どんな草花にも価値がある。草花を通じて多様性の素晴らしさを伝える。「謳花」立ち上げの経緯と込められた想いとは
株式会社ソウアンが運営するドライフラワー事業「謳花」は、廃棄される家具や草花などを積極的に活用し、空間装飾~プロダクト開発・販売まで、ドライフラワーによるアップサイクルを行っています。
今回は、「謳花」が取り組むプロジェクトの内容とともに、「謳花」立ち上げのきっかけや事業に込めた想いを代表の石川より紹介します。
「謳花」はドライフラワーの魅力と可能性を伝えるプロジェクト
「謳花」は、ドライフラワーによる新たな価値創造を追求し、その魅力と可能性を伝えることで、ドライフラワーを日々の暮らしに寄り添う存在として、また社会課題に携わる手法のひとつとして、より身近にすることを目指すプロジェクトです。
ドライフラワーを用いた空間装飾やインテリア、雑貨等のオリジナル プロダクトの企画・制作を中心に、ドライフラワーを活用した様々な 社会課題への取り組みや、アップサイクル・サービスなどの開発・ 提供を行っています。
流木などに装花するクリエイターの作品に感動し、「謳花」を立ち上げ
現メインクリエイターである秋田の作品を初めて見た時、流木などに装花するというスタイルが面白かっただけでなく、生花とは違う意味で“生きている”と感じたことが、「謳花」を始めたきっかけでした。
ただ、花の素人である私は秋田へ任せっきりで事業と呼べる形ではありませんでした。そして2020年に始まった新型コロナ感染拡大により、会社の事業が停止してしまいます。
イベント事業を中心に行っていた会社は大きなダメージを受け、イベント関係しかわからない私は、試行錯誤を続けながらもコロナ禍を戦い抜く術を見出せず、スタッフにも多大な迷惑をかけ、どうしようもない不安と情けなさで呆然と日々を見送っていました。
そんな中、お家での花需要が増えている状況を知りました。また、当時少しでも花を知ろうと通い始めていた生け花教室もオンラインへ移行し、コロナ禍でのレッスンを通じて、花には力があると実感しました。ですが、ビジネスというだけの観点でなく、私たちのように不安を抱えている人々に対して、花事業を行っている企業としてほとんど何もできず情けなく、悔しい思いをしました。
「すべての花に価値がある」ことを伝えたい
そこで、コロナ禍に「謳花」という事業の本質から見直すことを始めました。制作に使用する花材を知り合いの山から採取したり、庭師さんからいただく剪定された草花(剪定ゴミ)といったフラワーロスで語られる規格外や売れ残りの花以外、そもそも流通に乗らない草花を積極的に活用していることが「謳花」のモノづくりの原点だとわかりました。
それは、日照条件等により曲がったり、色が薄かったりする、その場所だからこその“カタチ”をした草木が、私たちの作るモノには魅了的で価値があるということです。
私は、そういった草木に自分自身を照らし合わせてしまいます。
なぜなら、私は40歳過ぎまで音楽の夢を追い続け、敗れた人間です。後半はビジネススキルを持たない自分が、今更再就職なんて無理だろうと、ただただ音楽をやめることが恐ろしくて続けていたと、今になって思います。そんな私を拾ってくださった恩人、面倒を見ると言ってくださった恩人、そして受け入れてくれた20代、30代の諸先輩方のおかげで、今の私の“カタチ”があります。
草花たちの、どんな場所であれ、その環境条件で精一杯、力強く光を追い求めた“カタチ”に物語を感じ、心を惹かれます。「謳花」とは“どんな花にも価値がある”ということを伝えていく事業だと気づきました。
“人類で初めてお花を贈った人のように、今日もまた、花と出会う。“
これが、花の価値を真っすぐに見つめるにはどうすればよいのかと考え続け、私たちがたどり着いた言葉です。
人類で初めて誰かにお花を贈った人は どんな気持ちだったのだろう? どんな場所だったのだろう? そして、山をめぐったり、お庭から花をいただいている私たちは、 それはきっと、一本の野の花だったに違いない。と思いました。 虫食いがあったり、 花びらが欠けていたかもしれない。 少し曲がっていたかもしれないけれど、もらった人は美しいと喜んだはずだと。
そして、花は人を喜ばせようと咲いているわけではなく、 人が勝手に花の美しさを決めたり、見つけ出したりしているだけなら、 初めてお花を贈った人のように自由に花を感じ、届けたいという想いを込めました。全ての人たちが自身の物差しで花を見て感じる世界を目指そうと決めました。
事業の見直しを経て
様々な環境下の草花の価値を伝える活動を“ハグレ・プロジェクト”と名付け、その魅力を伝えるために、その草花たちが実施に価値を感じてもらえるプロダクトの開発を進めました。
並行して、お子様からビジネスパーソンまで幅広く、実際に花材に触れて頂ける機会づくりとしてプロダクトをモチーフにしたワークショップの開催を積極的に行っています。
また、その評価を確認するため展示会出展を行い、ダイレクトなご意見を頂きました。ある意味ニッチなプロダクトではありますが、花材のバックボーンより見た目での評価を多く頂けたことは大変勇気づけられました。
謳花が取り組むプロジェクト“ハグレ”
廃棄野菜や雑草、剪定ゴミといった、一般的な花材としての価値や需要から“はぐれて”しまっている草花たちが本来持つ魅力や価値を見出し、それら“ハグレ“を、ドライフラワー花材として積極的にクリエイションやワークショップに活用することで、たくさんの方々のお手元へとお渡しして行くプロジェクトです。
中でも収穫時期を過ぎ、食用として活用できないキャベツをドライ化し使用。観賞する野菜として提案している観野菜 [MIYASAI]は好評を頂いています。
「アジサイを剪定に行くので取りにおいで。」と言ってくださる庭師さん、「今、畑にあるモノは何でも持って行っていいよ。」と言ってくださる農家さん。
最近は、アトリエの近所の方が剪定した庭のレッドロビンを「よかったら使って。」と持って来てくださいます。少しずつ協力の輪が広がっているのを実感しています。
“ハグレ“は私とクリエイター秋田そのもので、まさに自分たちへのエールのようなものですが、物差しを変えると全ての人たちがハグレなのかもしれないとも感じます。
プロダクト開発
流木、家具、縄・・・といったいろんな素材と合わせたりしながら、それらの草花の魅力を引き出せるモノや景色を創り続けて行きます。
・アクタ[AKUTA]
所持できなくなった思い出の品々や、廃棄品の再利用や救済をテーマにしたプロダクトです。
廃棄される古箪笥、海を漂流し、長い年月を経ても自然の姿を残す流木、もとは海洋道具として使用されていたロープや紐などを活用し、新たな価値の創造と再生のメッセージを込めて制作しています。
・いちりん[ICHIRIN]
作品制作時にこぼれ落ちてしまったものを中心に、様々な花弁を寄せ集め、紡ぐようにして一輪の花に組み上げた一点物の新たなハンドメイドフラワーです。“多種多様な花たちが集まって、つながり、咲かせる、一輪の花”をテーマに制作しています。
・蒼枯鉢[SOKO-BACHI]
ドライ花材で創る“新たな観賞用植栽”。植栽の種類が限られる地下スペースや日照状況が悪い室内空間の新しい植栽アイテム、演出スタイルとして活用いただいています。また、枯れてしまった植栽や不要になったプラ鉢を活用することでアップサイクル·プロダクツとして新たな価値をご提案しています。
今後の展望
同業、異業種の方々との様々なコラボレーション企画が進行中です。枠にとらわれず草花の可能性と価値を伝える試みを続けまがら、それぞれの“カタチ”を笑い合ったり、讃え合う多様性の素晴らしさをメッセージして行きたいと思います。そしていつか日本のドライフラワーと呼べる“価値”を世界に発信して行きたいと考えています。
【会社概要】
■社名:株式会社ソウアン
■本社所在地:東京都新宿区新宿4-3-15レイフラット新宿B棟3F
■代表取締役:石川浩章
■事業内容:コミュニケーションプロデュース事業 ・総合セールスプロモーションの企画、制作 ・イベントコンテンツ開発 ・イベントスペース運営、プロデュース 空間プロデュース事業 ・各種イベント美術、展示会ブース等のデザイン・設計・施工 ・ドライフラワーを用いた空間装飾、プロダクト開発・販売
■設立: 2015年9月
■謳花HP:https://ouka-soan.com/
インスタグラム:https://www.instagram.com/ouka_official/
■問合せ先:ishikawa@soan-inc.jp
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