「環境変化をチャンスに変える」。インバウンド事業からピボットし「何もしない贅沢」を楽しむ高級グランピング施設をオープンした裏側
大阪市に本社を構え、デザイン事業をはじめ、マーケティング、飲食事業を営む株式会社ENJOY TRUST。インバウンド事業を手掛けていた当社は、コロナ禍で大きく事業転換し、アウトドア事業に乗り出しました。
このたびコロナ禍でも急成長した「グランピング」市場に狙いを定め、兵庫県加東市に、静寂を味わうラグジュアリーなアウトドアをテーマとした「GLAMP CABIN〜東条湖・丹波篠山〜」をオープンしました。インバウンド事業を手掛けていた私たちが、グランピング事業に乗り出した理由、そして新施設に詰め込んだこだわりをご紹介します。
コロナ禍でインバウンド事業から大きく転換。ピンチをチャンスに変え、グランピング事業へ
株式会社ENJOY TRUSTは、コロナ前までは、インバウンド事業を行なっており、訪日外国人のホテルや飲食店への送客業務を行っておりました。
コロナになり真っ先に大きなダメージを受けた当社でしたが、社員一丸となり「ピンチをチャンスに変えよう!」をテーマに新たに、スイーツ事業と、官民連携のアウトドア事業にチャレンジしました。
結果、スイーツ事業はSNSを中心に話題となり、たった1年で関西6店舗まで展開する人気店に。アウトドア事業については、ほとんど活用されていなかった大阪府の公園に年間約2万人近くを動員する人気のレジャー施設へと成長しました。
私たちは変化したマーケットの中でより早くアクションし、結果に結びつけました。そんな中、旅行業界で唯一バブルが起こった市場が「グランピング」でした。当社も今後のインバウンド情勢も見据え、グランピング市場は一過性ではなく一つの旅行の形として定着すると判断し、事業への参画を決意しました。
スイーツ事業「果実ノ華」
官民連携のバーべキュー施設「NGRILL」
グランピング施設の設立バブルが発生。玉石混交で乱立する状況に
まずはグランピング市場のマーケットリサーチから行いました。計画初期(2021年)、グランピング施設は全国でまだ200施設程度でした。1施設あたりの客室数も平均10室前後。それを単純計算するとグランピングは全国に2000室しか無く、供給過多になる可能性は低いと考えました。唯一の懸念として、参入障壁が低い業態でもある為、競合施設が近隣で増えることはリスクだと考えていました。
そんな時に、経済産業省からコロナでダメージを受けた企業へ向けて、思い切った事業転換を目的とした「事業再構築助成金」制度が始まりました。グランピングは比較的低コストで事業を開始でき、投資回収も短期でできるという事が話題となり、グランピング施設の設立バブルのような状況になりました。ドーム型のテントを置き、BBQができることを謳った施設が乱立しましたが、それらはコンセプトが弱いように見受けられました。
1年かけて人気グランピング施設を視察。コンセプトを練った
他施設との差別化を図るべく、計画後1年間で高級施設から安価なテント型まで全国10箇所ほどの人気グランピング施設を視察しました。そして、それぞれの施設について沢山の良い部分や、逆に改善して欲しい部分を細かくリサーチしました。その上で導き出された一つの結論は「自分のペースで自分の好きなことを誰にも邪魔されないでできること」が最も贅沢だ、ということです。
無理矢理アクティビティーのプログラムや時間を決められたり、長時間BBQでお肉を焼かされたり、お食事やお風呂のために雨の中移動させられたり……。視察の際、外部の環境によって贅沢な非日常空間から現実に引き戻される瞬間が多々ありました。
「何もしない贅沢、誰にも否定されない、自然だけが心を満たしてくれる」そんな贅沢なプライベート空間を作りたい。その想いを実現したのが「GLAMP CABIN(グランキャビン)」です。
全天候、どの季節でも満足できる、ベストな施設を追求し続けた
大阪や神戸など都心から車で旅行に行く場合、人気のエリアは淡路島や和歌山、温泉なら城崎や有馬が有名です。ただ現代社会は交通インフラが充実していることもあり、長距離運転が苦手な人も少なくはありません。その場合に和歌山や城崎は車旅行の対象外になります。私たちが独自でリサーチをした結果、運転が苦手な人でも「60分前後までであれば運転してもよい」と答えた人の割合が非常に多く、その結果を踏まえて都心から60分圏内での立地で尚且つ、海ではなく山や森をテーマにした場所を探し、その条件に合致した場所が加東市や丹波篠山市周辺エリアでした。
海では無く、山や森を選択した理由としては、グランピング業界全体に言えることですが「冬の集客」は1つの大きな課題です。特に海辺のヴィラやグランピング施設はより夏のイメージが強く、秋から春先に関しての稼働率は苦労している施設が多くありました。それに対して山や森は、春には桜、秋には紅葉が楽しめ、四季折々の景色と森の味覚を楽しめます。また森の天然水を使った客室露天風呂は冬でもイメージとして違和感なくターゲットに訴求することが可能だと考えました。
工事期間は約1年でしたが、工事期間中にも小さなマーケットの変化はあります。その度、最後の最後まで、ベストな施設となるように微調整を繰り返しました。
着工初期の計画ではサンルームではなく、テラス席を設けて外と中の連動性を重視し開放感とアウトドア感を演出できるように考えておりました。ですが同様の施設が工事期間中にも次々と開業されており、このままでは他施設との差別化が弱いと判断し開放感やアウトドア感を残しつつ、もっと快適でラクジュアリーな空間を提供できないか熟考しました。その結果が全天候どのシーズンでも快適にアウトドアが楽しめるプライベートサンルームを設置することになりました。サンルームは空調設備も完備されており通年、快適にお過ごしいただけます。
「何もしない贅沢、誰にも否定されない、自然だけが心を満たしてくれる」当施設の非日常空間は、自然と共存できる大人の余暇をイメージしております。
部屋にはあえてタブレットやテレビなどは置かず、自然の景色や木漏れ日、鳥の囀り、虫の音や、魚が跳ねる音など自然に吸い込まれるような体験をしていただけます。
お食事は、ほとんどのグランピング施設がBBQなどのセルフ形式を採用する中、当施設では各担当スタッフがお部屋のプライベートサンルームにてコース形式で提供する、他施設には無い特別な体験していただけます。まるで「ヴィラに専属の出張シェフ」を呼んだときのような贅沢なひと時です。さらにはサンルームの目の前は桜の木があり春は夜桜のライトアップを楽しめます。桜シーズン以外もライトアップは毎日実施しており森の景色を眺めながらのお食事と露店風呂はここでしか味わえない特別なものになるでしょう。
特にこだわったのが、全天候でアウトドア気分を堪能できるサンルームと客室露天風呂です。いずれもグランピングではなく、「ヴィラホテル」のグレードとして申し分ない高評価をいただくほどに仕上げました。春は夜桜、夏は緑葉、秋は紅葉のライトアップした景色をサンルームで眺めながら、コース料理を堪能いただけるように設計しました。
屋外には焚火デッキを設置。コーヒーを飲んだりマシュマロを焼いたりと、様々な過ごし方をしていただけます。
またお部屋の家具やアメニティも全て最高級のブランドやデザインを追求し、とても贅沢な空間に仕上げました。
「お客様の時間と空間にお邪魔している」意識で、最高のホスピタリティを提供
こうして2023年3月31日、「GLAMP CABIN〜東条湖・丹波篠山〜」は東条湖の湖畔に咲く満開の桜とともにオープンを迎えました。1日5組限定、一棟貸しスタイルのヴィラ施設で、部屋の雰囲気が異なる3タイプのキャビンで構成されています。グランピングよりもさらに快適な「グランキャビン」という新たな「アウトドア風ヴィラ」スタイルを提供します。
非日常の中で贅沢なひと時を過ごすことができ、いつも通りのことも、少し特別なことも尊重してくれる。そんな、自分自身に優しい、ていねいな暮らしを体験できます。
東条湖、丹波篠山は観光資源が豊富ですが、宿泊施設が多い地域ではありません。そのため、当施設に泊まることを目的として足を運んでいただくことを想定しています。
お客様に最大限のホスピタリティーを提供することが私たちの使命です。非日常のドアを開けていただいた後は、お客様をスマートにエスコートします。私たちは施設のコンセプトとして「お客様のプライベート空間」を最も大切にしています。
そのため、スタッフは常に「お客様の貴重なお時間と空間におじゃまさせていただいている」という意識を心得ています。手厚いサービスや笑顔は当たり前、さらにレベルの高いサービスとして「お客様の時間を使わずに、スマートにご満足いただけるサービスを提供できるか」が求められています。
お客様の非日常の時間を私たちスタッフが「1秒」も無駄にさせてはいけない。これからも、そんなプロ意識を持って日々のサービスに取り組んでいきます。
■施設概要
施設名:GLAMP CABIN〜東条湖・丹波篠山〜
所在地:兵庫県加東市下鴨川字西山602-82
公式HP:https://glamping-tojoko.com/
公式Instagram:https://www.instagram.com/glampcabin_tojyoko/
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