「パラレルワーカーシェアリングサービス」の現在と未来。
「1人が、複数の会社で、本気で働ける社会」の実現に向け、コーナーが取り組んでいるパラレルワーカーシェアリング事業。パラレルという言葉も少しずつ使われるようになってきましたが、まだまだこれから世に浸透させていくフェーズです。
そんな新しい領域にチャレンジする背景と将来性について、代表の門馬とCOOの小林に聞いてみました。
▼代表取締役 門馬 貴裕(もんま たかひろ)
新卒で株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)に入社。人材紹介部門の法人向けコンサルタントや、ファッション業界向け新規事業責任者として企業の人事戦略・採用支援に一貫して関わりトップコンサルタントとして活躍。その後は人材紹介部門のマネージャーに従事。兼務で100名超の新入社員研修等も行う。2016年に同社を退職し、株式会社コーナーを創業。
▼取締役COO 小林 幸嗣(こばやし こうじ)
新卒で株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)に入社。転職サイトdodaの立ち上げ期より、トップコンサルタントとして活躍。その後営業、企画部門のマネージャーを歴任し、最年少統括部長として100名超の組織マネジメントを行う。doda Recruitersや地方創生プロジェクト等、多数のプロダクトや事業の立ち上げを経験。2018年に取締役として参画。
⚫️これまで世になかった、人事・採用領域特化型の「パラレルワーカーシェアリングサービス」
門馬ーーー
「コーナーのビジネスをひと言でいうと、『人事・採用領域におけるパラレルワーカーシェアリングサービス』です。複数企業で活躍する人事・採用のプロフェッショナル人材と、その力を必要とする企業をマッチングするプラットフォームとしての役割を担っています。
サービス開始時、専門領域に知見を持った顧問派遣型サービスや、事務代行がメインのBPO・RPOサービスなどは存在しましたが、ちょうどそれらの間にある「企画や戦略の絵を描きながらも、ハンズオンによる実務支援ができるサービス」というものがほとんど無いように感じていました。
ここに本質的なニーズを見出し、“コンサルタントやアドバイザーよりも実務的/アウトソーシングよりも戦略的”な立ち位置にポジショニングしたのが、私たちのパラレルワーカーシェアリングサービスです。類似のサービスも最近は徐々に出始めましたが、人事・採用領域を専門に取り組み始めたのは当社がおそらく最も早く、競合はまだ少数でもあり、私たち自身でマーケットを拡大させていく必要があります。」
小林ーーー
「現在、コーナーには1,600名を超える人事プロフェッショナル人材(パラレルワーカー)の登録があります。採用、人事制度・企画、組織・人材開発、教育研修、労務など専門領域もさまざま。企業はこれらの人材を週1日からの稼働時間で目的や課題にあわせて活用することができます。
企業側だけでなく、パラレルワーカーにとっても大きなメリットがあります。それは、「自身の専門性を複数の会社で活用し、アップデートできる」という点。1つの会社で働くだけでは得られない経験・実績を、パラレルに働くことで積み上げられるようになりました。
このサービスを人事・採用領域からスタートした理由は、それが『1人が、複数の会社で、本気で働ける社会』実現への近道だと考えたからです。人事は、組織経営に最もインパクトを与えるポジション。この領域から関与し、企業人事の方々がまずは自部門でパラレルワーカーを活用いただき、その効果やバリューを体感いただくことを考えています。その状態から他部門にもパラレルワーカーを受け入れるように働きかけていただき、その土壌を増やしたい。企業全体で、アジャイルな組織構築をできる状態を作り、組織から変革していくことが、ひいてはパラレルワーカーを増やすことにつながるのです。」
⚫️この事業が果たす社会的な役割
門馬ーーー
「VUCAという言葉が指し示すように、今のビジネス市場は変化スピードが速く、予測不能で複雑な時代となりました。しかし、日本では従来の働き方を大きく変えることができず、G7における労働生産性は最下位。諸外国に水を開けられる形となってしまっています。
しかし、国内でも徐々に変化の兆しが見られるようになってきました。終身雇用制度の崩壊はもちろん、昨今のコロナの影響で、これまで眠らせていた改革に大きなメスが入ろうとしています。その一例がリモートワークの導入。どの企業も初めて直面する問題に苦戦しながらも、これまでの在り方を変えていこうとしています。
今後もっとこういったシーンは増えるでしょう。そんなときに、未知の課題に立ち向かってくれる専門性をもった人事プロフェッショナル人材の存在は、企業の大きな力となるはずです。日本の生産性向上のキーとなるのは、パラレルワーカーの存在にあると言っても過言ではないでしょう。」
小林ーーー
「コーナーでは、事業開発(BizDev)経験のある人事の方々を『COO的人事』と呼んでおり、そういった人材を1人でも多く輩出したいと考えています。先ほどもお伝えした通り、人事は組織経営に最もインパクトを与えるポジション。だからこそ経営や事業運営と切り離して人事を考えるのではなく、P/L責任を持ちながらアジャイルに人事面の意思決定や施策実行をされてこられた方の経験はとても貴重です。
また、この経験者を増やすためには、顧問やBPOより、事業を推進するためにも事業部や実務面に近い立ち位置でのクライアントへの支援が重要になると思っています。"コンサルタント・アドバイザーよりも実務的/アウトソーシングよりも戦略的"な立ち位置でパラレルに企業の成長を支援することこそが、COO的人事を目指しやすいポジションにあります。
事業をインキュベートできる人事を増やし、企業成長をドライブさせられる人材を育成・輩出する。我々のサービスにはそんな社会的役割もあると考えています。」
⚫️事業化を進めるなかで感じた確かな手ごたえと将来性
門馬ーーー
「設立当社、このパラレルワーカーシェアリングサービスの主な顧客は中小・ベンチャー・スタートアップ企業が主な顧客だと考えていました。しかし、徐々に事業として取り組みを進めていくと、ベンチャー~大手上場企業まであらゆるフェーズや規模の企業にニーズがあることに気づいたのです。
確かな手応えを感じているこのタイミングで、人材も資金も大きく調達して仕掛けることもできなくはありません。しかし、今はまだそのタイミングではないと考えています。なぜなら、先行きが予想しづらい世の中で、大きな組織は柔軟性に欠けてしまうから。志を共にした限られたメンバーで、MVVだけは変えずに近めの未来をイメージしながらアジャイルに動く。このスタイルが、今のコーナーらしいなと思っています。」
小林ーーー
「先ほど、マーケット自体をスケールさせる必要があるとお伝えしましたが、その狙いのひとつに『パラレルワーカーの基準を作っていきたい』というものがあります。現状、この仕事を依頼するにはどれだけの報酬が必要かといった基準はほとんどありません。時価に近い形のままでは、企業が仕事を依頼しづらいだけでなく、パラレルワーカーにとってもどうスキルをアップデートしていくべきかの指針が不明瞭になってしまいます。
この基準作りのためには、一定以上のマーケットスケールが必要です。数多くのケーススタディを通して基準を作ることで、もっと企業と個人がパラレルワーカーという選択肢を選びやすくなるはずです。コーナーはその両者をつなぐプラットフォーマーとしてマーケットを作り、パラレルワーカーという選択肢が当たり前の世界観を作ることに挑戦していきます。」
ここまでお読みいただきありがとうございます。
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