世界と関わる楽しさと意義を自分の言葉で伝えたい。全国で10年間続けた「世界ビト」を育てる出前授業とそのオンライン化
株式会社リエゾン・デートルは「グローバル人材=世界ビト」を育てる出前授業を全国の教育機関に提供している会社です。あるきっかけで2012年に小学校の1クラスから始まった出前授業のサービスは、口コミで全国の小・中学校、高等学校、大学へ広がりました。そもそも、なぜこの授業を始めたのか、その授業に対する熱い思いやサービスの成長の過程で経験した様々な困難、経験談などを創業者であり代表取締役の酒井由紀子が語ります。
■東日本大震災による決心
私が起業したのは、東日本大震災が起きた2011年です。両親が福島県の出身で、親戚が亡くなったり、田舎の町が立ち入り禁止区域になったりして人生を大きく見直したことが契機でした。それまでに23年間5社で海外事業の経験がありましたので、その経験を活かして社会に役立つ仕事をしたい!と起業を思い立ちました。
まず始めたのは、中小企業の海外ビジネスコンサルの仕事です。会社員時代の経験を活かし、数社と契約を頂き、世界各国をクライアントと共に旅する生活が始まりました。英語が使えるとたいていの国で仕事が出来ます。日々様々な国の人々と関わり見聞を広げていきました。
■動画教材「世界ビト図鑑」を制作。そして・・・
そして、私自身がいつも感じている「世界と関わる楽しさと意義」を子どもたちにも伝えたいと思いました。そこで制作をしたのが、世界で活躍する日本人を取材した動画集「世界ビト図鑑」です。会社員時代の退職金をつぎ込んで海外取材を行い、各地で働く日本人10名の方の海外での生活やお仕事の様子などを収めました。この教材を教育系展示会で発表したり、新聞広告を打ったりして懸命に宣伝をしましたが、思ったようには売れ行きが伸びませんでした。
メディアではグローバル人材育成は急務と言われているのに「なぜ?」と思い、わらにもすがる思いで当時小学生だった息子の担任の先生に相談してみました。すると先生からは「学校の先生たちは海外の情報にあまり詳しくない。この動画を使った授業が考えられないのだと思う」とのことでした。そして「お母さん、どうせだったら自分で授業をしたらどうですか」と言って頂いたのでした。
自分で学校へ出向いて授業をすることは全く考えていなかったので、驚きと不安を感じましたが、先生の声に導かれるように「やってみよう」と一歩を踏み出しました。
■緊張と不安の中で・・・
初めての授業では、膝は震え、背中に冷たい汗が流れました。けれども「世界ビトになると世界中の人と関われることが出来て楽しいよ」「みんなも世界を意識したその時から世界ビトなのだよ」「英語は思いを伝える道具。身につけると絶対に役に立つ!」「世界規模で社会を考えよう」と伝え、子ども達から「世界と関わることって自分じゃ無理かと思っていたけれど、そんなことないんだね」「英語を身につけて世界に友だちが作ってみたい」という声を聞いてとても感激したことを覚えています。
その日から海外ビジネスコンサルの業務と「世界ビトを育てよう!」出前授業の先生の二足のわらじを履き、世界各国を飛び回りながら、それぞれの国で得た情報を学校の子ども達に伝えることを10年間続けてきました。小学校から始めた授業は口コミで中学校、高校、大学の学生、教員向けと対象が広がり日本各地からお声がかかるようになりました。授業を受けた子どもたちが海外留学や世界と関わる仕事を始めましたと連絡をくれるようになっていきました。
■コロナウイルスで依頼が激減。厳しいピンチに直面。
しかし、2020年にはコロナウイルスの影響で対面授業が難しくなり依頼数が激減しました。海外コンサルの業務も渡航が出来なくなり全てオンライン化しました。弊社としてはとても厳しいピンチの時期をむかえました。
「困ったな」と悩みましたが、「100年に一度の伝染病を経験するなんて貴重な体験」と開き直り、その環境でも出来る事は無いかと考えました。
そこで生み出したのが「世界ビトを育てよう!」オンライン出前授業です。海外コンサルの仕事で多様なオンライン会議ツールの技術を取得して、自社からリアルな授業と遜色なく安全に学校へご提供が可能になりました。そしてオンラインでも世界各国の情報は入手出来ることが分かり、世界各地のコロナの状況なども仕入れて刷新した内容で授業のご提供を始めています。
■オンラインだからこそのメリットを実感
オンラインで授業を始めて、リモート授業で各人のPCから授業を受けた子ども達からは対面授業の時よりも詳しい感想を頂くことがあり、先生からは「オンラインだからこそ周りに邪魔されることなく自分と向き合えて、素直なコメントを書けているのかもしれない」との意見も頂きました。
子ども達からは「僕も世界ビトになって、知識や経験を広げて自分自身の常識のサイズを広げていきたい」「世界のニュースをもっと知りたい」「コロナで起きた変化に不安になってばかりではなく、変化を受け入れて対応できるようになりたい」などの感想が聞こえてきています。
学校の先生では伝えきれない世界の情報を、日々の仕事のエピソードを交えて伝えていくことをこれからも続けていきたいと考えています。日本だけに安住するのではなく「世界ビト」として広い視野を持ち、活躍する子ども達の育成に力を尽くして参ります。
参考URL:グローバルキャリア出前授業:リエゾン・デートル|Liaison d'etre (liaisondetre.jp)
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