自分の力が人の役に立っていると実感が得られる世界を目指し、一人一人が"ヒーロー"になれる場所を提供したい | ビジネスSNSイッツヒーロー開発者 ベストプランナー合同会社 川崎 洋
2020年・2021年は、コロナウイルス蔓延により行動が制限されたことで『人が来ないと売上が上がらない』と嘆く店舗が激増し、2022年になっても非対面・非接触が推奨され続け、多くの企業が生活様式を変更せざるを得ない状況に見舞われた。
こうしたなか官公庁などの公共機関で多くの採用実績があるAWSのクラウドサーバーを利用し、通信機器の小売事業からプラットフォーマーとして自社変革に取り組んでいるのが「ベストプランナー合同会社」である。
今回、ITコーディネータ国家資格保有者でベストプランナー合同会社の代表である川崎 洋(以下、かわひろ)氏にビジネスSNSイッツヒーローの開発経緯について話を聞いた。
コロナウイルスによって表面化した課題
ベストプランナー合同会社は、企業の『IT参謀』として2010年10月に設立後、「お客様以上を叶えるありがとうの創造」を経営理念に掲げ、コロナウイルスが蔓延した2020年11月に厚生労働大臣から特別奨励賞を授与された。
テレワーク等で使用するハードウェアやソフトウェアのITツールを補助金・助成金の申請代行を通じて提供している会社だ。
ベストプランナー合同会社でもそれまで当たり前であった『事務所へ毎日通勤して朝礼』を行ったり、『お客様先へ訪問し対面で商談』することが一切出来なくなった。
かわひろは、『命を守るため社員をコロナ感染させてはいけない』という一心で、持ち前のITツールを駆使してまずは社内連絡をグループウェア中心の体制にシフトし、全社員でテレワーク勤務に切り替えて通勤を廃止した。
お客様との商談は、Zoom等のWeb会議で行うなどして最悪な状態からは脱したが、かわひろがその時に感じたことは
『情報発信する力が弱いとお客様にきっかけを与えられないし、そもそもお客様とのつながりがないと声をかけられない。非対面でも人とのつながりが強化できる仕組みが必要だ』と感じていた。
コロナウイルスが蔓延する随分前から『日本の労働生産性は先進国の中で残念ながら最下位』であったが故に、今までの『ITを使う』ということから、デジタルツールを利活用して自己変革する『DX(デジタルトランスフォーメーション)』を推奨する風潮が最近主流となっている。
この背景として、コロナ前までのやり方に戻る選択肢もあろうけども、現在はロシアによるウクライナ侵攻を受けてコロナの問題だけではなく物価の上昇に耐えられる体制づくりが急務になっていることや、日本の少子高齢化は避けられない状況になっており、今まで3人でこなしてきた業務を1人で行わなければいけない時代に突入しているからである。
そこでかわひろは、『ウィズコロナとして新しい生活様式に対応するだけではなく、新しい時代に変わったと意識改革し、勝ち抜くために我々もDXと向き合う』と決意していた。
『戦い抜いたその先にこそ、本当の意味での働き方改革を実現する未来が見えてくる』とも話している。
■迫りくる課題への危機感
どうなる?電子帳簿保存法
既に2022年1月から電子帳簿保存法が施行されたが、2023年の10月から始まるインボイス制度への対応も迫られている。
そもそも電子帳簿保存法やインボイス制度自体を知らない中小企業経営者も多いのではないだろうか。2021年の夏には、実際に電子帳簿保存法の対応が間に合わない企業が続出した。
対応できない場合は、特段の事由がない限り青色申告の承認が取消される?等と多くの波紋を呼び、各業界団体からの働きかけもあったおかげで施工20日前の2021年12月10日に公表された「令和4年度与党税制改正大綱」により、2022年1月からの電子取引における電子データ保存の義務化は2023年12月31日までの2年間は猶予期間を設けるという異例の事態となっていた。
電子帳簿保存法は2年間の猶予期間が設けられたものの、法改正が見送られたわけではないため、2023年12月末までに全ての企業で対策を講じておかなければならない。
そもそも電子帳簿保存法とは、請求書や領収書などの証憑類を『PDFをメールで送信する』という簡単な方法だったとしても『電子取引』に該当し、電子取引制度の保存要件(「真実性の確保」と「可視性の確保」)を満たすデータにて保存するように決まった法律。
紙で受領している請求書は電子取引の対象外となるため紙の保存のままで問題はないけれども、電子化の運用と分かれてしまうためスキャナ保存制度に従い、『紙を電子化して保存する運用に統一する企業が増える』とかわひろは予測している。
つまり、全ての企業が対象となる大きな変更点の1つが『電子取引データの紙保存禁止』である。
かわひろは、『2023年10月から始まるインボイス制度の影響を考えると、2023年12月31日に照準を合わせるのではなく、少なくとも2023年10月1日のインボイス制度開始時点では、データで管理できる運用に切り替わっていることが望ましい』と多くの中小企業にお伝えしたいと思っている。
インボイス制度への対応も同時並行
電子帳簿保存法への対応と同時に対応していかなければならないのが、インボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応。
2022年8月現在義務付けられている「区分記載請求書」には、消費税率は原則10%。食品や定期購読の新聞などについては「8%の軽減税率」が適用されており、軽減税率の対象である場合にはその旨を明記し、10%適用商品の合計額と8%適用商品の合計額を区分することが求められていた。
2023年10月からはさらに「インボイス制度の登録番号」「適用税率」「消費税等の額」が追加された請求書を発行しなければならない。
これら法改正によりかわひろは、
- ますますITが苦手な人が、より孤立する時代になってしまうのではないだろうか?
- 誰かに頼ることも大切だが、最低限は自分で解決できるようにならないと、できない人同士で足の引っ張り合いになり生産性がより低下するのではないか?
- ITが使える人達だけが助かる世界ではなく、周りの人が声を掛け合って助け合える地域活性化型仕組みが必要ではないだろうか?
と危機感を感じていた。
イッツヒーロー開発に至った経緯
長年ITコーディネータとして活動してきたかわひろへ、ITが苦手な人から寄せられた相談ランキングの
第3位が
『凝った作りの機能まではいらないけれど、最低限必要な機能が揃っているものはないの?』
第2位が
『1回入力したら同じことをしなくてもいいものはないの?』
第1位が
『全部まとめて電話で聞けるところはないの?』
であった。
よくよく聞いてみると見積書はパソコンでExcelにて作成。作ったファイルはDrorpboxへ保存。スケジュールはGoogleカレンダー。
というように、クラウドを使いこなしているようでパソコンに縛られており、スマホに入っているLINEでメッセージのやり取りはできるが、送り合っているのは写真やスタンプだけ。
仕事でスマホを使うという概念が無く、どんな時も事務所のパソコンを立ち上げて相手にメールを送る人が多かった。
そこでかわひろは、
『慣れるまで最初は大変かもしれないが、乱立しているアプリを集約させ、仕事で最低限必要なアプリが法改正に対応し、機能統合されているアプリがあれば効率が上がる。しかもその操作が1回の入力で必要な個所とデータ連携がされ、スマホですべて操作できれば、さらに生産性があがる!そんなアプリはないか?』と探してみた。
調べた結果、一番近いなぁ~と感じたのが『グループウェア』であった。
しかし、複数のオプションを組み合わせていかないと思い通りのものにはならず月額コストが見合わない状況であったことと、グループウェアの考え方自体が【自社で利用する】ものとして考えられているため、取引先とのやり取りはほぼ皆無であった。
受発注の仕組みや電子契約の仕組みといった取引先とのやり取りを重視すると、『受発注システム』とか、『電子契約システム』のようにそれぞれ単独で存在していた。
それもそうだろう。マーケティング的にも何か一つに特化した方が、わかりやすいので消費者に受け入れられやすい。しかしこれらを単独で契約すると、結果的にアプリを増やしてしまい、当然それぞれお金もかかる。
そもそも機能を特化し、社内のみで利用することはわかるが、
- ITツールがバラバラと存在することの弊害
- 他ソフトとの連携がなく、導入するソフト内だけで完結することの弊害
- 導入する会社だけが満足すればよいことの弊害
がまさに今、日本のクラウド化・デジタル化を妨げているのではないか?
クラウドが日本中に広がっていくことで『より便利に、より生産性を上げるために』という観点で考えるとアプリケーション同士を『連携』させることが必要なのではないか?
ソフトウェア開発メーカーからしてみると余計なものは覗かれたくないし、余計な開発コストはかけられない。と言うのが本音であろうが、ユーザーが求める『連携』ができないと『日本はこれからもクラウド化・デジタル化から遠のいてしまう。』とかわひろは危惧している。
かわひろが求めている理想は、
『端末に依存することなく、国や地方自治体を巻き込んだすべてのアプリがクラウド化されており、アプリ同士が必要に応じて連携されている世界』を想像していた。
その世界は必要な情報は1つに集約されており、必要に応じてリンクされ重複入力が不要な効率化された世界であった。
理想のアプリを探しても見つからず、途方に暮れていたかわひろの所に『事業再構築補助金』の案内が目に入った。
どちらにせよコロナの影響もあり、自社の取り扱い商材や営業手法に大きな変化が訪れている。
『事業再構築』という観点で考えてみると、
お客様の課題を解決すること=自社の課題を解決することにつながればこれほど良いことはない。
もしかしたらコロナというピンチで、お客様も我々も課題が明確になったことを解決することができれば、大きく飛躍するチャンスに変えられるのではないか?
どちらにせよ『タブー』とされている社内外で使える理想のグループウェアは、そもそも待っていれば誰かが作るものではない。
理想の姿が想い描けているのであれば、自分には解決できる力がある可能性が高く、解決策をイメージできていない人よりも半歩先に進んでいる証拠。
失敗を恐れず投資し、成功できればデータ連携により開かれたデファクト・スタンダードを自らの手で開発することとなり、日本のデジタル化・クラウド化に貢献できる!
やるか?やらないか?その時はやる!と決意し開発に至る。
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