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80代の著者さんもおられます。

結婚式場で知られる八芳園が、総合プロデュース企業へ。白金台でポップアップ型ショールーム「MuSuBu」を運営するワケ

著者: 株式会社八芳園


1943年に創業し、「日本のお客様には心のふるさとを、海外のお客様には日本の文化を」を理念に掲げ、結婚式や宴席、レストランや料亭を運営してきた八芳園。そんな弊社が2020年8月にオープンしたのが、日本と世界を、地域と都市を、人と人をむすぶポップアップ型ショールーム「MuSuBu」です。


八芳園が培ったプロデュース力を生かし、全国各地の特産品などを使った新感覚のフードメニュー開発から、空間設計、接客、集客までワンストップで提供しています。現在、週替わりでさまざまな自治体のみなさまと連携しながらイベントを実施し、1日平均で約200名を集客。一番の強みとする食の開発では、販売したメニューが予想以上の売り上げを記録するなど、大変好評を得ています。


創業79年を迎える八芳園は、なぜ新規事業を立ち上げ、どのような変革を目指すのか。「MuSuBu」の店長を務める稲垣範之が、そのストーリーを語ります。

ギリギリまで試食を重ね、生み出す「新感覚」メニュー

「MuSuBu」は、イベント全体の企画から特産品などを使ったフードメニューの開発、空間設計、集客、当日のオペレーションまで、ワンストッププロデュースで提供します。営業、企画、店舗運営の3つのチームが連携を取りながら、新規性の強いフードメニューや日本各地の魅力を存分に伝えられるようなイベントを作り上げていきます。


一番の強みはフードメニューの開発で、八芳園のセントラルキッチンで調理を担当するシェフと企画メンバーが何度も試食を重ね、ここでしか食べられない一品に仕上げます。ありきたりなメニューでは顧客の満足度が上がらないため、意外性のある「組み合わせ」や「調理法」をとことん追求し、常に新しい発見があるようなメニューを目指しています。



こだわりが強いあまり、イベント開催ギリギリまでメニューが決まらないこともあるのですが、これまでご一緒した自治体の方には「ここまでやってくれるなんて感動した」といった声をいただくことが多く、好評を得られています。


空間設計や集客、接客も基本的には自社で行います。だからこそ、イベント開始後に来店者の様子を見ながら、臨機応変に空間や対応を変更することも可能です。


地域の新たな魅力を引き出す斬新なプロデュースを目指しているため、提案に対して、自治体の方から「今までやったことがないから、できない」という声をいただくこともあります。しかし、実際に完成したものをお見せすると、喜んでいただけることがほとんど。


接客では、八芳園が大事にしている「おもてなし」のマインドを取り入れ、来店した方に喜んでいただくために、温かみのある接客を心がけています。「地元では売れなかったものが、なぜここでは売れるのか」と驚かれることも多くありました。


集客においては、チラシを有効活用し、港区近隣の方をメインにお越しいただいています。平均来店者数は1日200名ほどで、友人や家族と一緒に、あるいは友人や知人の紹介で足を運ばれる方が多くいます。アンケートでは来店者の満足度が高い結果が出ており、口コミで広がりやすいようです。

地面に落ちた桃…目の当たりにした地域の課題


「MuSuBu」は、八芳園がこれまでの事業で培ってきたプロデュース力を生かし、ウエディング事業に匹敵する二本柱として、立ち上げた新規事業です。なぜ、日本と世界を、地域と都市を、人と人をむすぶポップアップ型ショールームをコンセプトにしたかというと、八芳園の事業を通して出会った各地の方々から、お困りの声を多く耳にしたからです。


「地元の良いものをもっと多くの人に知ってほしいけれど、発信する場所がない」、「PRできる人材がいない」など。実際に、「MuSuBu」の営業メンバーが各地を訪れたところ、まさに耳にしていたような課題を目の当たりにしたのです。山梨県のある桃農家では、地面に落ちたままの桃が大量にありました。不思議に思ったメンバーが「落ちた桃は、どうするのですか?」とたずねると、「廃棄するしかない」と。



人手がなく収穫できなかったり、規格外で収穫しても販売できなかったりするため、廃棄するしかないということでした。もったいないけれど、どうすることもできない。それが地域の現実であり、他の多くの農家でも似たようなことが起こっていました。


そこで、八芳園の食の開発力を生かして新たなメニューをつくり、ポップアップイベントを通してPRすることで農作物の廃棄を減らし、農家の方に喜んでもらいたい、地域の課題を解決に導き、よりよいものを次世代へ残していきたいと考えました。



このような需要を満たす場所として、八芳園がある白金台の一角"プラチナ通り"に、新たにイベント会場を新設。あらゆるイベントに対応できるよう可変性のあるスペースをつくりました。


八芳園は、江戸時代より続く広大な日本庭園を有し、白金の地で歴史を積み重ねてきました。白金台には八芳園を昔から知る住民の方が多く、レストランへの来店などを通じて応援をいただいています。そのため、この土地をさらに盛り上げたい、この土地から日本の魅力を発信していきたいという思いもありました。

フルーティピッツァが大好評。山梨市との事例

2020年8月のオープンから、さまざまな地域のイベントを実施してきましたが、「MuSuBu」の象徴的な事例は、2021年3月に「包括的連携協定」を締結した山梨県山梨市とのイベントです。既出のとおり、山梨市では人手が不足して収穫ができない、あるいは、味はおいしいのに規格外のために販売できない農作物の課題がありました。



八芳園は山梨市とともに、2020年9月に山梨市の魅力をPRするポップアップショールーム「山梨市ポップアップ横丁」を開催。ボジョレーヌーボーならぬ「山梨ヌーボー」の湯呑での飲み比べに加えて、山梨市の名産であるシャインマスカットを使用したフードメニュー開発・販売を行い、2日間で800名以上のお客様が来店されました。


このイベントの繋がりがきっかけとなり、2021年3月に山梨市と包括的連携協定を締結しました。包括的連携協定では、山梨市と八芳園双方の資源を有効に活用した協働を推進しており、持続可能な社会へ貢献する取り組みとして「フードロス」への課題解決も掲げています。

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フードロスの課題を解決に導くため、プロジェクト化されたのが「フルーティピッツァ」の取り組みです。これまで廃棄されてしまっていた桃を農家さんから仕入れ、北海道江別市のピッツェリア「EBEZZA」のピザ職人に協力を仰ぎ、自宅でおいしく食べられる「冷凍ピザ」を開発しました。

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2021年8月に開催した「山梨市フルーティフェス」で、この「桃のフルーティピッツァ」を先行販売したところ、とても大きな反響をいただきました。また、このイベントと同時に山梨市では、キッチンカーを使用して市内で紹介販売をしたり、イベント後にも都内の催事で販売したり、少しずつ認知を広げています。


このようにポップアップイベントの枠に収まらない中長期的な販売支援や、商品の配送、「MuSuBu」の会場を利用したオンラインイベントの企画など、多彩な取り組みを通じて、地域の課題解決や地域活性化を担えればと考えています。

山梨市をモデルケースとして、全国に広げたい

継続的な協力関係を築いている山梨市との取り組みをモデルケースとして、「MuSuBu」では、全国各地の課題を解決する取り組みを強化したいと思っています。


最近では、「MuSuBu」のイベントに他の自治体の担当者の方が来店され、その場でさまざまな課題をうかがう機会が増えています。課題をヒアリングしたのち、すばやくイベントのご提案をすることで、次々とイベント開催が決まるような流れができていますね。最短1ヵ月前からフードメニューの開発を含めたイベントのプランニングが可能であり、さまざまなリクエストにお応えできる体制が整っています。



食の開発が最大の強みではありますが、それだけにこだわっているワケではありません。例えば、2022年1月には、薩摩焼を中心とした鹿児島県日置市のポップアップショールーム「薩摩焼を愛でる 鹿児島県日置市 POP UP SHOWROOM」を開催しました。出店くださった5つの窯元それぞれのこだわりや特徴を、ポスターやポップとともに丁寧にお客様へお伝えしたところ、結果として想像以上の販売数を記録し、自治体の方や窯元のみなさまに非常に喜んでいただきました。



旅行に行きづらい状況であっても、「MuSuBu」に来れば地域の魅力を感じられる、地域の良いものを発見できるような場所にしていきたいです。この場で地域の良さを知ったあとは、ぜひ実際に現地に訪れ、生産者や地域の方と交流していただきたいなと。来店した方に喜んでいただきながら、自治体が豊かになるサポートにつながれば嬉しいですね。


自治体の方にも、ぜひ気軽に「MuSuBu」にお越しいただきたいです。フラットな状態でいろいろとお話を伺いたいですし、お困りごとがあればご相談ください。「MuSuBu」の環境と八芳園のプロデュース力を生かして、みなさまの力になりたい。それが私たちの思いです。

八芳園について

八芳園は、昭和18年の創業以来、豊かな自然環境づくりと、食生活への奉仕を通して、社会に貢献する総合イベントプロデュース企業です。「日本のお客様には心のふるさとを。海外のお客様には日本の文化を。」を理念に掲げ、「OMOTENASHIを世界へ」をミッションとして、MICE、結婚式をはじめとした、宴会・レストランなどの企画運営を展開、都心にありながらも江戸時代から続く約1万坪の由緒ある庭園を維持し、お客様へ至福の時を提供しています。

東京2020大会においては、ホストタウンアピール実行委員会に参画し、イベント及びフードプロデュースを担当いたしました。


MuSuBuサービスサイト:https://www.happo-en.com/musubu/

八芳園公式ホームページ:http://www.happo-en.com/

八芳園のプレスリリース一覧:https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/19559






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