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ストーリーの著者は、読者でもあります

老舗企業の挑戦、「和の心」をマットレスに込めて         ~星野リゾート×日本ベッド 社長対談「ふわくもスリープマットレス」開発秘話~

著者: 日本ベッド製造株式会社


創業108年でありながらユニークな発想と独自性で新たなスタイルのホテルを展開する星野リゾートと、全ブランドにマットレスを納品する創業96年の老舗マットレスメーカーの日本ベッド。100年前後の歴史を持つ両社には、“日本らしさ”を基軸に、こだわりを持ってサービスやものづくりの姿勢を大切にしてきた企業姿勢が共通する。「布団のように肩が丸く、ふんわり感があり、さらに空間を邪魔しない厚み30cm以下のマットレスを」という難題に対し、日本ベッドは独自の技術を活かして開発に挑んだ。そして、マットレス業界の常識を覆すマットレスが誕生した。それが“心地よい和”にこだわった温泉旅館ブランド「界」に導入されている「ふわくもスリープマットレス」である。開発秘話の裏には、職人のこだわりや感性を頼りに理想のイメージを形にする、日本ベッドのものづくりに対する愚直な姿勢があった。


現在、星野リゾートでは北米に温泉旅館を建てるプロジェクトが進行中だ。“日本らしさ”を表現して西洋との違いを出し、こだわりを強調していきたい星野リゾートにとって、求める寝心地を一緒に追求してくれる日本ベッドは心強い存在である。「眠れる森」をテーマに設計された日本ベッド本社屋にて、独自性へのこだわりと職人の感性が生んだマットレス開発ストーリーと、そこにかける思いを両社トップが語った。

(このストーリーは動画でもご覧いただけます



―― 事業を展開する上で大切にしている理念は何ですか


星野代表:         観光というのはご当地自慢なので、お客様のニーズを聞いて市場調査をしてもホテルや旅館はどこも同じ方向にいってしまうんです。どうしたら当社を選んでもらえるか。それは「自分たちらしさ」を表現するしかないんですよね。私は4代目なんですが、この先、競争力のある体制を整えて次世代につなぐことを考えた時、長期的視点が重要だと考えます。そのためには、海外のホテルの空間やデザインを真似するのではなく、自分たちのこだわりやその土地の文化などを大切にすることが欠かせません。“日本らしさ”が結果的に国内外問わず、お客様にも支持していただけることにつながると思っています。


宇佐見社長:      当社は今年で創業96年を迎えますが、ものづくりにおいて大切にしてきたことは、ひとことで言うと「和魂洋才」です。何度も改良を重ねて良いものをつくっていく、ということです。私は古い建築を見るのが大好きなんですが、昭和初期の建築物には、西洋風建築であっても日本人の好みを大切にして空間をデザインしているものがあります。当社が作っているマットレスも同じで、ベッドやマットレスは西洋由来のものですが、天井が低い日本家屋でも圧迫感がなく、さらに多湿という気候も考え、マットレスの厚みを抑えるなど、“日本らしさ”を意識しています。


そして当社は自然を支配するというより、自然と溶け込みながらつくる、というもののつくり方にこだわってきましたので、日本の気候や日本人の好みに合うものをつくりたいという思いを大切にしています。そうして“日本らしさ”を大切にするという共通点を持つ星野リゾートさんと試行錯誤しながら開発して誕生したのが、ふわくもスリープマットレスです。


ふわくもスリープマットレス


―― 日本ベッドのマットレスに期待したことは何ですか


星野代表:         ホテルの部屋でお客様が長い時間を過ごされる場所はベッドの上であると考えています。だからこそ私たちはベッドのあり方を非常に重視しています。家庭用と違ってホテルのベッドに求めるものは日常にはない贅沢な寝心地。「1泊の贅沢さ」と言いましょうか、普段の自宅との違いをお客様には感じていただきたい。日本ベッドさんは「こんな寝心地」といった具体的に数値化できない私たちの要望に対して、いくつかパターンを用意してご提案くださる。そのフィット感にとても助かっていますし、そのカスタマイゼーションを信頼しています。


[界 遠州]客室_遠州つむぎの間

               

宇佐見社長:      我々は「安くたくさん作る」というノウハウは持っていないんです。工場は職人が多いため、こだわりを持って「こういうものが欲しい」と言われると、燃えるんです(笑)

                     

星野さんの主な顧客層はセレブリティのシニア層ということで、迎賓館に納品しているものと同じ種類のスプリングを使っています。私の知る限り、同じタイプのものは世界でも4~5社しか作っていません。イギリスとかスウェーデンとか、なぜか王室のある国ばかりです。そのスプリングにラグジュアリーな感触のするウレタンと、ややハードな感じのするフェルトを重ねて作りました。「布団みたいに肩を丸くしてほしい」とのご要望でしたので、エッジテープを上下ではなく片方だけにつけました。また、他のしつらえがあることと、天井の低い和室でも圧迫感がなく、さらに多湿な気候も考えて、マットレスの厚みを20cmに抑えました。また「布団のようなふんわり感を出してほしい」というご要望でしたので、何種類かつくってご提案し、その中から選んでいただいたという経緯がございます。


星野代表:         パターンまで作っていただいてその中から選んできたというのは、スタッフの寝心地へのこだわりでもあり、同時に私たちの施設全体の満足度にもかなりプラスになっています。




―― 「ふわくもスリープ」に近い一般向けの商品はありますか?


宇佐見社長:      「界」に宿泊されたお客様からお問い合わせをいただいた際は、「ふわくもスリープ」のベースになっている「シルキーパフ」という柔らかめのものと、もう少しスタンダードに振った「シルキーシフォン」をご紹介しています。どちらも心地よいふんわり感を味わえるマットレスです。最終的にはショールームに来ていただいて、実際に寝心地を確かめていただくということになります。


左:シルキーパフ、右:シルキーシフォン



―― 今後の展望について教えてください。


星野代表:         今年で創業108年を迎え、私は4代目になります。4代目の役割は、競争力のある体制を次の世代にいかに引き継げるかということだと思っています。「売上高をここにしよう」「件数をここまで伸ばそう」という目標は一切なく、「ホテルの運営を任せたらやっぱりあそこが一番うまいよね」と言われたい。そんな質の仕組みをきちんと整えることが私たちの唯一の展望であり、唯一の目標だと思っています。そういう体制を整えて次の世代に引き継ぐことが私の役割だと思っています。


また、現在、北米に温泉旅館を建てるプロジェクトが進行中です。“日本らしさ”を感じさせるマットレスを日本ベッドさんにはぜひ太平洋を越えて運んでいただきたいと思っています。


宇佐見社長:      星野リゾートさんにはぜひ海外に出ていただいて、日本のスタイルを世界の標準の一つに加えていただければと思っています。“日本らしさ”を世界に広めるお手伝いができるのなら、こんなに嬉しいことはありません。


星野代表:         海外のホテルでは世界の基準があり、どうしてもそれに慣れ親しんでいるものが求められる傾向が強いです。ただやはり、顧客のニーズに耳を傾けるほかに自分たちのこだわりをそこに加えていくことも非常に重要です。“日本らしさ”を表現する。日本旅館の歴史から完成してきた日本の寝心地というものを(日本ベッドさんには)一緒になってつくって頂いているんですね。海外の方にはプライドを持って「西洋ホテルと私たちは違うんです」「寝心地まで違うんです」と言えるような領域にこれからも高めていきたいと思っています。


宇佐見社長:      当社は2026年に創業100年を迎えます。80周年では快眠のノウハウ、90周年では高級ベッドの復刻版をつくり、著名なデザイナーとベッドフレームの開発を行いました。100周年ではハードから少し離れて寝室空間のご提案までできるベッドメーカーを目指していきたいと思っています。


            2022年7月に発売された新作フレーム「AZURE アジュール」



「ふわくもスリープマットレス」開発秘話をテーマにした社長対談は、朝日新聞出版刊行の週刊誌『AERA』に実際に取り上げていただきました。また、その様子を収録した動画を日本ベッド公式YouTubeチャンネルでもご覧いただけます。


  • 記事掲載: 朝日新聞出版『AERA』10月17日発売号

 P8 : ”「和魂洋才」の心をマットレスにこめて”星野リゾート×日本ベッド社長対談

  • 対談動画: 日本ベッド公式YouTubeチャンネル

 ”星野リゾート 星野代表×日本ベッド 宇佐見社長 社長対談「ふわくもスリープマットレス」開発秘話” 


こちらをクリックしてアクセス➡ 動画でもご覧いただけます




略歴:

星野佳路 Yoshiharu Hoshino

星野リゾート代表。1960年、長野県軽井沢町生まれ。1983年、慶應義塾大学経済学部卒業。米国コーネル大学ホテル経営大学院修士課程修了。1991年、星野温泉(現在の星野リゾート)社長(現在の代表)に就任。所有と運営を一体とする日本の観光業でいち早く運営特化戦略をとり、運営サービスを提供するビジネスモデルへ転換。

2001~04年にかけて、山梨県のリゾナーレ、福島県のアルツ磐梯、北海道のトマムとリゾートの再建に取り組む一方、星野温泉旅館を改築し2005年「星のや軽井沢」を開業。

現在、運営拠点は、独創的なテーマが紡ぐ圧倒的非日常「星のや」、ご当地の魅力を発信する温泉旅館「界」、自然を体験するリゾート「リゾナーレ」、テンションを上げる都市ホテル「OMO(おも)」、ルーズなカフェホテル「BEB(ベブ)」の5ブランドを中心に、国内外60カ所に及ぶ。2013年には、日本で初めて観光に特化した不動産投資信託(リート)を立ち上げ、星野リゾート・リートとして東京証券取引所に上場させた。

2022年、星野リゾートは創業108周年を迎え、「OMO7大阪 by 星野リゾート」「OMO%金沢片町 by 星野リゾート」「界 由布院」などを新たに開業。



宇佐見壽治 Toshiharu Usami

日本ベッド製造株式会社代表取締役社長。1974年、慶應義塾大学法学部法律学科卒業。同年、日本ベッド製造株式会社に入社、茨城工場で生産・品質管理業務に携わる。1979年JIS認証規格の取得、1980年営業本部、1981年開発部部長、1985年取締役開発部長、企画・開発部門に10年携わり、1991年常務取締役兼営業本部長として従事、2000年1月から現職。





【本件に関する問い合わせ】

日本ベッド製造株式会社 宣伝部 メディア戦略室 喜多尾風見子

Email: pr@nihonbed.com

Tel: 070-7579-7305

HP: https://www.nihonbed.com/

INGアカウント: https://www.instagram.com/nihonbed_official/





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