TRIBUS2022募集テーマ|リコーの担当者が語る!『世界最高速!可変情報のオンデマンド印刷による新たな価値創造』
TRIBUS2022では、循環型社会の実現や製造現場の課題解決、印刷技術の応用などリコーの技術や事業領域における6つのテーマで、事業の加速を目指すスタートアップや起業家を募集しています。
この記事では、各テーマの担当者から事業内容や抱えている課題、協業への展望について紹介します。
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募集テーマ:
世界最高速度×オンデマンド印刷
世界最高速!可変情報のオンデマンド印刷による新たな価値創造
登壇者:
新井 伸幸
株式会社リコー リコーインダストリアルソリューションズBU IMS事業部 マーケティングセンター SDGs事業室 DS事業開発グループ
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●募集内容について
「RICOH FC-LDA Printer」という1秒で5メートル幅に高速印字ができるプリンターを利用し、大量生産品に個別に異なる印刷を行う場合など、新しいデジタルサービス・ビジネスモデルを提案し、一緒に事業開発を行いたいと思っています。
分野としては、「広告/キャンペーン」「印刷関連」「包装関連」「ネットサービス」などを想定ができますが、縛りは設けていません。
私たちの部署では、192ch・192本のレーザーが同時に出るレーザーマーカーと、そのレーザーに反応する専用のサーマル液を開発し、2021年7月に「RICOH FC-LDA Printer」としてリリースしました。
一般的なレーザーマーカーは、1本のレーザーで文字を書くため、画像やQRコードを扱う場合は、往復操作が発生し、生産性が落ちてしまう点が課題でした。しかし「RICOH FC-LDA Printer」では、192本のレーザーを使って一度に同時に書くことができるため、印字の速さを保ちながら画像やQRコードの同時印刷を可能にし、業務効率を向上させます。
●開発の背景
「FC-LDA」を開発した理由としては、商品ごとに個別に異なる「個品ID」をQR印字することで、大量生産品に付加価値を持たせることができるのではと考えたためです。トレーサビリティ、デジタルマーケティング、真贋判定などを目的に個別商品に異なるIDを印字し、日用品・食品製造や小売業のDXを考えています。実際に、メロンに貼ったQRコードから産地や糖度を知るサービスが存在しており、この仕組みを単価の低いお菓子や飲料などにも展開したいと考えています。
●事業の特徴
一般的なフィルムなどの包材の生産ラインは、1分間に300メートルものスピードで流れていきます。しかし、これまで異なるIDをオンデマンド印刷で行う場合は、インクジェットで対応しており、1分間に120メートルへ速度が落ちる、インクが流れる、品質が悪くなる、ノズルが詰まるなど手間がかかる点が課題でした。「FC-LDA」は1分間300メートルのスピードのままで高品質なオンデマンド印字ができるかつ、1ラインですべての可変情報の印字が可能な点が特徴です。
実際の活用事例としては、飲料メーカーのキャンペーンに採用いただきました。従来はシールをめくるとLINEポイントが貰える仕組みでしたが、ラベルの内側に個別に異なるQRコードを印刷。シール分のプラスチック削減、リサイクル性による企業イメージのアップ、シールが店頭で盗まれることを防ぐといった点が評価となりました。
ほかにも、版がいらないので少量多品種の印字ができますし、製造、流通、小売業への付加価値提供としては、包材のQRとデータを紐付けることで不良品の混在にも対応できると考えています。
また、モノクロのみとなりますが、画像も200dpiで印字することも可能です。今後の展開としては、フィルムにとどまらず、パウチ・紙箱への展開も想定しています。
●協業へ期待すること
従来では、リコーがプリンターを開発し、印刷業者に納め、メーカー・小売・消費者へのサービスがなされるという流れになりますが、新しいデジタルサービスをリコーから直接メーカーに提供したいと考えています。消費者の情報をQRデータと紐付けし、メーカーにフィードバックするといった場合に、どのような業界にどのような価値提供・印字をするのかというアイデアが欲しいです。
大量生産品に個別に異なる印刷ができたときに、新しいデジタルサービス・ビジネスモデルを提案し、一緒に事業開発をしていただける企業を募集します。
●どういった人・企業と協業したいか
QRを印字するなどの既存のサービスに組み合わせて、クイックに仮説・価値検証を行いたいです。現状では、フィルム・シール・ビニールシートへの印刷、QRコードを個別に打つことができます。食品系で使うラベルでは、内容成分などのトレーサビリティが表示できる範囲が狭いため、QRを利用し生産者情報を拡張するなど、包材の付加価値を上げたいです。ヘルスケア、衣料品にも応用できそうですね。
●印刷関係での展開性は何か
まず、スピードを速めたい場合の装置を提案できます。紙への印刷はもう少し開発を重ねると実用レベルになりますので、チラシ・広報材・雑誌などで個別のQRコードの検証ができれば面白いと思います。
●ハードウェアやネットサービスでの展開性は何か
何と紐付けるかがポイントだと思います。たとえば、これまではラベルをデザイン・印刷する工程が数ヶ月かかるため、すぐにキャンペーンを打つことが難しかったのですが、その点で高速印刷にニーズがあると感じます。社内でも、スポーツイベントと組み合わせて優勝キャンペーンをすぐに仕掛けられると訴求効果がありそうという話が出ていました。
リリース時は、商業ベースでの発表だったので、飲料業界や包装業界からお問い合わせをいただきました。さまざまなアイデアや組み合わせをお考えいただいて、一緒にビジネスを盛り上げていけたら面白いと思っています。ぜひ、ご応募お待ちしております。
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