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ライフスタイル、気候・風土の特性に合わせ、家づくりの提案も柔軟に「創業60周年。感謝と挑戦を胸に」商品編(4)

著者: パナソニック ホームズ株式会社

パナソニック ホームズは2023年、創業60周年を迎えました。工業化住宅の商品開発者たちに受け継がれる熱い想いや、お客様の憧れを形にする設計者・営業担当者の取り組みを全6回でご紹介します。

パナソニック ホームズは、お客様のライフスタイルの変化や地域の特性に合わせて、戸建住宅の提案の方法を柔軟に変えてきました。第4回では、WEBによる住まいづくりの新しいスタイル「V‘esse(ヴェッセ)」と、沖縄支社の気候特性、風土に合わせた家づくりの取り組みについて紹介します。

デジタルネイティブ世代に合わせた家づくりとは

「若年層のニーズとライフスタイルに合わせた新しい住まいづくり」に着眼し、ハウスメーカー・クオリティの高品質な住まいを2,200万円台から(建物本体価格・税別)という「お手頃な価格で提供する」WEB商品「ヴェッセ」は、2021年の4月に発売を開始しました。

開発に至った経緯について、商品企画室 戸建事業商品企画課の三浦 沙耶は「住宅の一次取得層である20代後半から30代のお客様はスマートフォンを駆使するデジタルネイティブで、WEBでものを購入するのが当たり前の世代。住宅展示場に足を運び、まず見ていただいてからスタートする従来の商談方法ではなくWEB上で検討を始められる家づくりを提案していく必要があると考えたのがきっかけです。常に価格と価値のバランスをシビアに見極め、価格の透明性を重視する世代でもあり、当初から価格を明示することには一番こだわりました」と語ります。


三浦 沙耶(商品企画室 戸建事業商品企画課)


WEBを使った家づくりのプロセスについては、「調査でセミオーダー型の住まいづくりの評価が高いことは確認していましたが、あらかじめプランを提示し、その中からお客様が選べるようにした方が良いのか、ほぼ自由設計と思えるほど柔軟性を高めた方が良いのか、セミオーダーのレベル感について議論を重ねました。今回ご提案する家づくりは、お客様ご自身でシミュレーションしていただくプロセスだからこそ、何もないところから作るのはハードルが高いと考え、規格プランを用意し、お客様のこだわり部分を間取り変更で対応する手法を選びました」と話します。

プラン作りは、過去に建てた住宅のプランを洗い出すところからスタートしました。44万棟※の実績があるからこそ、上手く過去の資産を活かしたご提案ができないかと考えました。その中から30数坪の広さ、3~5LDKの間取りを抽出し、「シューズインクローク付き」など近年のオーナー様の満足度が高い仕様や、コロナ禍をふまえ玄関から入ってすぐに手が洗える動線にしたプランなどを取り入れ、最終的に518のプランを作りあげました。

※パナソニック ホームズグループの戸建住宅販売棟数(1963 年~2022 年度12月末実績)


お客様が好みのプランにたどり着く手法として「LIFESTYLEシミュレーション」と「家づくりシミュレーション」の二つのアプローチを用意。三浦が最も注力したのは、シミュレーションのフローだと言います。「どのような順番で選べば家づくり全体をイメージしやすいのか、選ぶ仕様でどのように価格差を出せば、価格の不安に縛られず楽しく選択ができるのか、これらが重要な視点だと考えていました。さらに、WEB内でつくりあげていくCGのイメージと実際の出来上がりとのギャップがないようにリアルな表現にこだわりました」

同サービスを開始した後は、提示したプランの中から選ぶという手法についてお客様がどう受け止められるかがが最も不安だったという三浦。「自分たちであれこれ考えるより、プロが考えたプランから選ぶ方が安心感があり、迷うことなく早く決めることができる」「大手ハウスメーカー=高い、という印象を持っていたが、「ヴェッセ」は手が届きやすく、選択肢が広がった。価格も明示されるので不安なくプランを固められる」とポジティブな意見が多く聞かれたことに安心したそうです。そして、万一地震で全壊・半壊があった場合にパナソニック ホームズが建て替えや補修を保証する独自の制度「地震あんしん保証」付き、ZEH仕様※が可能で高品質、高性能という前提があることが、お客様にとって「ヴェッセ」を選択する決め手になっていることも確認できたと言います。地震あんしん保証については2023年4月から保証期間を最長35年に延長するなど、ベースの安心感は、常に進化し続けています。

※創エネルギー量と消費エネルギー量が、相殺されてゼロになる住宅

『地震あんしん保証』の期間を最長35年に拡充 ニュースリリース(2023年4月3日発表)

「家づくりシミュレーション」の選択例(イメージ)


上:外観シミュレーション 下:インテリアシミュレーション

ご自宅のリラックスした環境で、いつでも手軽に家づくりをシミュレーション

そうしたお客様の一家族が、香川県高松市で家を建てることを計画されていたM様です。「ヴェッセ」に資料請求があり、高松営業所の田口 稔之がM様との商談を担当しました。

M様は、元々、家族で東京に住んでおり、異動で実家のある高松に戻ることとなりました。それをきっかけに2021年の冬頃から戸建住宅の検討を始められ、2022年2月にM様から具体的な相談の連絡があり、田口との商談がスタートしました。



M様は、奥様と小学生のお子様の3人家族。高松市内に建つご実家の横にある古い空き家を取り壊し、年末には家を完成させたい、とのご希望でした。その時にはすでに「ヴェッセ」の「家づくりシミュレーション」を使ってプランをご自身で決めておられました。田口は初の面談を受けて、家を建てるにあたり必要な建築地の現地調査を行ったうえで、その後もWEB面談で、必要な変更点を説明。古い家の解体費用や水道やガスなどのライフラインの敷設に要する費用などを合わせた見積金額をお伝えました。商談初期はお客様のご要望もあり、WEBによる打ち合わせで進めながら、3月中旬の契約時に初めて田口と対面でお会いしヴェッセでの建築をご決断いただきました。



M様のお話によると、家づくりシミュレーションを活用し、平屋、部屋数、玄関の向きなどいくつかの希望条件を入力したところ、提示された複数のプランの中からイメージ通りのプランが見つかったそうです。細かな仕様については、布団のなかでスマートフォンを見ながらご自身の時間のある時にリラックスした気分で決めていかれたとのこと。キッチンの仕様については奥様からのご希望があったためオプションから選ぶことにし、東京のショールームに足を運んで現物を確かめたうえで決定されました。間取りの変更もある程度は可能で、通常の注文住宅の進め方とそこまで変わらないのではという印象で大満足とお話されています。



田口はそのプロセスについて「通常の注文住宅の商談では、お客様との初回の面談以降に間取りを決めていく作業を行い、ご要望を確認するために実際にいくつかの現場へご一緒しながらイメージを固めていくため、間取りを決めるだけで5、6回の面談が必要です。それが「ヴェッセ」では面談をせずにほぼ最終形に決めていただいていたことに私自身も驚きました」と率直な感想を述べます。


また、「注文自宅の場合、無数に選択肢があって迷われることがどうしても多い中で、「ヴェッセ」の家づくりであれば設計のプロが厳選した複数の選択肢の中から選び、本当にこだわりたい部分についてはオプションで自身の希望を反映できる点が時間的にも心理的にもご負担が少ないこと。また、仕様を決めていくたびに金額が明示され、別の仕様を選ぶとどれだけの価格差が出るのかが明瞭な点についても安心していただけたようです」とM様とのやり取りを通じての実感を語ります。


営業を担当した田口


一方で、住宅業界にもオンライン型の規格商品が増えつつある中で、その中からお客様に選んでいただくためには「実際に口頭や面談でのやり取りが必要な数少ない機会で、どれだけ迅速にかつ的確に回答を返すことができるかが問われます。間取りや仕様以外の部分で何を決めないといけないか、どこに問題点があるかを判断し、提案することで、より安心を感じていただけるよう心がけました」と語ります。その後も、注文住宅を希望されるお客様と数多く接している田口ですが「予算を抑えたいお客様や、明確にこうしたいというご希望を持っておられないお客様に対しては「ヴェッセ」の活用を勧めるケースが増えています」と話します。


値頃感を維持しながら、お客様が楽しめる家づくりを

WEB商品の「ヴェッセ」ですが、実際には田口のように担当者が付き、オンライン上だけでは行き届かない点についてはしっかりとヒアリングを行い、現地調査を経て改めてお伝えするというやり取りが行われており、この「ハイブリッド」方式もお客さまに安心感を与えているようです。



実際にご購入いただくお客様は、30代の若いファミリー層という当初想定していた顧客層だけでなく、お子様が社会人になって独り立ちされた後に平屋で建て直したいと考える50代のご夫婦などもおられ、「“間取りにそれほどこだわりを持っていないけれど、少しだけアレンジはしてみたい”というお客様に適している」と、三浦はサービス開始後2年間の事例を通して確認できたと言います。


「ヴェッセ」はその間にも進化を遂げています。三浦はその具体的な取り組みについて「元々は、規格プランをベースに変更できる部分が少なかったのですが、規格住宅でも自由設計のようなワクワク感をどこかで抱いていただきたいという想いは常にあります。お客様ご自身がこだわったと満足いただけるよう、軽微な間取り変更への柔軟な対応や、仕様の選択肢を増やしました。そのほかにも、窓サッシの断熱性を強化したり、サッシの色についてもトレンドに合わせて黒を選べるようにしたり、と日々改良を重ねています」と話します。

今後は、お客様の要望を叶え、スペックも上げていきながら、設計や見積もりを効率化する工夫によりお手頃な価格は維持していきたいとのこと。「そのためにも、ハイブリッドではありながら、できるだけ営業担当者が関わる部分を減らしていけるよう、パッケージで提案できるところを増やすなど工夫を重ねていきたい」と語ります。

×

▶「V‘esse(ヴェッセ)」事例ご紹介ページ:https://homes.panasonic.com/sumai/vesse/case/


高温多湿、台風の多い沖縄で「暮らしやすさ」を提案、「結(ゆい)の家」

社会情勢の変化に伴う世代の特性に合わせて販売手法、家の提案のあり方を変えてきたパナソニック ホームズ。それと同じように地域の特性に合わせた家づくりも進めてきました。今回ご紹介する沖縄においては、1981年に住まいづくりを始めて40年以上、現在では唯一現地に拠点を置く大手ハウスメーカーとして、沖縄ならではの気候・風土に合わせた住まいを提供してきました。加えて、人と人のつながりが強い沖縄において、そのつながりの糸を紡ぎ、“家族をつなぐ、自然とつなぐ、価値をつなぐ” 「結の家」として暮らしの価値を提案しています。


沖縄支社長の鈴木 潤一


沖縄は亜熱帯海洋性気候に属し、高温多湿であることに加え、大型台風が直撃することが多く、家づくりにおいては断熱、湿気対策、そして防風対策が求められます。沖縄エリアでは、古くから「風に強い」ことからRC(鉄筋コンクリート)造が普及し、現在も大半の家がRC造であることが特長ですが、これに対しパナソニック ホームズは、県内ではほぼ唯一の鉄骨造ハウスメーカーとして存在感を発揮しています。


その優位性について沖縄支社長の鈴木 潤一は「防風性についてはRC造と遜色ない強度を有していることから、むしろ暮らしやすさの機能を追求しています」と話します。たとえば、沖縄の屋根は、強風で瓦が吹き飛ばされるのを防ぐため、平らなコンクリート製が多いのですが、パナソニック ホームズは勾配のある瓦屋根にする代わりに瓦が飛ばないように固定を強化する工夫を施しています。「勾配をつけないと雨水が貯まり、後々、防水対策のメンテナンスが必要になってしまうから」とその理由を語ります。また、サッシに雨水が吹き付けると隙間から水が室内に入ってきてしまうことがあるのですが、これを防ぐために掃き出し部分にアルミ製の折り返しをつけることで室内に水が入らない構造にしています。

「台風時、沖縄では予めサッシの下に雑巾を置くことが一般的なのですが、そうしたことをしなくても安心して暮らしていただけるよう配慮しています」と鈴木。


また、多湿対策としては、内装の壁に調湿材である珪藻土を採用しているほか、床下の地熱を利用したHEPAフィルター採用の換気システムを標準化することにより空気の滞留を抑えることで湿気やカビの発生にも対応しています。「RC造の住宅が一般的な土地柄のためか、暑かったり結露したりするのは仕方がないという沖縄の方々の認識があるのですが、当社の住宅の場合、暑さに効果を発揮する断熱材や紫外線と外熱をカットするLow-eガラスを標準採用することで快適性を確保します。お客様へは“家に暮らし方を合わせるのではなく、暮らしやすさを追求しましょう”とお伝えしています」

人の結びつきが強いからこそアフターフォローを徹底

鈴木は”島国”ならではの沖縄の方々の気質の特性にも触れ、「飲んだり食べたりしていてもすぐに隣の人と仲良くなる、人同士のつながりの濃さがある」と言います。沖縄支社では40年前から累計3,100棟※を超える家づくりを手がけてきましたが、その全世帯のお客さまに現在も毎年オリジナルカレンダーを配っていることに象徴されるように、アフターフォローを大切にしています。「当社では、お客様と生涯のお付き合い、を掲げています。パナソニック ホームズは建てた後も安心、と言っていただけることが多く、口コミで声をかけていただくケースが非常に高いのも特長です」と鈴木。コロナ禍以降、住宅展示場を介したお客様とのつながりの機会が減る中で、資料請求などを通じて問い合わせをされるお客様のフォローをより密に行うなど、アプローチの手法も見直しを進めています。

5年前に支社長として赴任して以来「お客様から目を離さない」「市場から目を離さない」「仲間から目を離さない」の3つの「離さない」を社内で徹底してきたという鈴木。これからも沖縄ならではのニーズに目を光らせ、お客様との信頼をさらに強固なものにしていこうとしています。


▶ご参考:

住まいとくらしの情報館 沖縄:

https://homes.panasonic.com/johokan/area/okinawa/

パナソニック ホームズ 沖縄県内の展示場:

https://homes.panasonic.com/kyoten/area/47/


沖縄でご自宅を建築いただくお客様の中には、他府県から移住されて当社の住宅を建築いただくケースもでてきています。2件のお客様の事例をご紹介します。

ケース1:豊見城市 E様

東日本大震災を機に、沖縄への移住を決められたE様ご一家は、福島でのご経験から躯体の耐震性や安全性は、ことさら気にされたそうです。また、とても気に入っておられたという福島のご自宅のイメージを新しい家に再現したいと、勾配をつけた船底天井スタイルに仕上げられました。車イスを利用されるご主人の目線を大切にされ、バリアフリー面でも雨天時も屋根のある駐車場から屋内へ移動できるスロープや幅広い廊下など、配慮した設計を採用。「完成を待たずして他界してしまった」と語るE様のもとには息子さんご夫妻がお孫さんを連れて遊びに来られ、4世代で賑わうこともあるそうです。「この家は私の財産です」と語ってくださるE様のくつろぎや安らぎの場として、家族をつなぐ“結の家”としてE様の宝物となっています。


左)福島の家の面影を再現した船底天井は現し梁に仕上げられました

右)ウージ染を飾った沖縄風のコーナー

一家の暮らす二階建てと、ご両親が暮らす平屋が壁を共有する形で隣接する長屋風の二世帯住宅

ケース2:うるま市 Y様

沖縄に移住され3年を経た頃、マイホーム取得を検討されたY様ご夫妻は、地元工務店などに相談されましたが、イメージに合う業者を見つけられずにおられました。奥様のご実家の向かいに建つパナソニック ホームズの家が何十年と経っても美しい外観であることを思い出され、パナソニック ホームズでの住まいづくりを開始いただきました。

家族の気配を感じられる一体感を希望されたことから、リゾートホテルのようなゆとりある住まいが完成しました。玄関の扉を開けると三和土(タタキ)から開放感のあるリビングへとつながり、天井まで届く高い吹き抜けにバーチカルブラインドを取り付け、大きな開口部からは亜熱帯の植物が見えます。ご家族でリゾートホテルに宿泊された際、「うちの方が広くてくつろげるね、と笑い合っています」とY様。「都会ではできないような住まいを叶えたかった」と話す奥様もホテルライクな我が家の仕上がりに心から満足をいただいています。


玄関から廊下を設けずにリビングへと広がるフロアには、高級感を演出するヘリンボーンに組んだフローリングをセレクト

ダイニングは玄関からの視線が届かないよう配置。イタリアから取り寄せた幅広テーブルをセットし、キッチン上には吊り下げ型の天井をポイントに


次号は、都市部の多層階賃貸集合住宅に関わる取り組みについてご紹介します。(2023年5月19日公開予定)


▶”商品編” 第1号 

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▶”商品編” 第2号 

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▶“商品編” 第3号 

×


◎パナソニック ホームズ株式会社について

パナソニック ホームズ 創業60周年特設サイト:https://homes.panasonic.com/60th/

商品ページ:https://homes.panasonic.com/

企業情報ページ:https://homes.panasonic.com/company/

公式Twitter:https://twitter.com/panasonic_homes




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