聖地巡礼(コンテンツツーリズム)で地方に光を!創業7年のベンチャー企業が挑む、サブカルチャーを活用した地域活性化プロジェクト!
株式会社エンバウンドは「エンタメの力を使って、観光地や地方への来訪を促進する(インバウンド&アウトバウンド)」ことをミッションに掲げ、2016年9月20日に設立しました。
日本には世界に誇れる観光資源や伝統文化、そして、おもてなしの心があります。それらの魅力を多様な手段で幅広い世代に発信することを弊社の使命としています。いずれは地域と都市部の経済及び所得格差をなくし、どこに住んでいても等しく楽しめる、誇らしい日本を造ることが目標です。
この記事では、弊社の提供するサービスである「温泉むすめプロジェクト」を取り上げ、その起案からこれまでの歩み、これからの展望を紹介します。
全国126の温泉地に二次元キャラクターを展開し、地方への来訪を促す「温泉むすめプロジェクト」
温泉むすめは、アニメや漫画、キャラクターや声優などのIP(IP:Intellectual Property)を通じて、日本全国の温泉地や観光地の魅力を国内外に発信するために作られた「地域活性化」を主目的にしたプロジェクトです。
具体的には全国の各温泉地をモチーフとした二次元キャラクターを制作し、コミックや小説、アニメや音楽、ゲームコラボなど多面的な展開(メディアミックス)を実施しています。全国の温泉地に任意でキャラクターを利活用(温泉地がキャラクターを使う場合は、売り上げに応じて支払いが必要なロイヤリティや、のれん代のようなライセンス費用など、コンテンツの利用にかかる費用をほぼ無償で提供)いただきながら、キャラクターを演じる声優によるロケやトークイベントを現地で開催することで温泉地や地域の魅力を幅広く伝え、現地への来訪を促進することを目的としたプロジェクトです。
▲人気アニメ制作会社「動画工房」が制作した
温泉むすめのメインビジュアル
2023年9月現在、全47都道府県と台湾で、計126のキャラクターが存在しており、全都道府県に統一的なキャラクターが存在し、現在も活発に活動しているコンテンツは日本で唯一といわれています。
温泉むすめプロジェクトは2023年で本格始動より6年目ですが、すでに約100ヶ所以上の温泉地にある旅館、物産店、飲食店をはじめとした各事業者に温泉むすめのグッズ販売やコラボ宿泊プラン、販促アイテムなど様々な形で幅広く活用をいただいています。
また、今年の6月には岐阜県の温泉むすめである「平湯みつば」と「奥飛騨五十鈴」が奥飛騨温泉郷特別観光大使を拝命したことで、国内外合わせて計21の温泉むすめが観光大使や温泉大使に就任。温泉地のPR役や広報担当として活躍するなど、全国で急速に温泉むすめネットワークが広がっています。
▲奥飛騨温泉郷特別観光大使就任式典の様子
(2023.06.11)
また、当プロジェクトの活動内容と送客実績により、2017年には内閣府よりクールジャパン企業の1社に選出していただき、2019年から2022年までは観光庁の後援を、同年12月には政府観光局よりポケモンとキティーちゃんに並んで、世界に推進するコンテンツに採択されるなど、観光地だけでなく、各省庁からも評価を頂いております。
現在も地域と連携しながら新しい温泉地のキャラクターや、さらなる地方活性化に繋がるような新しいビジネスモデルを準備中です。
東日本大震災を受け緊急帰国、フランスで体感した「日本のサブカルチャーの力」で地元に賑わいを取り戻す
2011年3月11日、未曽有の大災害である「東日本大震災」が起きました。福島県出身である弊社代表の橋本は、当時フランス・パリで事業展開中でしたが、地元福島のために緊急帰国。
どうにか震災で深い傷を負った福島や東北に元気を取り戻したいという想いのもと、フランスで感じた日本のサブカルチャーの盛り上がりに注目し、大手出版社やゲーム会社でのコンテンツ制作経験を得て、2017年3月15日に全国の温泉地をモチーフとした地域活性化プロジェクト、「温泉むすめ」を本格的に立ち上げました。
●導入のハードルを限りなく低くして、安心して温泉むすめをご活用いただく
温泉むすめプロジェクトは日本全国にキャラクターが存在するコンテンツですが、元を辿れば東京の企画会社が考案したプロジェクトに他ならず、地方の事業者にとって部外者である我々が展開しているコンテンツは警戒されるものであることを重々承知しています。
そこで、まずは「実際に人が来訪すること」を実感していただけるよう、温泉むすめを導入の流れや取り扱いのルールは限りなくシンプルにしています。
また、初めて温泉地でキャラクターを導入いただく際にはキャラクターの等身大パネル(担当声優のサイン入り)、缶バッジを200個、ステッカーを100枚、無償で提供することで温泉むすめの集客効果を実感していただき、さらにもっと活用したいとリクエストをいただいた場合でも、ロイヤリティやキャラクター使用料は一切頂きません。
今までの経験上、ありがたいことに展開初日から多くのファンに来訪いただき、人気商品の缶バッジは数日で完売するなど、温泉むすめ導入の反響をいただいております。
▲飯坂温泉観光協会の温泉むすめ活用の様子
(撮影:2023.05.08)
●キャスティングと担当声優を起用したイベントで、温泉地への旅行機会が少ない層へアプローチ
プロジェクトを考案する上で念頭に置いたのは地域活性化プロジェクトとして地方へ経済効果を生むこと、すなわち「実際に地域に人が来訪すること」です。
しかし、娯楽の多様化により旅行離れが急激に進む現代において、そのきっかけを作ることは容易なことではありません。
特に、若い男性は、女性と比較しても温泉地へ来訪する理由が少なく、また家族との旅行や年配の方よりも、そもそも観光地へ旅行する機会もないことが課題となっていました。
その点、温泉むすめプロジェクトの特徴の一つに各声優事務所との繋がり、いわゆるキャスティング力があります。
全126の温泉むすめキャラクターの担当声優を実績や将来性などを考慮した上で慎重に人選を行い、すべて異なる方に依頼することで、SNSを通じて多くの方の目に留まり、キャラクターの誕生時にすでに多くのフォロワーがいる状態で運用を開始することが可能となります。
当プロジェクトの販売ルールとしてグッズの通信販売や越境販売を禁止しているため、ファンの方には交通、宿泊などを交えながら温泉地まで足を運んでいただいています。
また、定期的に温泉むすめキャラクターの担当声優を起用したイベントを温泉地で行うことで温泉地への旅行機会が少なかった層が現地に来訪するきっかけの創出も行っております。
集客や会社の利益を考えた場合、東京や大阪などの大都市圏でイベントを開催する方が有利とされる中で、温泉むすめプロジェクトではこれまで50箇所以上の地方でイベントを行い、延べ3万人以上の集客を実現しました。さらに、イベントに参加される方が前後で宿泊やおみやげ品の購入などもされますので単純な人数換算では計れない、大きな経済効果を地方に生み出しています。
●一過性のブームやオーバーツーリズム状態を生み出すことなく、地域とともに歩んでいくコンテンツにするための「温泉むすめ50年計画」
多くのコンテンツは、沢山の方に楽しんでいただくことはもちろんですが、それを運営する製作委員会のような当事者の利益のためにアニメ化、ゲーム化などのメディア展開を行い、意図的にブームを巻き起こそうとすることが一般的です。
しかし、温泉むすめプロジェクトに限って言えば、賑わうのが一過性であれば、サスティナブルな地域活性化とは言えないと考え、あえてアニメ化やゲーム化を急いでおりません。
また、もしブームを巻き起こせたとしても、逆に観光地が望んでいない形でオーバーツーリズム状態となり、想定以上の観光客が押し寄せることで、かえって観光地や温泉地に迷惑や負担がかかってしまうことに繋がります。
コンテンツを立ち上げた時のビジョンに 『温泉むすめ50年計画』というのがあります。
これは日本全国に眠っている様々な観光資源にスポットを当て、各地にバランスよく、絶え間なく来訪が行われるように観光客を分散化することで、地方を網羅的に継続的に盛り上げていくこと。
そしてなにより、数年でコンテンツが終わってしまうのは、キャラクターのモチーフとしてお借りした温泉地に失礼に当たりますので、我々の利益やエゴのためではなく、あくまでも主体は温泉地と、それを支えてくださるファンであることを忘れずに、末永く地域に密着したコンテンツになるよう取り組んでいます。
プロジェクト始動後、ファンや事業者からの予想外の反響や応援活動
温泉むすめプロジェクトを展開する中で、事業者様や温泉むすめファンの方々から予想だにしなかった反響を頂くことがあります。数ある中から、ここでは特に三つに絞って紹介させていただきます。
一つ目はファンによる応援活動(奉納、温泉むすめ生誕祭)です。
温泉むすめファンの方の中には複数の温泉地へ訪問・グッズの購入をし、ある温泉地に訪れた際にこれまでに訪れた温泉地のグッズを寄進する「奉納」と呼ばれる交流活動や、ファンの有志や現地の事業者様が協力をしあって、その温泉地のキャラクターの誕生日にファン同士が現地に集まり、宿泊や様々なイベントをする「生誕祭」という自主企画が行われています。
生誕祭では、その地域の名物を楽しむイベントや伝統文化の体験イベント、時には温泉地の清掃活動が行われたことがありました。
▲湯村千代生誕祭・清掃活動の様子
(上:2019.07.15 下:2022.07.09)
もちろんこれは我々からの働きかけが一切のない予想外のことで、温泉むすめを介して現地との交流や温泉地へ訪問することで新しい文化を生むファンの熱意に脱帽すると共に、新たなコンテンツの可能性を感じました。
二つ目は事業者様と温泉むすめファンとの交流機会の創出です。
温泉むすめ取り扱い事業者にて温泉むすめのグッズを購入や前述の奉納活動の際、「今日はどこから来たの?」「この後はどこへ行くの?」「推しの温泉地はどこ?」といった具合で交流に発展することが多いようです。
ある旅館では、それまでは予約から宿泊、チェックアウトまで利用客との交流がほとんどなく、偶にあるレビューのみでしか意見を得ることができず、自身の旅館を客観的に見ることができなくなっていた中、温泉むすめファンとの交流の機会を得たことで(多くの旅行経験に基づいた)意見を多く聞くことができたというケースもありました。
世間的に旅行が非推奨とされたコロナ禍においても「温泉むすめファンの方ならば宿泊歓迎」と発信する事業者様も複数ありました。
温泉むすめファンの方々はただ旅行を楽しむのではなく、温泉むすめの活躍に興味を持ち、グッズを購入する、コラボ宿泊プランに泊まるなど、ファン活動を通じて、温泉地を応援してくださっている方が非常に多いのが特徴です。
そのような通常の旅行を超えた関わりの中で、遠方に住んでいながらも温泉地や特定の事業者のリピーターとなったり、中には温泉地に移住や就職をするファンもおります。
三つ目は事業者様同士の交流の創出です。
それまでは旅行客の取り合いをしていた近郊の温泉地、同じ温泉地内の同業者の間で、LINEグループを新設したり、定期的な情報交換会を行ったりと、手を取り合って展開をするようになったという声も届いています。
特に温泉むすめグッズの購入は現地へ足を運ばなければ不可能という都合上、一度の旅行で複数の温泉地、複数の事業者を周遊するファンが少なくありません。
つまり、ある事業者様が新しい温泉むすめの展開を始めた際、その展開がきっかけで現地を訪れるファンはその周囲の温泉地・事業者にも足を運ぶことがあるため、新たな展開は近郊の事業者様にとって好意的に受け取られやすいということです。
実際に近郊の温泉地で手を取り合った実例として、岡山県の湯郷温泉、湯原温泉、奥津温泉の連携があります。それぞれ車で一時間以内にあり、併せて「美作三湯(みまさかさんとう)」と呼ばれる温泉地ですが、それまではほぼ連携が見られませんでした。そんな中、三湯すべてに温泉むすめがいるということでスタンプラリーを行ったり、架空のアイドルユニットを組んだり、2020年11月26日には三湯の温泉むすめが同時に各温泉地の特別観光大使に就任するなど、頻繁に交流やイベントが行われています。
▲美作三湯合同スタンプラリーの特典ポストカード
(2021.03.13~)
他にも東北の温泉むすめが設定されている温泉地が参加した、61箇所を巡る東北スタンプラリーや、ハワイに縁のある温泉地の事業者様同士の行政区を越えたコラボレーションが見られたりと、全国を対象とした広域な取り組みが実施されています。
このように温泉むすめプロジェクトはこれまでになかった全国の温泉地同士を繋げる日本初の「温泉地プラットフォーム」になりつつあります。
もしコンテンツによる地方活性化をご希望の方はお気軽に温泉むすめ公式サイトよりお問い合わせくださいませ。
商品情報・プロジェクト情報URL
温泉むすめ公式HP: https://onsen-musume.jp/
温泉むすめプロジェクト公式X(旧Twitter)アカウント:https://twitter.com/onsen_musume_jp
会社名 株式会社エンバウンド
所在地 東京都渋谷区富ヶ谷1-35-20-706
代表者 代表取締役 橋本 竜
設 立 2016年9月20日
事 業 キャラクターコンテンツのプロデュース
キャラクターグッズの企画・制作
アニメーション及び音楽制作
イベントの企画・制作
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