサツマイモ産地を襲う基腐病(もとぐされびょう)
私たちは長年、九州南部のサツマイモを仕入れて、ペーストなどに加工し全国へ卸すことを生業としてきました。私たちの本社もある九州南部はサツマイモの生産の一大産地です。芋焼酎などの産地としても有名でもあります。
その大産地に突然の「伝染病」という暗雲が立ち込めたのはここ数年の事でした。
2018年頃、収穫した時は問題なかったサツマイモの中から保存中に腐れてしまうものが出てきている、と小耳にはさむようになります。その症状を起こす基腐病が発生していたのです。
ただ、この時は自社にとって大きな影響はありませんでした。
基腐病に感染し廃棄処分となったサツマイモ。黒い部分は中身が腐敗している。
しかし、2019年産の仕入れたサツマイモから急に腐れが出始めます。数はそこまで多くなかったのですが、嫌な予感がしていました。
その翌年である2020年には腐れの数が急激に増加、基腐病が猛威を振るいます。サツマイモは甘みを増すために貯蔵をするのですが、収穫直後は問題ないサツマイモでも、通常の貯蔵期間中に次々と腐れが出てきてしまいます。
基腐病の蔓延はとどまることを知らず、2021年も変わらず被害が拡大します。いよいよ価格の高騰や仕入れ量の制限等、経営の影響が出始め、今まで通りの商品が提供できなくなったり、納品をお断りする事態となっていました。
その影響はかの有名な芋焼酎メーカの一部の商品が販売停止となるほどでした。
今もこの伝染病が収束していないため、サツマイモの仕入金額は毎年上がっています。何年もサツマイモの収穫ができなくなると、栽培をやめる農家さんもでてきてしまい、いよいよ大変な事態となってしまいます。
加工用原料としてお芋のペーストを生業としてきましたが、基腐病で今まで入ってきた原料の芋が不安定になっていきました。今まで仕入れることができていた芋がどんどん貴重になっていきます。代表の濱田は、経営者としてこの状況に直面し今後の会社の事を早急に考える必要があった、と当時を振り返ります。
事業を守りながら、よいお芋の価値を伝えるには
またその一方で、長年ペーストの卸を生業としてきた私たちは、直接お芋を消費者に届けたことがありませんでした。
南九州で昔から愛されているサツマイモである高系14号をはじめとした良いお芋を使っています。焼き芋らしいホクホクとした食感でとても美味しいお芋です。
毎日社員のみんなでお芋を洗ったり焼き芋の皮をむいたり、丁寧に加工しています。
焼き芋ペースト用の焼き芋の皮を一つ一つ手作業でむいている様子
しかし、BtoBではそのことをうまく伝えることがなかなかできません。
貴重で大事なものに付加価値をつけたい。
地方の高齢化により働き手もどんどん少なくなっており、労働力の確保という点でも課題と直面していました。多くの課題の中でなんとか事業の継続も改善したい。
ただ、何もできないわけではなく、自社の敷地内には工場があります。過去に他社のスイーツを委託加工していた経験もあり、商品の製造に必要な営業許可証、そして長年培ってきた食品加工のノウハウもありました。作った商品はロットごとに細菌検査や官能検査(味、色、風味その他を実際に食べてチェックします)を毎回行っており、サツマイモの品質と味に関しては経験と自信がありました。
この条件をもとにお芋の良さを生かした商品を作り、たくさんの方に直接お芋本来の美味しさを届けられないか。そう考えるようになり、この苦境に対抗するために自社商品開発に挑むこととなりました。
BtoC市場への挑戦、商品、ブランド開発
BtoCの業界に参入しようと決めたものの具体的な手法がわからず、まずはいろいろな勉強会に出たり、商品開発の支援を受けるところから始めました。
中小企業・小規模事業者の皆様のための経営相談所などに通い様々な勉強会に出席し、サツマイモプリン、カステラ等、その他にも様々な商品を試作しましたが、納得いくものが出来ず商品化できるまでに至っていませんでした。
一方で基腐病は収束の気配が見えず、さらにコロナ禍も重なり、卸の発注も不安定になります。より自社の商品を開発しなければという気持ちが強くなっていきました。
その中で、お芋の価値を伝えるにはしっかりとした「ブランド」を作る必要があると気づきました。ブランドを作るには自分が何をいいと思っているのか何を伝えたいのか具体的に落とし込む作業が必要でした。自分の商品と日々向き合う事となります。
配合を変えて試作を繰り返す様子。舌触りやなめらかさ、保形性など課題が山積み。
ブランドを一から作るという事。お芋の価値の再評価をするためにブランドのロゴ、コンセプト、ターゲット、パッケージ等多くの事を勉強し、具体的に形にしていく必要がありました。元広告業界の移住者を採用し、ブランド構築のためのデザイナーを選定し、補助事業の申請、そして試作を繰り返しました。
しっとりとしたケーキの食感を保ちながら、しっかりと芋の味を感じるにはどのくらいお芋を入れればいいのか。配合は何度も皆で試食をしながら決めていきました。なかでも難しかったのは「ケーキの形をきれいに保つ」事でした。小麦粉を使わずにお芋の配合を多くすると、切ったときにボロボロになってしまいます。試行錯誤を繰り返す中で、やはりサツマイモにこだわりたかったため、つなぎに南九州のサツマイモデンプンを使う事にしました。
また、焼き時間を調整することで解凍した後もしっとりとした食感に。パッケージには切り分けるときにお客さんに手間がないように木の板を入れる事にしました。こちらの板もウッドデザイン賞等を受賞されている大分日田の老舗の木材加工会社(高瀬文夫商店様)に制作をお願いしました。
「いも、すき」お芋が好きなブランド「mosukii(もすきい)」
「いも、すき」と10回言ってみて。
その発想から「mosukii(もすきい)」は生まれました。
ブランド名を色々と考え、沢山の候補を出していただいたのですが、なかなかしっくりきませんでした。ブランドの願いを叶え、マッチする名前が出てこなかったのです。
このブランドを通じて、お芋が本来持っている味の良さを伝えたい。お芋を好きになってもらいたい。今後もお芋を好きな人に届けたい。沢山のお芋への”好き”が詰まっていました。
ある日、社長が芋好き芋好きと何度もつぶやいていた時に、いつのまにか「もすきい」になっていたことに気づきます。その時、雷に打たれたようにこれだ!となり皆に話して満場一致でブランド名「もすきい」は生まれました。芋好きと10回つぶやいたからこそ気づいたこの言葉には、お芋に真剣に向き合った日々と、お芋が好きな気持ちが沢山詰まっています。
お芋が好きな人に、お芋本来の味が主役の製品を食べてもらいたい。
お芋の皮を丁寧にむくところから製品になるまですべて自社内で行い、素材の味を生かした商品を作り続けてきたからこそできる、本物の味を味わってほしい。
お芋の味は実は意外とおとなしくて、他の素材の味に負けてしまう事もしばしば。
なのでmosukiiさつまいもケーキ(プレーン)ではお芋を贅沢に50%以上入れました。今回はこだわってつなぎに小麦粉を使わず、サツマイモでんぷんを使っています。
また、お芋のペーストを使った生地の部分と角切りのお芋の食感や味わいの違いを楽しめるように2層の構造となっています。
他にはないお芋たっぷりのmosukiiさつまいもケーキをぜひ味わってみてください。
焼きたてのmosukiiさつまいもケーキ。香ばしい香りが食欲をそそります!
2023年10月13日から、マクアケで「mosukii(もすきい)」さつまいもケーキの新商品が登場。今後ともお芋が大好きなブランドを体現するために。
mosukiiさつまいもケーキに、この秋から新しい味が登場します。10/13より、先行販売をマクアケさんにて行います。
サツマイモの味を大事にしながら、チョコレートとクリームチーズを混ぜ込んだ2種類の味をご用意しております。
是非、応援購入をよろしくお願いいたします。
いも、すき。お芋が大好きなブランド「mosukii」として、みなさんが喜んでいただけるようなお芋の味を大切にした商品を今後も作っていく予定です。
また、地域の休耕地や被災地の畑の再活用、子供たちの食育等にも関わっていけるようなブランドを目指しております。是非今後とも応援の程よろしくお願いいたします!
【ブランド概要】
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mosukii(もすきい)
HP:https://mosukii.com/
instagrm : https://www.instagram.com/mosukii.imosuki/
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