子どもを夢中にさせるコンテンツづくりの裏側。SOZOWとパーソルキャリアが挑んだ「はたらく」を考えるオンラインライブとは
SOZOW株式会社は、「好奇心と可能性を解き放ち、未来をSOZOWする学びの生態系をつくる」をビジョンに掲げる教育分野のソーシャルスタートアップです。
今年開催した「SOZOW FES 2023 Summer with テレビ朝日」というイベントでは、共同開催パートナーの株式会社テレビ朝日をはじめとした様々な企業・団体との共創により、「学び=エデュケーション」と「エンターテインメント」をかけ合わせた「エデュテインメント」を、全国の子どもたちに届けました。申し込み総数は74,000人を超え、オンライン開催ながら大盛況のイベントとなりました。
イベントの目玉となったのは、多彩なテーマのオンラインライブ。
SOZOWでは「夢中になることから学びは始まる」という考えに基づき、子どもの好奇心に火をつける学びのライブを数多く行ってきました。
一方通行ではなくインタラクティブにコミュニケーションしながら子どもたちの発想を引き出す双方向のライブ。SOZOWではそれを「授業」ではなく「アクティビティ」と呼んでいます。登場するのは「先生」ではなく「ガイド」と呼ばれる盛り上げ上手な司会進行役。子どもたちに次々と問いを投げかけ、ひとりひとりの個性を引き出し、「想像」と「創造」を自由に楽しむ学びの世界に導いていきます。
参加時にカメラをオンにして自分の顔を出すかどうかを自由に選べるのがSOZOWの特徴なのですが、子どもの意見や考えを尊重する安心感のある関わりによって、最初はカメラをオフにして顔出しをせずに参加していた子どもたちも、自らカメラをオンにして手を挙げ、当ててもらいたい、発言したい、と積極的になる様子が見られます。
この度の「SOZOW FES」では、宇宙、未来の技術、SDGs、社会課題など様々なテーマの全19のアクティビティを開催し、その多くをSOZOW単独ではなく外部の企業や団体とコラボレーションしてつくり上げました。
『子どもたちに、未来に向けて情熱を持ってチャレンジする大人たちの姿を直に見てもらいたい。そして、知らない世界への興味を広げ、現在の学びや挑戦が未来につながる可能性を感じ、希望を持ってもらいたい』
多くの企業や団体がその志に共感し、協力してくれたのです。
その中の一社、転職サービス「doda」などを運営するパーソルキャリア株式会社と手がけたアクティビティは、SOZOWにとっても新たな領域へのチャレンジとなりました。そんな熱い夏の挑戦のストーリーを、コンテンツの企画開発から当日のライブ配信までを担った二人に聞きました。
【左】兒玉 優(だまちゃん):コンテンツ開発チームリーダー
【右】板倉 優也(りっきー):ガイド(アクティビティの司会進行)
パーソルキャリアさんと手がけたアクティビティの内容やテーマを教えてもらえますか。
兒玉:
パーソルキャリアさんが大事にされている「キャリアオーナーシップ」という、『自分のキャリアや生き方に主体的に向き合い、はたらきかたを自分で選んで決める』という考え方を子どもに伝えるというのがテーマでした。
子どもたちにとって「はたらく」ってイメージが湧きづらかったり遠い大人の世界のことだと思いがちだと思うんですが、もっと身近に感じてもらいたいなと。
板倉:
日本人は仕事を通して得られる幸福感が世界レベルで見て非常に低いと言われていたり、AIに仕事が奪われるといったネガティブな文脈が多い中で、子どもたちに「はたらく」って本当はめちゃくちゃ楽しいし面白いし自由なんだよ、というのをどう伝えるかという目線で考えました。これまで様々な子ども向けのアクティビティを行ってきましたが、目に見えるプロダクトや実際にいらっしゃる起業家について紹介することがほとんどで、こういった形のないビジョンや概念を子どもに伝えるというのは僕たちにとって初めての挑戦でした。
大人にとっても難しいテーマですよね。ではそれを子どもに伝えるためどのようにコンテンツをつくり上げていったのでしょうか。
兒玉:
最初は「1週間の妄想カレンダーをつくろう」というワークをメインに考えていました。週5日間同じ仕事をするんじゃなくて、月曜はYouTuber、火曜はパティシエ…というふうにパズル感覚ではたらき方を設計するような。でもこれを最初にパーソルキャリアさんに提案したら、「面白そうではあるけれど、もっとストレートにキャリアオーナーシップの考えが伝わる設計にできる余地はないでしょうか」というフィードバックをいただき、そこから白紙にして一から考え直すことになりました。
そこから次の提案までの1週間はとにかく悩みに悩みました。どうやったら伝わるんだろう、どうしたら面白くなるんだろうって。SOZOW内のメンバーにもたくさん相談して、家の中がアイデアを書き出した付箋で溢れていました(笑)
私はもともと大人向けの研修やワークショップを企画する仕事をしていて、今回のコンテンツもまず大人向けにつくってみたらどうか?というアイデアをメンバーからもらいました。
実際にやってみると、子ども向けを意識しすぎて出てこなかった発想が出てきたんです。考えていたワークは一旦全部やめて、自分の好きなことや得意なことを本気で考える、そしてそれを仕事に変換していくっていう内容に変えてみました。それを持ってりっきー(板倉)さんに相談に行ったんです。
板倉:
それを見て、すごい!ってなったんですよね。「好きや得意なことで人からありがとうって言ってもらうにはどんなことができるか?」を子どもたちが自然に考えられる内容で、すごくストレート。でもその裏に伝えたいメッセージが強く感じられて、とても面白い。「このコンテンツをいかにエンタメ性を加えながら子どもたちに伝えるか」はガイドである自分の仕事だって火がついたんですよ。
パーソルキャリアさんへの2回目の提案日はなんと翌日。だまちゃん(兒玉)のアイデアをしっかり形にして伝えるために、そこから急ピッチで構成やスライドをつくり上げていきました。実際のアクティビティの臨場感を体感してもらうため、本番と同じ配信環境を急遽整える必要があって、たくさんのメンバーが手を貸してくれました。だまちゃんが熱い想いで1週間考え抜いてつくり上げてきてくれたことが伝わっていたからこそ、最高の状態でそれを届けようって、みんな自然と頑張れたんだと思います。
当日までに何とか形になり、パーソルキャリアさんにアクティビティのデモを実演したところ、とても感動してくれたんですよ。「普段真面目なトーンで行っている内容が、SOZOWさんの得意とするエンタメ性のエッセンスが入ることでこんなふうに楽しませることができるのか」と。ここまで準備してつくり上げてきたことにもすごく喜んでくださって。
コンテンツの方向性にも賛同いただき大枠が決まったところで、そこからの数週間はさらに完成度を高めていくことに集中しました。子どもたちへの問いを練り直したり、言い回しを工夫したり。スライドに使うイラストや画像にまでこだわりました。リハーサルをしては修正し、またリハーサルをして。パーソルキャリアさんはとにかく子どもへどう伝えるかを同じ目線から真摯に考えてくださって、所属する企業を超えてワンチームになってる感覚が確かにありました。
ーーそして迎えた本番。
ガイドのりっきーと一緒にアクティビティを進行したのは、年間100校以上の学校を訪れ小中学生向けにキャリア教育のワークショップを行っている、パーソルキャリアの竜田遼さん。
画面の向こうにはZoomやYouTubeLiveで全国各地から参加する大勢の子どもたち。
子どもたちの反応はどうでしたか。
板倉:
最初に、「はたらくってどんなイメージ?」と子どもに問いかけました。
そしたら、「大変そう」「お金を稼ぐこと」って答えが多かった。やっぱり忙しそう、大変そうっていうネガティブなイメージをみんな持っていましたね。
そのあと、キャリアオーナーシップの核になる、「自分で考えて決める」ということについて一緒に探究しました。そのままだと子どもに伝わりにくいので、夏休みの過ごし方とか、食事のメニューの決め方とか、日常生活にある身近なシーンをイメージしながら「自分で考える」「主体的に選ぶ」ってどういうことかを実体験をもってみんなに考えてもらいました。
そして、「みんながワクワクすることや得意なことは何?」「それで『ありがとう』を届けるにはどうしたらいい?」って発展させていったんですね。
「旅行が好きだから、誰かが旅行に行く時にお手伝いしてあげたい」
「絵を描くことが苦手だけど塗り絵は得意。だから線画だけ描かれた絵を塗ってあげる」
「縄跳びの二重跳びが得意。縄跳びを教えてありがとうを届けたい」
めちゃくちゃアイデアが出てくるんですよ!圧倒されました。
竜田さんもびっくりされてましたね。
兒玉:
出てくるアイデアが止まらないし、どんどんみんながポジティブな考えになっていくのが、子どもたちから送られてくるチャットからも伝わってきたんです。自分のワクワクでこんなにありがとうを届けられるんだ、そのために今日からできるチャレンジって何だろう、今からでもできることをやってみよう!って。あれだけ練りに練って準備してきたものが子どもたちに伝わって、さらにそれが子どもたちの言葉で返ってくる。感無量でした。
板倉:
そしてこれはパーソルキャリアさんが行われている小中学校向けのワークショップでは毎回やっていることなんだそうですが、最初と同じ質問を最後にもう一度聞いてみたんです。
「はたらくってどんなイメージ?」
そうすると、出てくる答えが最初と全然違う!
「楽しくて自由!」
「人によろこんでもらうこと」
「自分のできることを最大限使って楽しむ」
「たくさんの人の役に立ってありがとうを伝えあうこと」
わずか1時間ほどのアクティビティの中でこんなにイメージを変えられたんだって感動しました。「『はたらく』未来は自分で自由にえがいていこう」という伝えたかったメッセージが、子どもたちにしっかり届いたと確信できた瞬間でした。
竜田さんに自分の学校に来てワークショップをしてほしいと言う子どもがたくさん出てきたり、竜田さんへの質問も止まらないくらいの熱狂の中、アクティビティを終えることができました。
パーソルキャリアさんがまさに伝えたかった想いが、子どもたちの口から出てきたんですね!子どもの反応を想像しながら試行錯誤を繰り返して準備してきたからこそですね。
ーー参加した子どもの保護者からも、
「子どもの口からやりたいことが次々と出てきて嬉しくなった」
「仕事って大変、と思っていたようですが、夢が広がって将来が楽しみになったと言っていました」
というような感想が寄せられました。
最後に、今後はどんなアクティビティに挑戦してみたいか教えてください。
兒玉:
今後は親子向けのアクティビティをやっていきたいです。今回も、裏テーマとして「親子ではたらくを考える」っていうのを考えていて、実際にアンケートで「親子でこういう会話が生まれました」とか保護者からの熱いメッセージが多く寄せられて。テレビ番組を見るのと違って一緒に考える、一緒にワークするっていう要素がSOZOWの特徴なので、親子で一緒に参加してもらえるアクティビティを増やしていきたいですね。
板倉:
今回初めて、具体的なプロダクトや実際の人についてではなく、目に見えない「会社の想いを伝える」ということを実現できたので、今後もそういった「想いを伝えたい」企業さんと一緒に取り組んでいけるといいなと思っています。
当日の実際のアクティビティはこちらからご覧いただけます。
今後もSOZOWは、子どもたちが様々な考えや生き方、取り組みに触れることで、その好奇心と可能性を解き放つきっかけになるような出会いをエデュテイメントという形で創出して参ります。賛同いただける企業・団体様からのお問い合わせをお待ちしております!
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