女性の活躍を応援したい!元外資系証券アナリストがシューズブランドを立ち上げたその原動力と誕生秘話とは
コンフォート・ラグジュアリー・シューズブランド「Heading South(ヘディング・サウス)」は、2020年4月、新型コロナウイルスの感染拡大と同時期に誕生しました。とても厳しい船出となりましたが、お客様やお取引先様、仲間に支えられ、このアフターコロナのタイミングで、より一層のサービス向上とブランドのさらなる飛躍を目指し、2023年5月2日、銀座へ店舗を移転いたしました。
「The Soft Pump(ザ・ソフト・パンプ)」は、その名の通り、柔らかく素足でも履くことができる上質なパンプスです。「出社や外出の機会が増えてきちんとした靴が履きたい」「外反母趾などの足の悩みが原因でパンプスが楽しめない」というお客様にもお喜びいただいております。パンプスとスニーカーの間のような履き心地で、大人の女性におすすめしたいラグジュアリー・コンフォートシューズです。
本ストーリーでは、代表の廣田千晶が紆余曲折を経て創業したHeading Southにかける想いや、「The Soft Pump(ザ・ソフト・パンプ)」開発秘話、「女性の活躍を応援する」活動の原動力についてお伝えします。
Heading South 代表プロフィール
廣田 千晶(ひろた ちあき)
株式会社Omote 代表取締役(Heading South 代表)
ドイツ証券、JPモルガン証券、シティグループ証券を通じて小売り(専門店)セクターのアナリストを務め、2012年日本経済新聞社による人気アナリストランキング小売り(専門店)部門で第3位。チームでは、12年連続トップ評価を獲得。
2013年、企業価値拡⼤に特化したコンサルティング業務を⾏う株式会社Hidden Gemsを設⽴し、共同代表パートナーに就任。⻑年従事した⼩売業・外⾷業界の知⾒を活かし、当該業界上場企業の中期経営計画⽴案、IRサポート、M&Aアドバイザリーなどに従事。
2020年、ありたい自分に向かってチャレンジするひとに寄り添い、応援することを活動の軸にHeading Southを立ち上げる。商品やサービス、メディアを通じて、自分らしく力を発揮したい女性を応援することを通じ、女性活躍の推進を目指す。
株式会社Hidden Gems 代表パートナー
株式会社セブン&アイ・フードシステムズ取締役(社外)
日本セルフエスティーム普及協会 認定トレーナー
Heading Southとは
Heading Southは、ありたい自分に向かってチャレンジするひとに寄り添い、応援することを軸に活動するブランドです。商品やサービス、メディアを通じて、自分らしく力を発揮したい女性を応援することで、女性活躍を後押ししたいと考えています。
D2Cモデルを採用し、「女性は、美しく、心地よく、気分を高揚させるものを身につけてこそ、自分らしく力を発揮できる」との信念のもとに、機能面と精神面の双方から、お客様に高揚感を感じていただける商品・体験を適正な価格で提供することを目指しています。また、ビジネスウェアとカジュアルウェアの境目がなくなりつつある中で、オンでもオフでも汎用性高く活用できる商品を展開しています。
世の中に物が溢れる現代において、「かわいい」や「キレイ」といった単なる見た目だけでなく、これを履いたら頑張れるとか、力を発揮できると信じられるなどといった「想い」が伝播する商品を展開したいと考えています。靴の開発に携わるのは、実は、今回が二度目のチャレンジになります。
5月2日に移転した銀座ストア
快適で高揚感のあるものを身につけてこそ、自分らしく力を発揮できる
靴の開発は、代表を務める私自身の経験が発端となっています。私は、外資系証券会社で株式アナリストとして長く活動をしており、人前に出る仕事柄、常にパンプスを履く環境にいました。
若い頃は高いヒールでも平気でしたが、靴ずれはもちろんのこと、年齢を重ねるにつれて、腰痛、疲労、歩行スピードの低下など、ビジネスパフォーマンスを保つうえで、常に何かしらの不満を抱えていました。また、日々を忙しく過ごす中で、朝の洋服選びにも時間をかけたくないため、どんな服装にでも合わせられるものを求めていました。効率性を重視しながらも、快適で高揚感のあるものを身につけてこそ、自分らしく力を発揮できるとの思いがあり、高揚感がありながら日常的に履けて、常にベストパフォームできる快適な定番靴が欲しいと思ったことが開発のきっかけです。
また、小売業の株式アナリストとして靴業界を分析する立場にもあり、靴はサイズ展開の多さと接客時間の長さから収益性の確保が難しいビジネスであることを理解する一方で、パンプスは、履けなくて悩む人が多く課題解決されていないことを認識していました。ビジネスシーンでは、まだまだ履く機会も多いパンプス。それゆえに、何とか課題解決できないかという思いが強くなり、開発をチャレンジしようと決意しました。
一度は断念した靴の開発
今の商品は、2019年からイタリアで開発を始めましたが、一度目は、2014年に浅草で開発をスタートしました。2年間、何度もサンプルを作り続けましたが、快適さと美しさを兼ね備えるという思いを形にすることができず、このまま続けていても実現は難しいと、一度断念した経緯があります。
開発を続けたものの市場に出せずに終わってしまったことで、しばらくの間は、靴を見るだけで気持ちが悪くなるほど、靴と向き合えなくなりました。ただ、開発から完全に離れて半年ほど経った頃でしょうか。開発時にあれこれと思い悩んでいたことが、一度離れたことで整理され、分断していたアイディアが繋がり、ひとつの仮説ができました。
再チャレンジするなら、イタリアへ
浅草で開発をしていた頃は、靴業界に入りたてで、さまざまな専門家に勉強させていただく機会をいただきました。その際に、「イタリアで作った木型を用いて日本で靴を作っても全然違うものができる。イタリアのものづくりは違う」という話を聞いていました。実際、私自身もイタリアをはじめ、欧州のブランドの靴の美しさが好きでした。「この美しさを保ちながら快適なものが作れたら」という思いがあり、「二度とやらないとは思うけど、万が一、次にチャレンジする機会があるなら、イタリアへ行こう」と心に決めていました。
一度目の挫折から1年半後、思いを新たに再チャレンジを決意しました。全くツテのないところからイタリアで工場探しを始めましたが、さまざまな方とのご縁のお陰で、良い工場に巡り合うことができ、強い想いがあればご縁を引き寄せられることを実感しました。2019年、改めてイタリアで開発をスタートし、無事、思い通りの商品が完成し、2020年4月にHeading Southを立ち上げました。
カラースウェードで世界最高峰、イタリア・ステファニア社のキッド・スウェードを使用
2020年4月、Heading Southを立ち上げた途端、緊急事態宣言に
しかし、奇しくも、立ち上げのタイミングがコロナと完全にバッティング。予定していたPRイベントやマーケティング活動が全てキャンセルとなり、4月11日にオープン予定だった店舗も、4月8日の緊急事態宣言の発出により、開店を延期することに。「The Soft Pump(ザ・ソフト・パンプ)イタリアでつくる、素足でも痛くないパンプス」は、人と人が会するときにご利用いただきたいと考えて作った、ソーシャルな靴。それゆえ、コロナ禍が厳しい向かい風となることは容易に想像がつきました。多くの人々とのご縁で立ち上げることができたこのブランドを、コロナが終わるまで何とか存続させることを念頭にこれまで運営をしてまいりました。
日本橋ストアからHeading Southは始まりました
困難を経て生まれたファーストプロダクトは、理想を叶えるパンプス
ファーストプロダクトである「The Soft Pump(ザ・ソフト・パンプ)」は、メイド・イン・イタリーながら日本人女性が持つ足の傾向に合わせて、快適な履き心地を木型から開発した、パンプスとスニーカーの間、大人の上質な上履きのような、シンプルで使いやすいラグジュアリー・コンフォートシューズです。パンツでもスカートでも、ビジネスシーンでもカジュアルスタイルでも汎用性が高く、快適にお使いいただけます。
パンプスとスニーカーの間の履き心地を目指しました
靴の製造において世界最高峰の品質を誇るイタリアにおいて、世界的なラグジュアリーブランドと同じ工場で開発・生産しています。間接コストをカットし、直接販売、かつセールをしない前提として原価率を引き上げることで、最高品質ながら手の届く価格帯を実現しています。価格は決して安くはありませんが、欧州のラグジュアリーブランドの靴が10万円前後まで上昇している現状を考えると、コストパフォーマンスは感じていただけるのではないかと考えています。
世界的なラグジュアリーブランドと同じ工場で製造しつつも中間帯の価格に抑えています
日本人女性の足にフィットし、足を美しく見せるデザイン
前述の通り、靴はサイズとカラー、デザインでアイテム数が増えると同時に、デザイン(木型)が異なれば、その分、試着が必要となる分接客時間を要するため、収益性が確保しにくい商材です。収益性を確保しながら課題解決を図るために、日本人女性で最もよく見られる傾向かつ、パンプスが履きづらい女性に多い開張足(注:5本の指のつけ根を横に結ぶアーチの形が崩れて、足の厚みが薄くなる状態)に特化した形で木型を開発し、一型に集約することにし、そのかわり、足なりに馴染みやすい素材や部材を用いることで、幅広いお客様にご利用いただける商品を目指しました。高さは、足が美しく見え、パフォーマンスを保つことができるギリギリの高さである4.5cmで設計しています。
とにかく快適な履き心地を体感して欲しいとの思いから、初回購入の際には、サイズを計測のうえ、ご試着をいただいております。お客様は、ご自身が思っているよりも大きいサイズの靴を履かれていることがとても多いため、足のサイズや特徴を理解した上で、お客様に合うサイズをコンサルテーションさせていただいております。
当ブランドは、東京メトロ銀座駅 徒歩0分の立地に店舗がございます。こちらは、サイズを計測し、サイズとカラーをお試しいただくための場として設けております。靴は在庫が多くなりがちでバックヤードのスペースを広く必要としますが、バックヤードを無くすことで、狭小の好立地への出店を可能としました。ご購入後は、商品を配送センターからご自宅までお届けします(注:在庫のある商品は、14時までなら当日発送でご配送します。一部のサイズとカラーは、イタリアへカスタムオーダーを行い、1.5ヶ月ほどで配送にてお届けいたします(送料はいずれも無料))。
一度ご自身のサイズが分かれば、次回以降は、オンラインでお買い求めいただけます。お仕事で活躍されている方は、時間効率を優先されるので、気に入ったものがあると色違いでお買い求めいただくことが多くございます。お客様にも利便性が高いですし、私どもとしても、一度しっかりサイズを見させていただいた後は、課題となる接客時間の効率化を図ることが可能となります。
Heading Southは、ありたい自分に向かってチャレンジするひとに寄り添い、応援することを活動の軸に掲げており、商品だけでなく、自社メディアやサービスを通じて、女性活躍を応援したいと考えています。この活動は、私自身の出自とその後のキャリアパスが原動力となっています。
パンツでもスカートでも、オンでもオフでも汎用性高く、快適にお使いいただけます
父からの言葉が原動力、「女性を支える」事業への想い
私は、祖父の時代から事業を営む家庭で生まれました。兄弟は3歳上の兄と私の2人兄弟ですが、田舎だったこともあり、後継は男と決まっていました。私が産まれたとき、父は私が女だったことで、母に捨ててこいと言ったそうです。
これだけ聞くと、酷い父だと思われるかもしれませんが、決してそんなことはありません。父からは、幼い頃から「これからの時代は、女性だからといって家に入るのではなく、自活できるようになりなさい」と常々言われました。私は、父に「女性だってできる」ということを証明したかったんだと思います。今となっては、私が自活できるようになったのも父の言葉があったからであり、父にはとても感謝しているのと同時に、女性の活躍を応援することで、何かしらの形で社会に還したいとの思いの原動力になっています。
加えて、新卒から長く外資系企業に勤務していたことも、女性活躍を応援したいという思いに繋がっています。私は新卒から約12年間、複数の外資系証券会社で、小売りや外食業界の上場企業の財務内容や収益力・成長力などを調査分析し、投資価値の評価をする株式アナリストという仕事をしてきました。同じ業種を一貫して長く調査分析させていただいたことから、その専門性を活かし、独立後も、同業種の経営コンサルティングに携わるようになりました。
優秀な女性が多いにもかかわらず、十分に力を発揮できていない
経営コンサルタントや社外取締役として企業に関わらせていただき、日本企業をより内部から見る機会が増える中で、優秀な女性が多いにもかかわらず、十分に力を発揮できていないことを感じることが多くありました。それは同時に、私が外資系企業にいたことで、性差なく働けていたことに気付かされる良いきっかけにもなりました。
優秀であるにもかかわらず、重用されていない女性に出会う度に、「もっと活躍できると思いますよ?」と声を掛けると、決まって返ってくるのが、「私なんて無理です」という答えか、「そんなに頑張って働きたくない」のいずれかでした。外資系という性差のないフィールドにいたからこそ、女性が持つ力を発揮できていない現状をどうにかしたいとの思いが強くなり、自信がなくて踏み出せない人の背中を押してあげたいと強く思うようになりました。
「自分にある力を信じて欲しい」という思いを体現
女性には、自分の能力や実績を過小評価してしまうインポスター症候群の傾向が強く見られがちです。「自分なんて」という女性が多いですが、そんなことは決してありません。実は、私自身も「自分なんて」という思いに長年悩まされ、特にコロナ禍では、あまりの逆風に自分を信じることができなくなり、もう無理かもしれないと限界を感じることもありました。それでも諦めずに頑張ってこれたのは、自分を信じることの大切さや、自分にある力を信じて欲しいという思いを体現して伝えたかったからです。
Heading Southのサイトでは、自分らしさを大切に、強く美しくしなやかにチャレンジする人々の気持ちを後押しし、そんな素敵なひとが増えることを願い、「HSインタビュー」というコンテンツを展開しています。インタビューのゲストには、多様なフィールドで活躍されている女性にご登場いただき、お人柄に触れながら、半生やパッションの源泉などにクローズアップしています。
■HSインタビューページ
https://theheadingsouth.com/pages/hs-interview-top
■村木厚子さん(元厚生労働事務次官)のインタビュー
https://theheadingsouth.com/blogs/journal/hs-interview-vol18-1
■関美和さん(MPower Partners ゼネラル・パートナー / 翻訳家)のインタビュー
https://theheadingsouth.com/blogs/journal/hs-interview-vol3-1
今後の展望
多様性の時代となり、より自由に生きられるようになった一方で、個々が自分自身で選択をしなければならない機会が増えました。確固たるロールモデルがいる時代とは異なるからこそ、自分と向き合い、何がしたいのかを模索しなければなりません。
また、活躍されている女性に限らず、人それぞれにストーリーがあります。そして、どんなに周囲から恵まれているように見えたとしても、それぞれに苦悩を抱えています。 人生をより良く生きるには、人から見た成功、失敗ではなく、自分が幸せだと思えることが最も大切だと思います。自分を信じることが、力を発揮し、ありたい自分に近づき、人生をより良く生きるために最も必要なことだと信じています。
コロナ禍で、非正規雇用の雇い止めによる生活困窮や、パートナーによるDVの悪化を苦とした女性の自殺者が増えました。私の想像を遥かに超えて、自活できていないことにより自分の人生を生きられていない女性が多いということを、コロナを通じて痛感させられました。自活することで、自分の意思で自らの人生を選択できる女性が増えて欲しいと願います。
コロナを経て、時代はこれまで以上に、自分がどうありたいかを見極め、ありたい自分に向かってチャレンジができる機運が高まったと信じています。Heading Southは、商品やサービス、メディアを通じて、ありたい自分に向かってチャレンジする人を応援し、女性活躍を後押ししてまいります。
そして、私たちの想いを形にするために、さらに一歩踏み込んで新たなチャレンジをしてまいりたいと考えております。そして、5月2日、日本でもようやくアフターコロナのフェーズに入ろうとするタイミングで、従来の日本橋から銀座へ店舗移転を行いました。これまで以上に品揃えやサービスの質の向上を図り、お客様にとって快適で高揚感のあるショッピング体験を提供することを目指してまいります。
【会社概要】
社名:株式会社Omote
代表取締役:廣田千晶
事業内容: 小売業
<オンラインストア> https://theheadingsouth.com/
<Instagram> https://www.instagram.com/headingsouth_official/
<LINE> https://lin.ee/2La1Dj2
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