シニアに起きる「希望給与が低くて採用されない現象」シニア転職市場にどんな変化が起きているのか?
「シニアの転職・再就職」に、多くの方は、そして企業の採用担当の方は、どんなイメージを持っているでしょうか?
「無理せず、短い時間・少ない日数で」とか「趣味を仕事にしたい」、「これまでできなかったことにチャレンジしたい」といった60歳以上の転職・再就職のイメージは、いまや過去のものとなりつつあります。
2020年は特に新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、Web面接など、これまでとは大きく違った「シニアの転職・再就職」の風景が見え始めています。
そうした2020年現在のシニア転職市場の変化について、シニアに特化した人材紹介、人材派遣のサービスを提供している株式会社シニアジョブの営業統括が語ります。
シニアはITが使えないわけではない
新型コロナウイルスの感染拡大によって、新しい生活様式(ニューノーマル)や、それにともなう常識の変化が起こる中、シニアの転職や働き方においても、これまでのイメージが大きく変わる出来事が起きています。
それは、シニアの「ITリテラシー」に関するもの。
コロナ禍でクローズアップされるようになったWeb会議システムなどを使ったWeb面接を含め、シニアは一見、ITを苦手としているイメージがあります。
もちろん、ITが苦手な方の割合は年齢が上がるほど高いのですが、今時のシニアの多くは、さほど問題なく様々なIT機器を使いこなし、興味と使用の意欲を持っています。
シニアジョブは、コロナ禍の影響でシニアの転職・再就職環境に大きな変化が生じていることを受け、2020年8月21日に「シニア就活オンライン講座」を開催しました。
その申し込みや終了後に行ったアンケートでは、申込者の約5割が「WEB面接などオンラインの就活に対応したい」ことを参加の目的に、参加者の7割弱が「WEB面接などオンラインの就活を知ることができた」ことを参加の成果として回答しました。
シニアはWEB面接を避けているわけではなく、苦手意識はあったとしても積極的にチャレンジしたい、学びたいと思っていることがこの結果からもわかります。
テレワークも、職種によるもののもちろんシニアにも可能で、弊社オフィススタッフである70歳の社員も、緊急事態宣言の際には自力で自宅にWi-Fi環境を整え、スムーズにテレワークに移行しました。
仕事でのパソコン使用は、日本では1990年後半から、スマートフォンの普及は2007〜8年頃ですから、2020年現在60代前半のシニアは、仕事で20年以上パソコンを使い、スマートフォンも10年程度使ってきた世代です。
最新の機器やサービスには多少不慣れでも、シニアはIT機器が「使えない」などということは決してありません。
60歳以上の働き方も待遇も50代とあまり変わらない時代に
ITと同じように、シニアに対する先入観がなくならないものが、働き方です。
65歳までの継続雇用が当たり前となり、年金も65歳からしかもらえなくなりつつなる今、既に一部の企業では定年がなくなるなどして、60歳定年の頃の50代と同じような待遇や仕事を続ける60代70代が増えています。
しかし、今なお、60歳が現役との境目で、60歳以降は最前線から退くようなイメージが続いており、そうした制度が残る企業も多くあります。
シニアの新しい働き方が生まれている一方、今までの60歳以上のシニアの働き方とそのイメージが残っていることで発生しているのが、シニアの「希望給与が低くて採用されない現象」です。
今までのシニアの働き方のままの企業では、いまだに60歳が定年で、それ以降は契約社員や嘱託となり、それまでとは異なる仕事、短い勤務日数に勤務時間、給料は3割から5割も減るといった雇用制度の場合が多くあります。
一方で、シニアが活躍し、シニアを積極活用・積極採用する企業では、50代と仕事内容や待遇が大きく変わることは少なくなります。
この二者では、働き方や待遇の常識や相場が、まったく違うことになります。
すると、今までのシニアの働き方イメージを持ったシニアや、そうした企業にいたシニアが、シニアを積極採用する企業に応募した場合、企業の想定よりも遥かに低い希望給与を提示してしまうことがあります。
上記のように希望給与だけでなく、働き方についての違いも大きい場合が多いため、「求める人材ではないかもしれない」と、企業は想定を大きく下回る希望給与を提示したシニアの採用を見送ってしまうことになります。
通常、若い世代などでは求職者の希望給与が高すぎて折り合わないことが多く、シニアでも高すぎて採用されないことは多いのですが、シニアの働き方が大きく変化する中、旧来の働き方やイメージと、新しい働き方が混在することで、シニアの「希望給与が低くて採用されない現象」が起きています。
60歳以降のキャリアは50歳までに決まる
もちろん、闇雲に希望給与を上げれば採用されるというものではありません。
シニアの方が転職・再就職をする場合には、給与相場も含めて、応募企業の仕事内容や求める人物像について調べる企業研究を徹底することが対策になります。
また、企業が求める人物像に自分自身が合致しているかを考えるためには、自分自身の経験・スキルを細かく再確認する「棚卸し」を行う必要があります。
シニアの場合は、まだまだ若い人材よりも不利であることが多く、経歴も長くてスキルも多岐に及ぶため、スキルの棚卸しと企業研究を若い人材よりも念入りに行うことが必要です。
そして、シニアが仕事を引退する年齢が、60歳から65歳へとなり、さらに70歳やそれ以上になろうとしている現在、新しいことにチャレンジできる年齢幅が広がったように感じるかもしれませんが、必ずしもそうとは言えないことにも注意が必要です。
もちろん、チャンスが広がるケースは増えているのですが、上記のように、60歳で一区切りではなく、50代と変わらない仕事内容と待遇が60歳以降も続くため、むしろ50歳までのキャリアや経験・スキルの構築が60歳以降の仕事のために重要となっています。
現在のシニアの働き方は、従来のような「第二の人生」ではありません。
50代がそのまま続くような給与を維持できる可能性が高まる一方で、50代までにその後も活躍できる経験・スキルを確立し、自信を持って活躍し続けられるキャリアを構築する必要があるでしょう。
シニアの方には是非、働き方も希望給与も従来のイメージから切り替え、堂々と即戦力として企業にアピールしていってもらいたいと思っています。
会社概要
社名 : 株式会社 シニアジョブ
代表 : 代表取締役 中島 康恵
本社 : 東京都新宿区大久保1-14-15 三辰ビル7F TEL : 03-6908-9822
URL : https://corp.senior-job.co.jp/
事業内容 : シニアの人材ビジネス提供
お問い合わせ先
株式会社シニアジョブ 広報部 安彦(あびこ)
TEL:080-4107-5851 e-mail:m-abiko@senior-job.co.jp
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