温泉に潜む小さな救世主。温泉藻類RG92が養殖業の未来を変える!
温泉地として名高い大分県別府にて温泉の研究を行う株式会社SARABiO温泉微生物研究所(以下サラビオ)。別府の温泉の中から発見した新種の藻の仲間、温泉藻類RG92には、研究の結果、抗炎症作用、抗糖化作用、抗酸化作用などさまざまな効果があることが判明しました。
その効果に着目し、天然由来のオーガニック原料として化粧品の開発に活用していたサラビオですが、現在養殖業という全く違う分野へ挑戦し、驚くべき成果が現れています。
化粧品メーカーのサラビオから如何にしてフォアグラヒラメが生まれたか、その誕生にまつわるエピソードをお伝えいたします。
きっかけは新型コロナウイルス
世界的に猛威を振るい、今なおその影響が続く新型コロナウイルス。
サラビオは温泉藻類RG92の持つ力が新型コロナウイルスの抑制に利用できないか実験を開始しました。
そして2021年、一つの研究結果が発表されます。
それは「細胞試験を行った結果、サラビオの発見したRG92から得られたエキスにウイルス侵入誘導因子を53.4%抑制し炎症反応を抑える効果がある」というもの。
RG92エキスを投与した細胞はミトコンドリアが活性化し免疫力が向上することに着目した研究で、その内容は大手新聞にも掲載され話題となりました。
そして一人の男性がサラビオ温泉微生物研究所の扉をたたきます。
大分県内有数の養殖業が盛んな佐伯市で、ヒラメの陸上養殖を始めた友永工業・木野氏。
彼には大きな悩みがありました。
ヒラメは一般的に免疫力が低く、ワクチンや投薬が必須なほど病気に弱い魚。
育てる過程で約40%近いヒラメが死んでしまうという高い”へい死率"、さらには追い打ちをかけるように燃料や餌代といったコストの高騰化。
木野氏の養殖場も例外ではなく「これでは生計が成り立たない」と友人に相談していました。
そんな中、偶然にもその友人の一人が、サラビオの会長濱田の親族だったのです。
サラビオのRG92が持つ「抗炎症作用」「免疫力の向上」の話を聞いた木野氏は、「もしかしたらヒラメにも効果があるのでは」と考え、サラビオ会長濱田に「RG92エキスを試させてほしい」と直談判するために研究所を訪れたのです。
RG92は天然の藻の仲間。過去の試験で無毒性は証明されており、細胞レベルでの試験では効果が証明されていましたが、生きている魚への投与は前例がなく効果も保証できません。
「万が一、投与群が全滅することになったら…」
サラビオ会長濱田に一抹の不安がよぎりますが、
木野氏の熱意に応えるように濱田の出した結論は「できる限り力になりたい」
こうして養殖ヒラメへのRG92エキス給餌試験が開始されました。
4か月連続「0」
給餌試験は、2つの養殖池を同じ環境にそろえ、それぞれ餌にRG92エキスを加えた「RG92エキス区」と通常の餌のみの「通常飼育区」とに分けて行われました。
友永工業が育て、サラビオが検証する―。
タッグを組んだことで次々とひらめの成長データが報告されてきます。これまで、化粧品を使用されたお客様から感想をいただくことはもちろんありましたが、生きている魚に対するRG92の効果が日々リアルタイムに近い形で届くということに、化粧品とはまた違った新鮮さを感じました。
そして試験開始から1ヶ月、2ヶ月と経つにつれ、驚くべき効果が数字となって現れてきます。
通常区のヒラメが1匹、2匹とへい死していく中、RG92エキス区には全くその気配がありません。
偶然かもしれない―。最初はそう思われました。
そして、4か月後。
その頃、通常飼育区のヒラメのへい死は数十匹に達していました。
ところがRG92区はなんと4か月もの間、連続して「へい死0匹」。
病気に弱い魚のはずですが、ワクチンも投薬もしていません。
ヒラメの健康のバロメーター、カラダのネバネバ成分「ムチン」も多く分泌され、
これは偶然ではない、と確信に変わります。
変化はへい死以外にも現れました。
2つの養殖池を観察するとRG92区のヒラメの方が明らかに膨らみが大きいのです。
餌にRG92エキスを混ぜること以外は種類も量も同じ。
最終的な測定の結果、RG92区のヒラメは通常飼育区と比べて体重が平均1.4倍も大きいという結果に。
つまり、同じ大きさに育てるなら餌が少なくて済むということを意味します。
後日検証で、RG92の持つ抗炎症作用やミトコンドリアの活性化という力が腸内環境を改善し、餌の吸収率が向上したことによって通常よりも大きく育つのではないかとの結論に至りました。
自然を相手にする養殖業では予想外のことも多く起こります。
夏の高温、台風による停電、赤潮等の酸欠に見舞われ、残念ながらへい死0の記録はそこで途切れてしまいます。
しかし、RG92エキス区のヒラメは、自然災害で弱り切った後のリカバリーにおいても、驚異的な回復力を見せたのでした。
へい死が少なく、健康に育つ。そして低コスト化。
このRG92エキス給餌試験で、木野氏が抱えていた多くの問題が見事に解消されたのです。
さらに驚くべき現象は続きます。お披露目会にてその身を目にした豊洲のベテラン仲買人から
「養殖でこんな身の色は見たことがない。まるで旬の天然物のようだ」
と驚きの声が上がりました。
RG92エキスを与えて育てたヒラメの身は、熟成したかのように薄いあめ色だったのです。その理由はうまみ成分の一つであるイノシン酸の増加。RG92エキスを与えることでミトコンドリアが活性化し、イノシン酸の元になるATPが多く生成され、それが豊富なイノシン酸へと変化したのでした。
また、通常ではヒラメの肝は新鮮さを維持することが難しく、臭みがあるため流通することはほとんどありませんが、RG92で育てたヒラメは臭みがなく「フォアグラを想起させるクリーミーな味わい」と高級ホテルのシェフを務めた一流の料理人が絶賛するほど。
「フォアグラヒラメ」の名が生まれた瞬間でした。
安心して子供に食べさせられる
ある日、友永工業・木野氏は嬉しそうにこう話しました。
「うちには小さな子供がいますが、やっと安心して食べさせられる魚ができた」
今までのヒラメ養殖ではワクチンや投薬が欠かせませんでした。
しかしRG92エキスを与えたヒラメにはワクチンも投薬も必要ありません。
小さな子供からお年寄り、健康が気になる方にも安心して食べていただけます。
その後、数回の給餌試験を終え、しっかりとした手ごたえを感じた友永工業は
養殖池の面積を数倍に拡大、年内に8万匹の生産を目指しています。
一時は「このままでは廃業するしかない」と覚悟を決め、サラビオを訪れた木野氏。
今、その表情には希望の光が満ち溢れています。
生産者の力になりたい
温泉成分で育てたフォアグラヒラメの流通開始が話題になり、サラビオのRG92エキスへの取り組みは、多くの新聞・メディアに取り上げられ、国内外より多くのお問い合わせをいただけるようになりました。
国会の質疑でも話題に上りました。
先日も九州一円で放送されるテレビ番組「世界一の九州が始まる」(6月4日(日)10時15分~30分)にて特集されました。
現在、ヒラメ以外にもウナギやトラフグ他様々な魚種でも試験が開始されています。
また、その活用は水産業にとどまらず、鶏の育成、仔牛の下痢改善の成功など、畜産の分野においても期待が持たれています。
光熱費、燃料、餌代などのコストの高騰化に苦しむ生産者様も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
私たちサラビオは、このRG92を通じ、水産業のみならず幅広い分野において、日本中、世界中の生産者の皆様が苦しみから解放され、明るく元気になる、そんな世の中を目指しています。
「温泉の力で世界を健康にする」
別府から世界へ、サラビオのさらなる挑戦は続きます。
■株式会社SARABiO温泉微生物研究所 概要
会社名:株式会社SARABiO温泉微生物研究所
代表取締役:濱田 拓也
設立年:2006年7月20日
従業員数:60名
資本金:3億300万円(資本準備金含む)
本社所在地:大分県別府市大字鶴見1356-6
事業内容:温泉微生物のスクリーニング、単離培養・商業用高速培養、新規原料開発、研究受託事業、化粧品・医薬部外品の製造販売業、水産・畜産飼料原料の開発製造
ホームページ:https://sarabio.jp
メール:release@sarabio.jp
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