バリスタと職人のこだわりが共鳴するコーヒースタンド 「THE GUT’S COFFEE」
内装化粧フィルムやグラフィックシートの貼り施工を専門に手掛け、空間やモノに新しい価値を生み出していく「THE GUT'S(ザ・ガッツ)」。職人たちが働く工場の一階、ガラス扉一枚隔てただけの空間に、ガッツが運営するコーヒースタンド「THE GUT’S COFFEE(ザ・ガッツコーヒー)」があります。
ベンチとカウンターがあるだけの小さな店内には、LA MARZOCCOのエスプレッソマシンやタンピングマシンなどの最上位マシンが並びます。豆は、シドニー生まれの「Single O(シングルオー)」。バリスタの大西祐美さんが注文ごとに豆を挽き、温度、時間、手の加減全てをコントロールし、神経を集中させて一杯のコーヒーを抽出しています。
■職人の会社がコーヒースタンドを作った理由
ガッツの職人のポリシーは、「カッコよく生きる」。
高い技術力でカッコいい空間を創ることはもちろん、施工する際の所作や現場の整理整頓、ユニフォームのデザインに至るまでカッコよく、見た目も振る舞いも仕事もパーフェクトにこなすことにこだわっています。
ガッツの主役は職人です。裏方仕事で普段注目を集めることはありませんが、高いパフォーマンスで真剣勝負をしているからこそ、たくさんの人に技術を知ってもらいたい。
そこで生まれたのがコーヒースタンド構想です。
工場の入り口にコーヒースタンドを設け、多くの人に工場を見てもらい、「職人ってカッコいい」「面白い仕事をやってるな」と興味を持ってもらうきっかけにしたいと考えたのです。このスタンドのオープニングにあたり、バリスタとして一から店作りをしてくれたのが大西さんでした。
■1時間でひっくり返った、ガッツへの気持ち
大西さんとの出会いがなければ、本格的なコーヒーを提供する今のガッツコーヒーは生まれていませんでした。
ガッツの第一印象を、大西さんは笑いながらこう振り返ります。「実は、社長との面接が始まってすぐ『だめだ、帰ろ』と思ったんです。工場では職人さんがこだわったカッコいい仕事をしているのに、スタンドには操作の簡単なボタン式コーヒーマシンを入れようと思ってる、と社長に言われて」。ガッツとしても、本格的なコーヒーを提供したい。けれど当初はそれができる人も知識もありませんでした。そのため、誰が操作しても一定のクオリティーをキープしてコーヒーを提供できる、そんなマシンを入れようと考えていたのです。
抽出をストイックに学び続けてきた大西さんは、こだわりを持った職人会社のお店だからこそ、そんなコーヒーを出すなんて似合わない、と感じたそう。「どう思う?」と尋ねる社長に「ないですね」ときっぱり。「こだわったコーヒーを提供する方法、私ならわかります!」と話すと、メモを取りながら「どうやるの?教えて」と身をのりだす社長。その姿勢に大西さんの心が動き始めます。
「社長なのに、初対面の私の話を真剣に聞いてくれるし、自分のこともたくさん話してくれて。この人すごいな、と思いました」。
面接が終わる頃には、「ここで働きたい」と強く思っていたそう。
大西さんの考えを聞いて、社長も原点回帰。職人のカッコよさを伝えるためには、ガッツの技術とパフォーマンスの高さをそのまま表現するような、こだわり抜いたコーヒーでなければ。こうして、ガッツコーヒーのコンセプトが明確になりました。
■東京での修行と挫折、そして大阪での再出発
大西さんは、もともと大阪のカフェでバリスタをしていました。抽出次第でコーヒーの美味しさが変わることに衝撃を受け、「豆や抽出を知れば知るほど、その美味しさや可能性が分かりました。突き詰めて真剣に向き合えば、豆は応えてくれる。だからもっと知りたい、美味しいコーヒーを淹れたい」と、抽出理論を学ぶために東京へ。有名カフェで働きながら、ロースターや先輩バリスタを質問攻めにしたり、勉強会という勉強会に参加して「ワークショップ荒らし」と呼ばれたり。そうやって知識や技術を磨いてきました。
カフェのトップバリスタに登りつめ、店舗も任されるように。ところが、組織が大きくなるにつれ、合理化され硬直してしまったシステムを前に、限界を感じ始めます。「美味しいコーヒーを淹れたい。でも、それができないというストレスで、一時はコーヒー業界から離れようとさえ思いました」。
大阪に戻り再スタートを切ろうとする大西さんでしたが、培った技術を生かして、理想とする美味しいコーヒーを追求できる環境はなかなか見つからない。そんなとき、求人広告で目についたのがガッツコーヒーでした。
■美味しさを追求したコーヒースタンドが誕生
面接から1週間後、晴れてガッツの仲間に加わった大西さんは、一から店作りをスタートします。豆の選定は、社長やガッツのマネージャーを誘って、一緒に東京のロースター巡りへ。ヘトヘトとになるまでテイスティングをして、選んだのが両国にあるロースター、Single O Japanでした。疲れ切った3人をあたたかく迎え、丁寧に焙煎機の説明をし、ホッとする一杯を提供してくれたロースター。高品質であることはもちろん、ダイレクトトレードでサステナブルな取引にこだわっています。マシンや什器にも気を抜かず、美味しさを軸に選定しました。
「ガッツの職人さんたちは、何の信用もないはずの私を信じてお店を任せてくれました。何のしがらみもなく、ただ美味しさを追求できることがどれだけ贅沢なことか、これまでの経験があるからよく分かるんです。だからこそ、誠心誠意、真面目に、できることを全力で取り組もうと決めました」。
こうして、こだわりの豆とマシン、熱いバリスタが揃い、品質の高いコーヒーを安定して届けられる体制が整ったのです。
THE GUT'S COFFEE 専任バリスタ:大西祐美
■こだわり抜く「カッコよさ」が共鳴する場所に
「コーヒー豆は、生産者が大切に育て、ロースターが丁寧に焙煎したもの。バリスタは、その想いを受け継いで一杯のコーヒーに表現する最後の一人です。お金をいただいて終わりではなく、おいしいと感じて満足してもらいたいし、コーヒーのおいしさを知って、これからも飲み続けてもらいたい。それがコーヒー業界の未来にもつながると思うんです」と話す大西さん。
そのために、マシンでの抽出だけでなくハンドドリップの技術も磨き、提供できるコーヒーの幅を広げました。また、お客様とのコミュニケーションも大切にしています。「この豆はエチオピア産で華やかで、と説明しても味はなかなか伝わりません。だからこそ対話が大事。普段どんなコーヒーを飲んでいますか?牛乳入れるほうが好きですか?と聞いて、豆のフレーバーや個性、飲み口などをできる限り伝え、お客様の好みや気分にマッチする納得の一杯を提供するように心がけています」。
豆に携わった人全ての想いを込め、お客様に合わせて丁寧に淹れるコーヒー。
こだわり抜いたその一杯は、「ガッツの職人仕事を表現する」という当初の想いを叶えてくれました。バリスタは一杯のコーヒーに、職人は一枚のフィルムに、妥協することなく「カッコよく生きる」。そのDNAが二つの空間で共鳴しています。
本記事に関するお問い合わせ、取材についてはこちらへ
<TEL>06-6374-6390
<E-mail>theguts.total@gmail.com
■企業/店舗情報
THE GUT'S COFFEE
住所:〒530-0016 大阪市北区中崎3-2-29 (2019.11左記住所へ移転しました)
営業時間:9:00~18:00
定休日:不定休
公式Instagram:https://www.instagram.com/thegutscoffee/
株式会社THE GUT'S
〒530-0016 大阪市北区中崎3-2-29
TEL 06-6374-6390(代)
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