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世界から「お尻を拭くのがツラい」を無くす!洗浄乾燥便座「エクストリーム」の開発ストーリー

著者: 株式会社Water X Technologies

株式会社Water X Technologiesは、2019年3月の設立以降、温水洗浄便座の設計・開発事業を行っています。そんな同社は、2023年4月17日(月)〜6月29日(木)の期間限定にて、洗浄乾燥便座「エクストリーム」の先行予約販売を開始しました。


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エクストリームは、年齢や体型に関係なく、誰もが快適で清潔になれる洗浄便座です。今回は、代表取締役 中山裕司氏が同社の創業に込めた想いと、洗浄乾燥便座「エクストリーム」の開発ストーリーを紹介します。

温水洗浄乾燥便座で、世界中のトイレをより衛生的で快適に

株式会社Water X Technologies 代表取締役 中山 裕司

2019年3月に設立、温水洗浄便座の設計・開発を行う

Water X Technologies社は2019年3月に設立。温水洗浄便座を広げることによって、世界中の皆さんが衛生的で快適な毎日を送れるようになることを方針として掲げています。


現在取り組んでいることは、複数の会社との協業によるトイレ関連商品の開発と、商品の企画や開発に関するコンサルティング業務の2つ。協業パートナーやお客様とともに新商品・新事業の企画から開発までに携わりながらイノベーションの種を見つけて育てるお手伝いをしています。会社のメンバーは代表の中山を含めて3名。中山は日本に、残りの2人は中国に拠点を置いて商品開発に取り組んでいます。


40歳で大手住宅設備機器メーカーを退社、中国での起業を決意

中山は大学院を卒業した後、2003年にLIXIL(当時はINAX)に入社して、国内外向けに衛生陶器を設計・企画してきました。その後、中国で新たに温水洗浄便座の開発拠点を設立するプロジェクトを立ち上げて、社長に「中国で必ず実現してきます」と宣言して2011年から中国の蘇州へ赴任。LIXILが買収したアメリカの住宅設備機器メーカーと中国現地での開発組織統合をリードしてきました。3年後に日本へ戻ってきてからは、欧州やアメリカ、東南アジアに向けた商品開発をマネジメントします。>>前職での商品開発を取り上げた記事はこちら


沢山の経験を積むことができて、やりがいはあったものの、生涯一社で勤め上げる感覚はありませんでした。そこで、並行してビジネススキルを学び専門分野以外の知識を広げたり、副業でホームページを作成するといったことに時間を当てていたと振り返ります。


起業のきっかけとなったのは、現在弊社に出資してくださっているシリコンバレーのベンチャーキャピタリスト、ゴールデン・ウェールズの代表吉川さんとの出会い。当初、中山はLIXILを辞めたらエージェント経由で転職する予定でした。「中国にある温水洗浄便座の会社が新たに合弁会社を立ち上げるために人材を募集している」という一風変わった内容から、とりあえず話を聞いてみようと吉川さんにお会いします。LIXILでやりたいことはほとんどやってきたという自負があり、定年退職まで安定的にポジションが上がっていく状態にあったことで、生き方としてこれでいいのかという迷いがありました。


そんなタイミングで吉川さんに出会ったこともあり、「定年退職が20年早く来たんだ」と考え、2018年12月 40歳でLIXILを退職します。


しかし、肝心の中国の会社からはこの話を見送りたいと唐突に言われます。その時に持っていた選択肢は、その中国の会社の社員になって日本法人を立ち上げるか、 私自身が起業するかの2つでした。昔から何となく思い描いていた起業が現実になるタイミングなんだと思って2019年3月、起業に踏み切りました。

起業直後に登壇したピッチ大会の様子

中国でユーザーのニーズや課題を吸い上げ、仮説検証に注力

会社を設立した2019年当時、マーケットを中国に定めて商品アイデアを考えていました。中国は家を購入したら自分で内装をカスタマイズするため、マンションを購入した人のところへ行って工事の様子を見せてもらう、彼らにインタビューしながら課題を掘り下げる、どんなワードが検索されているか検索エンジンの動向を調べて仮説を立てていきます。


最初は温水洗浄便座のメインの購買層である世帯年収が10万〜15万元(日本円で300万円前後)のユーザーを中心にヒアリングしていきました。


日本の住宅設備機器業界では大手数社が寡占していますが、中国では200〜300社と山のようにあって、「便座」をネットで検索すると6万件もヒットする。そんな中から「中国のユーザーはこういうことで困っているんじゃないか?」と仮説をいくつか立てて課題を吸い上げていきました。


中国市場におけるさまざまなトイレの課題を棚卸ししていくうちに、トイレットペーパーがなくなるとユーザーにいいことが起きることが分かりました。例えば、中国では使ったトイレットペーパーを便器の脇にあるゴミ箱に捨てるんです。最近、中国の下水が整備されてトイレットペーパーを流せる地域は増えてきましたが、都市部だけでもまだ7割がこんな状態。トイレットペーパーの習慣をなくすだけで、中国では衛生面の課題を解決できます。その中で「エクストリーム」の原案ができあがっていきました。


現在、洗浄乾燥便座「エクストリーム」は、中国の老舗企業との協業で量産フェーズに入っていて2023年6月に上海で開催される世界最大級のトイレ、バス、キッチンの展示会「Kitchen & Bath China」にて展示し、市場投入していきます。

洗浄乾燥便座「エクストリーム」開発の道のり

突然の起業だったこともあって、創業当初は「資金ゼロ」「顧客ゼロ」「営業経験ゼロ」からのスタートで、ほぼプータローに近い状態でした。商品アイデアも固まらず、「何を作ろうか」と悶々とする日々でしたが、中山が以前から懇意にしていたGoldratt Japanの協力でTOC流イノベーション手法を使うことで、次々とアイデアを出せるようになりました。


上記のように「エクストリーム」のアイデアを生み出せたのも、イノベーション手法を最大限活用したおかげです。


アイデアはあっても商品を1台作り切るだけのお金がなかったので、最初はメンバーの自宅のトイレを使って、ヘアドライヤーをお尻に当てるところから価値の検証をスタートします。検証を進めていく中で「お尻に温風をあてると気持ちよい」という感触が得られたのも新鮮でした。


最初は社員の自宅倉庫のトイレを使って価値検証した


さらに「あたかもエクストリームがこの世の中に存在するかのような」仮想カタログを作ってインタビューを進めたところ、腰痛でお尻に手が回らない、生まれつき小児麻痺で脚を広げにくい、在宅介護で高齢者のお尻を拭いているという方がいることもわかりました。このようなお悩みはニッチではあるものの、想像以上に多くの方々がトイレットペーパーで拭くことに困っているのだと認識できました。


こうしたインタビューを通じて、「エクストリームは、中国だけではなく日本でも展開余地があるのでは?」と考えるようになったのです。


価値の検証ができたあともなかなか開発資金が手に入らず、「売れたら出資をしますよ」という会社も多くありました。ここで「お金がないから売れる量産品を作れない」「製品が売れないからお金を調達できない」というジレンマに陥ってしまいます。


このジレンマを解消するには長い時間がかかりましたが、最終的には我々と共通の目標に向かって進めるパートナー企業を探し出し、我々の技術と開発リソースを提供することで、「エクストリーム」の量産のための資金を出していただきました。


開発過程では、従来の思い込みを捨てて、新しい前提を取り入れていく必要がありました。たとえば、従来は「ちゃんとした試作品を作る」「製品を売る」「協業相手に首を縦に振ってもらう」などの思い込みがありました。しかし、実際に必要だったのは「必要最小限の道具を使って検証する」「製品ではなく価値を売る」「協業相手の問題を先に解決する」などでした。


TOC流のイノベーション手法を使うことで、自分の中に従来あった考え方(サラリーマン時代に無意識に考えていたこと)を大きく変えて、起業家として必要な考え方を得られるようになったのです。

開発過程では従来の思い込みを新しい前提に書き換える必要があった


そして、前述のように上海で開催される世界最大級の展示会に出典できるところもまで漕ぎ着けたのです。


洗浄乾燥便座「エクストリーム」の特長


エクストリームは、年齢や体型に関係なく、誰もが快適で清潔になれる洗浄便座です。加齢、腰痛、体型、お尻のトラブル等の理由によりトイレットペーパーで拭く動作がツラい、介護時に拭くのが大変、濡れたお尻を拭くと紙がくっついて不快などの悩みを持つ方に特におすすめの製品です。


1. 最短30秒:新構造の高速乾燥でしっかり乾かす

従来も便座に「ドライ(乾燥)」機能はありましたが、お尻を乾かすのに時間がかかることから、多くのユーザーが乾燥機能を使わなくなっている実態がありました。エクストリームでは温風構造から見直し、最短30秒の高速乾燥を実現する特許技術を開発しました。


2. お好みにあわせて乾燥風の強さと温度が変えられる

乾燥風の強さはダイヤルを使って6段階に調整できます。温度はボタン操作で、OFF(常温)も入れて5段階に設定可能。ユーザーにあった快適な風量・温度が選べます。


3. 温風の質にもこだわります

温風乾燥にこだわるエクストリームは温風の質にもこだわります。遠赤外線で柔らかい温風を作り出し、マイナスイオン(※)を伴った温風を届けます。(※)負の高電圧を出力し、マイナスイオン発生器の出口から10cm離れたところで、3×106 / cm3以上の濃度でマイナスイオンを発生させています。



日本でも「エクストリーム」を展開

元々は中国市場をメインターゲットにして設計した「エクストリーム」でしたが、「温風がお尻にあたると気持ちよい」「紙を使うのが困難なので、乾かせると助かる」といった声のほか、「養護老人ホームでの介護負担を減らしたい」という方からの要望もあり、日本での販売にも踏み切ることにしました。


2023年4月にマクアケを通じて、先行予約販売をスタートしています。今回の先行予約販売は、日本でお困りの方に解決策を提供するだけでなく、世界の衛生課題を解決するための第一歩として位置づけています。


【先行予約販売スケジュール】

●プロジェクト開始:2023年4月17日(月)

●プロジェクト終了:2023年6月29日(木)

●リターン発送開始:12月末までに順次発送を予定しています。

●目標金額:500,000円

●詳細URL:https://www.makuake.com/project/waterx/

※詳しい発送時期は活動レポートにて適時ご連絡いたします。





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