医薬品・食品レベルに安心・安全な「無菌充填」の化粧品を製造。肌への優しさを追求するCAC函館工場・ものづくりへの姿勢
1979年に創業して以来、お客様一人ひとりに寄り添ったスキンケア製品を開発し続けてきた株式会社CAC。化粧品市場に「無添加」という言葉がなかった時代から無添加にこだわり、肌本来のチカラを引き出せる製品を追求してきました。豊かな自然に溢れる北海道・乙部工場と函館工場の2拠点で、お客様に満足いただける「安心・安全」な商品の製造を続けています。
今回は2拠点のうち、函館工場にスポットを当ててみたいと思います。函館工場製造課課長の佐藤さんに話を聞きました。
<話し手プロフィール>
佐藤 吉男(さとう よしお)
2009年1月入社。前職での経験を活かしCAC函館工場の建屋・ユーティリティー設備・生産設備・出荷設備の施設設備保全を担当。その後、生産・物流出荷・保全まで、函館工場の業務全般を管理。責任者として、お客様に満足していただける品質保証の考え方を組み込んだ仕組みで業務に従事。
■40年以上続くCACものづくりへのこだわり
CACでは、「洗い流さない基礎化粧品(保湿・保護アイテム)は防腐剤・オイル・界面活性剤・香料を無添加」「ウォッシングパウダーのような使いきりの洗い流す洗浄化粧品は、防腐剤・オイル・石油系界面活性剤・香料を無添加」と、「完全無添加」のスキンケアにこだわったものづくりを行っています。主原料には糖類、多糖類、アミノ酸を使用。肌本来のチカラを引き出し健やかに導くことができる化粧品です。
40年以上前から完全無添加にこだわってきた背景には、創業者の想いがあります。医療の現場で薬品の販売をしていた創業者は、販売先でよく肌トラブルの悩み相談を受けていたのだそうです。肌荒れに悩む声を受け、「なんとかしてあげたい」という気持ちから、そのころ流行していた化粧品の成分について調べ、自らの手で試行錯誤しながら開発した化粧品が、今のCACの化粧品の基礎になっています。「肌トラブルに悩む人を助けたい」がCACのものづくりのスタート地点だったのです。
当初は、料理に使うような寸胴鍋に化粧品の原料を入れ、混ぜ溶かしながら作っていたと聞いています。容器は無菌状態で保存できる「バイアル瓶」。当時は化粧品の常識を破る画期的な工夫でした。CACの商品は防腐剤などを使用しない無添加を徹底しているため、容器にもこだわります。そのため当時はワクチンなど医薬用の薬液を入れているガラス製の「バイアル瓶」を使用し、その中に化粧品を充填して滅菌し、販売していました。
バイアル瓶を使用していた当時のCAC化粧品
製造工程に使用する水にもこだわっています。現在、私が携わっている函館工場で使っている函館の水は、厚生労働省が定める「おいしい水の要件」をほぼ満たしており、不純物が少ない水です。それをさらに純水装置でろ過し、完全に不純物がない状態で化粧品の製造に使用しています。
発売当時は、化粧品業界で「無添加」という言葉はほぼ聞かれていませんでした。そんな時代から現在に至るまで無添加にこだわってきたCAC。実は、多くの特許も取得しているのですよ。
■医薬品の製造に使われる機器を導入。函館工場のものづくり
函館工場は1998年に竣工、10月28日に稼働を開始した、CACが保有する二つ目の製造拠点です。乙部工場での生産量が多くなってきたことが増設の理由でした。創業者は製薬会社時代に函館地区を担当していたこともあり、ゆかりのある地域でもありました。
函館工場では、ローションと呼ばれる化粧水や美容液、パウダー状の洗浄剤を製造しています。いずれもCACの特徴である糖類、多糖類、アミノ酸を主成分とした使いきりタイプの商品です。時代の変化に伴い、現在ローションの容器はバイアル瓶から無菌状態で充填する1回使い切りのディスポーザブル容器へと変化しています。液体の化粧品の容器として、当時はディスポーザブル容器を世界で初めての採用でした。そして、昨年の発売から人気の「CACジェル美容液」を製造しているのも函館工場です。
https://prtimes.jp/story/detail/0bKj0ocWGkr
乙部工場を建設したころとは時代が変わったため、函館工場はよりシステマチックに、最新設備を備えています。乙部工場は手作業のラインがありますが、函館の生産ラインは自動化されており、工場の規模に対して少数精鋭での製造が可能となっています。ほとんどが自動化されているとはいえ、必ず人がかかわる工程もあります。工場に来られたお客様に「今日はお休みなんですか?」と尋ねられることもありますが(笑)。
最新設備を活用した良品判定
普段からソーシャルディスタンスが維持できている状態ですから、コロナ禍以後も変わらず稼働できています。コロナ前からコミュニケーションの取り方は工夫しており、ホワイトボードを用いて情報を見える化したり、また積極的に現場に話しかけに行ったりするなど、円滑なコミュニケーションを取る工夫も日々重ねています。
製造機械は医薬品製造に使われるもので、世界トップシェアを誇るドイツの会社「 ROMMELAG(ロメラグ)」のものを採用しています。日本の化粧品会社で導入しているところは弊社のみです。
無菌充填室の様子
人の目による検品も実施
製造ラインにはクリーンルームを用意し、空気の圧により微生物すら入り込めない仕様になっています。滅菌方法は医薬品を作るのと同じ方法を採用し、確実に菌を死滅。無添加だからこそ、安全面には非常に気を配っています。
その他、気を配っているのは温度や湿度の管理です。湿度が高いと、パウダーが湿気を帯び固まってしまうため、原料から製造ラインまで徹底的に管理をしています。近年の気候変動により、北海道の温度や湿度にも変化が見られており、こまめにチェックしながら適した状況を維持していますね。温度は21~22度になるようにコントロールしています。
機械の洗浄や安全チェック、フロアを含めて清潔な状態を保つことと、基本ですが品質基準書通りに製造されているのかの入念なチェック体制など、製造の過程では厳格な製造基準を守っています。CACにとって安心と安全はなによりの品質です。これらを管理や運用していくのが我々の仕事です。そのため現場でのコミュニケーションもとても重要で、積極的に行なっています。
■これからも安心安全な製品をお客様へ届け続けます
CAC函館工場では、商品の生産からお客様への発送まで一貫して行っているため、私たちが作ったものが、お客様の手に届きます。受け取ったお客様が、外観からも「綺麗だな」と思っていただけるものを確実に製造し、お客様の手元に届けるのが函館工場の役割。品質を一定化することには難しさもありますが、その分やりがいもある仕事だと思っています。
また、安心安全のために1回使いきり個包装をコンセプトとしているのがCACですが、時代の変化と共にSDGsの観点も大切にしていきたいと考えています。CACの洗浄料は自然の中で微生物に分解されやすいアミノ酸系洗浄成分を使用しており、肌はもちろん地球にもやさしい商品です。安心安全、品質を守ることが第一ですが、そこを担保しつつ自然分解できるプラスティック素材を使って容器を製造できないかなども模索していきます。他にも、現場で「こうなったらいいのでは」と声を耳にすることがあるので、それらも少しずつ実現していきたいと思っています。
また、SDGsに関連する取り組みは環境に対するものだけではありません。コロナ以前には、地域貢献として函館工業高校の生徒さんや地域の婦人会の方々をお招きし、工場見学も行っていました。働く従業員のうち7割が女性といった函館工場の実態も、SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」に繋がるものといえるでしょう。函館工場だけではなく、会社全体として、これからも広くSDGsの取り組みを実践していきたいと考えています。
40年以上、無添加でお客様の安心安全にこだわり続けてきたCAC。それを実現するために乙部と函館の自社工場はなくてはならない、欠かせないものだと考えています。
CACはこれからも一途に肌と向き合い続けます。
4月には新卒の新入社員がメンバーに加わり、函館工場の責任者として、ますますお客様のニーズや時代に合わせて進化することが、責務であると考えています。
行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ