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ストーリーの著者は、読者でもあります

男性育休のリアルを通して知る、育休の孤立や不安を解消し育休満足度が高まる“つながり”とは

著者: 育休コミュニティ MIRAIS

 育休コミュニティ MIRAIS(以下、MIRAIS)では、男性自身の育休への捉え方や実体験を調査し発信することで、より男性が育児に参加しやすくする環境を作る契機になるのではないかという想いから、2021年11月に江崎グリコ株式会社と共同で【男性育休取得者、および取得予定者とそのパートナーへの育休意識調査】(以下、育休意識調査※1)の結果を公表しました。そこから見えてきたのは、男性育休者の不安、家族との時間、そして生き方の変化でした。


男性育休の現状から「育休をとります」と言ったら職場では・・・

 「育児・介護休業法」が2022年4月1日から改正され、育休取得対象の男性に対して取得の意向を個別に確認することが義務化するなど、男女共に育児休業をとりやすい環境を整備することが企業には求められます。また、厚生労働省「雇用機会等基本調査」(※2)によると、民間企業に勤める男性の育児休業取得率は、2016年までは5%にも満たなかったのが2020年には12.65%と初めて10%を上回り、男性の育休者も、年々増えています。育休意識調査の結果を見ると、約8割の男性育休者は、取得に不安を感じていたとのこと。育休前後の仕事についての不安が大半を占めました。職場からの反対や、男性が育休を取得しにくい雰囲気があることがうかがい知れます。


  MIRAIS 5期(2020年10月~2021年3月)のOBで、一般企業に勤め、第2子誕生を機に、2020年3月~2021年5月までの1年3ヶ月間育休を取得した丸尾武司さんは当時の様子をこう語ります。


丸尾さん:育休に対して前向きな雰囲気があり、『育休を取りたい』と言い出しやすかったものの、その時に抱えていた仕事の担当の引継ぎや、後輩のことなど、気がかりなことは多かったです。


 そのような中でもやはり育休を取ろうと思ったのは、第1子と第2子の年齢が近く、子育ての大変さを目の当たりにしたことや、今、育休を取らないと人生で後悔が残るのではないかと考えたからだそうです。育休取得期間中はパートナーも一緒に育休を過ごしたそう。

育休テーマを掲げる丸尾さん



  

育休中の過ごし方

 1日中子供と一緒にいると、1つ家事をするにも時間がかかったり、お出かけ先で予想外のことが起きたり、毎日本当に忙しく過ごす育休者も多いはず。男性も女性と同じように育休を過ごすことができると、社会の育休者に対する見方も変わってきますね。仕事人間でずっと過ごしてきた丸尾さんにとっては、新しく経験することも多かったと思いますが、家族との時間がとても有意義な時間だったと話しています。パートナーが産後1か月ケア施設にいた時には、上のお子さんがマイコプラズマ肺炎に。様々な困難を乗り越えて、お子さんとの絆も深まったそうです。


 育休意識調査では、「育休を取得した際、実行できたこと[MA]」について、95.8%の回答者が「パートナーを支え、子ども・家族との時間を大切に過ごせた」と答えていました。丸尾さんにとっても育休は「家族と過ごす貴重な時間」になったのですね。



  

コロナ禍で過ごし方が変わった育休時間

 しかし、コロナ禍の自粛ムードの中で育休が半年続くと、予定していた海外での生活も実現せず精神的に辛くなっていったそう。仕事でずっと人と関わってきたのに、家族以外と話さない日も多く、孤立感を感じたそうです。


 そんな日々の中で見つけたのが育休コミュニティ MIRAIS。丸尾さんがMIRAISに入会した決め手は、「活動目的や内容説明がきちんとされていて、日々、熱心に活動している印象だった」ところでした。

 MIRAISの運営は、所属メンバーが行います。それぞれのチームメンバーで話し合い、より良い運営に繋がる活動を行っています。活動中は、家事育児をこなし、時間を工夫しながら参加しているので、復職後の自信に繋がります。子供が寝た後でも、オンラインでつながれるのは、人とのつながりが少なくなってしまいがちな育休中にはありがたい存在です。


育休で大切なのは育児ファースト

 月に3回程度、育児の合間にMIRAISに参加していた丸尾さん。交流するだけでなく、様々なイベントや勉強会グループ、運営チームがあるのもMIRAISの魅力でもあります。丸尾さんのMIRAISでの思い出は、お子さんとも。MIRAISメンバーが親子で楽しむコンサートを企画してくれて、0歳のお子さんと一緒に参加し、楽しむことができたそうです。

 また、男性育休のパネルディスカッションやインターネットラジオ企画にも参加していました。他の男性育休者と話した中で印象的だったのは、『育児最優先にしないとつらい』ということ。


丸尾さん:当初は、育休中にスキルアップを考えることもありました。夜、子供を寝かしつけて、自分の時間ができたと思ったのも束の間、子供が急に起き、その対応で手がとまることもしばしば。思うようにいかずイライラする自分がいました。


育休は育児が最優先ということを心に留めて過ごしたそうです。







MIRAISのイベントに参加する丸尾さん



MIRAISはオンラインコミュニティということで、子供が泣いたらすぐに抱っこしたり、おむつ替えをしたりすることも可能。イベントに参加しながらも、育児を最優先にすることが可能です。丸尾さんも、子育て関係のセミナーに参加して、子育てに関する理論を学んだことで、お子さんとの関係も変わってきたとのこと。モヤモヤと過ごした半年を経て、MIRAISに参加することで、育休中の過ごし方が大きく変革していったことがわかりました。


復職後に感じたポジティブな変化


丸尾さん:コロナ禍で職場の働き方も大きく変化していましたが、自分自身の変化としては、育休を取る前は100%仕事人間だったのが、復職後は登園を見据えて打ち合わせを10時以降にしてもらったり、帰宅後は育児、家事などを仕事との両立を考えるようになりました。


  丸尾さんの言葉から、育休中の経験が、復職後の時間の使い方にも影響していることがわかります。きっと、育休中にお子さんと一緒に過ごしたことで、5年後10年後のお子さんとの関係も違ってくると思います。幼少期に築いた関係性が家族関係の基礎を作ってくれるのかもしれません。




MIRAISでの人とのつながりが男性育休を変革する


丸尾さん:育休中は、育児、家事の流れがわかり、どんなに大変かよくわかりました。今、育休を振り返ると、ノープランで育休に入り、最初の半年間を何となく過ごしたことはもったいなかった。育休満足度は70点。『もっと早くMIRAISに入れば良かったな』と思います。コロナ禍で、外出ができないことも一因ですが、1人で悩むことも多く、『こんなはずじゃなかった』、『周りに相談できない』、『頼ったら負け』など様々な思いもありました。


 男性育休取得者がまだ少数であることで、育休者と交流できる場所は見つけにくいかもしれません。また、育休を初めてとる人にとっては、育児は1からスタートということも。仕事では卒なくこなしていたのに、育児ではうまくいかずに辛いと感じる人も多いのではないかと思われます。しかし、丸尾さんはMIRAISに入会したことで、相談出来る仲間とつながり孤立感を解消し、子供と共に過ごす時間と自分の時間を上手に使いわける方法を知ることができました。育休は単なる休業期間ではなく、育児や家事、復職に対するパートナーの認識を共有し、人生をより有意義に過ごすための機会にしてほしいとMIRAISは考えています。本業を離れている時間に、自分のキャリアアップにつながる体験ができることも。『育休はブランクではない』という想いを男女共に持っていてほしい。MIRAISで過ごした育休が終わる頃には、今までと違う自分に出会えるかもしれません。


<育休コミュニティ MIRAIS(ミライズ)について>

2018年8月に代表 栗林真由美氏が「『なんとなく育休』をなくしたい」をミッションに立ち上げた産育休者のコミュニティ。オンラインを中心 に、イベントや企業コラボレーションなどの活動を行い、未経験分野にチャレンジしたり、育休をともに過ごす仲間と交流したりと「有意義な育休を過ごす」場を提供してきました。これまでの参加者は延べ720名(2021年9月時点)。

■MIRAISサイト:https://www.ikukyu-mirais.com



※1参照:江崎グリコ株式会社・育休コミュニティ MIRAIS 調べ「男性育休取得者、および取得予定者とそのパートナーへの育休意識調査」

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000047.000047003.html

※2参照:厚生労働省「雇用機会等基本調査」

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/71-r02/07.pdf



                                    








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