「マレーシアに来てくれて良かったと言われる会社にしたい」スマートドライブのマレーシア担当者が語る、マレーシアのいまと可能性
主要国のGDP(国内総生産)成長率が毎年5%前後を維持し、政府が後押しするデジタル化や若い世代の人口増加によって活気づいている東南アジア。未知なる可能性を秘めた地域で、スマートドライブの新たな挑戦が始まろうとしています。
昨年11月、マレーシア拠点の立ち上げを任され、現地で海外事業開発ディレクターを務めているスマートドライブの丸井達郎。事業の立ち上げ、現地でのローカルスタッフ採用を行い、そしていよいよプロジェクトが本格始動――。「マレーシアに来てくれてよかったと言われる会社にしたい」と語る丸井から、マレーシアに拠点を置いた理由から現地のコロナ事情、スマートドライブが同地で目指す姿を聞いてきました。
東南アジアの中でマレーシアを選んだ理由
―どのような経緯でマレーシアへ赴任することになったのでしょう?
もともと、スマートドライブはグローバル展開を念頭に置きながら事業を推進してきました。代表の北川と取締役の元垣内が沢山の国々を巡りながら事業の実現可能性を模索していたとき「東南アジアは経済成長が著しいものの、交通事故が多いという課題がある。そこをスマートドライブのソリューションで解決できるのでは」と感じたため、同地域に焦点を絞ることにしたのです。
私も他社で働いていたのですが、スマートドライブ で働く知人から海外事業立ち上げの話を聞いたとき、「スマートドライブのソリューションは必ず東南アジアの社会課題の解決や経済発展に役立つはずだ」と強く共感したため、迷わず参画することを決めました。
―タイ、シンガポール、インドネシアと10カ国近くある東南アジアの中で、なぜマレーシアを選んだのか?
理由はいくつかあります。
まず、マレーシアは交通手段が基本的に自家用車で、車の保有率も世界で上位に入るくらい多いこと。なおかつ、一世帯が保有車両台数も多いので需要があると考えました。また、2010年ごろから景気拡大、所得上昇など、経済発展の度合いも高いですし、政府としてはデジタル化政策に力を注いでいます。そしてそれを体現するかのごとく、マレーシアではライドシェアサービスのGrabが誕生し、東南アジア全域を代表する企業として成功をおさめました。国としても、デジタルの活用で今よりもっと効率的に国を成長させていきたいと考えています。
ただ、経済が成長している一方で、交通事故が多発しているという課題がある。そこをスマートドライブのソリューションによって、事故を大幅に減らすことができるし、効率的な移動を実現できる。課題をデジタルの力で解決し、さらには効率化やサービス創出が可能な私たちのサービスに、チャンスがあるのではないか。このような複合的な観点から、マレーシアで事業開発をスタートさせることになったのです。
―なるほど。マレーシアは日本と異なる点も多々あるかと思いますが、文化や生活環境にはどのような違いがありましたか?
数年前に初めて旅行でマレーシアに訪れたのですが、現地について一番驚いたのが、都心のど真ん中で超高層ビルが次々と建設されていること。ランダムに超高層ビルが立ち並ぶって、日本ではなかなか見ることがないもの。この光景を目にして「これが先進国入りしようとしている国の勢いなのか…」と、非常に感銘を受けましたね。
また、マレーシアは想像以上にデジタル化が進んでいます。先ほど述べたGrabをはじめ、スマホアプリ一つで完結する利便性の高いサービスが日本よりも充実しているんです。マレーシアは2050年まで人口が増え続けると言われていますし、若い人が多いので、みんながデジタルを上手に使いこなしています。何よりも、ヒト、街に活気がある。そういう点では日本より進んでいる感じがしましたね。
―そこまで都心化やデジタル化が進んでいる印象はありませんでした。少し意外です。
マレーシアの方たちは、子どもに対しても大人に対しても、とても人にやさしいんです。困ったことがあっても、相談すれば助けてくれる人が多い印象です。
また、実際に現地の方と話していて思ったのは、教育がしっかりしていること。マレー人であればマレー語と英語が、中国系のマレーシア人であれば中国語と英語とマレー語を喋ります。つまり、みなさん、誰でも二カ国語を話すことができるのです。それに、どこへ行っても英語であれば通じますので、意思疎通で困ったことはほとんどありませんね。マレーシアは、日本などの近代化した国を手本としたルック・イースト政策(Look East Policy)で、教育をはじめとしたさまざまなシステムを積極的に取り入れているので、日本人への理解も深く、コミュニケーションがとりやすいのかもしれません。
現在、スマートドライブマレーシアに在籍するスタッフもそうですが、優秀な人材も多く、急成長している国なのでスピード感もありますから、そういう意味では、私たちのようなスタートアップが挑戦するには非常に良い国と言えるのではないでしょうか。
スマートドライブが持つ強みを活かしながら、現地に合わせて進化する
―昨年11月にマレーシア拠点を立ち上げました。現地での事業の特徴や取り組んでいるプロジェクトについて教えてください。
事業を本格的に開始したのが2020年6月、まだ最近のことです。やっとスタート地点に立ったところではありますが、当初から大事にしているポイントが一つあります。マレーシアに住む方たちに、「スマートドライブがマレーシアに来てくれてよかった」と思われるような会社にすることです。
事業開発のタイミングから現地の優秀な人材の採用を始めていましたが、話をする中で現地のニーズが日本とは異なると気づきました。そのため、現在のソリューションをしっかりローカライズして提供していかねばならないと感じています。最終的にはローカルのスタッフだけで現地の事業が運営できる状態を目指していますが、現職のスタッフを見ていると、それが思ったよりも早く実現できそうだと感じています。
現地の有力な企業とのコラボレーションも積極的に進めていますし、少しでも早く、スマートドライブのソリューションがマレーシアの社会課題やニーズに即したものへと進化するよう、私たちのような駐在員スタッフが橋渡しをしながら活動を支援していきたいですね。
―現地企業がスマートドライブに期待しているのは、どのようなことでしょうか?
スマートドライブが期待されていることイコール私たちの強みでもありますが、データプラットフォームとそれを活用したデータサイエンスの部分です。データサイエンステクノロジーに対しては特にに大きな期待感を感じています。
マレーシアにも車両管理システムを提供している企業は数多くありますが、スマートドライブは通常の車両管理システムの提供に加え、スマートシティやAIなど、今までさまざまなデータを活用したプロジェクトを進めてきました。今まで着実に積み重ねてきた実績と、より効率的な社会を実現するデータサイエンスに対して、マレーシアの政府や現地企業も興味を示しているのです。そういった点で、スマートドライブは一つの大きなアドバンデージを持っていますし、データ活用に向けた協業の話も現在進行形で進んでいます。
コロナ禍におけるマレーシアの現状
―ありがとうございます。少し話が逸れますが、新型コロナによる影響はどうでしょうか。
マレーシアは、3月中旬から完全にロックダウンをしています。その時のマレーシア政府の対応はかなり強制力が強いものでしたから、みんな外出自粛を徹底していましたね。とくに驚いたのが、政府のコロナ対策が非常にスピーディだったこと。ロックダウンを決めたら即時に実行されましたし、病床が足りないとの声が上がれば、迅速に4万病床ほど増やすなど、とにかく対応が早かった。
結果、今ではコロナの感染拡大が落ち着きを見せ、最近では1日の感染者数が一人程度にまで激減しました。「残りの感染者」と言われている治療中の人も100名くらいですし、7月の中旬ごろには収束するだろうと言われています。
政府は慎重に状況を見ながら、段階的に自粛の緩和を行ってきましたし、国民のみなさんも決められたルールに従い、みんなが一丸となってコロナと戦ってきたように感じます。ローカルスタッフも、「当初は、国民全員がここまで一つになって法令を遵守するとは思わなかった。みんな、本当に頑張ったと思う」と言っていました。
―マレーシアでは徐々にコロナが収束に向かい、経済も再開し始めているとのこと。そんな中、スマートドライブでは今後、どのような展開を考えていますか?
まずは今、私たちが持っているソリューションでお客様に最適なご提案をしながら、導入実績を積み上げていきたい。そして、お客様との対話で出てきたご要望やニーズをしっかり汲み取り、プロダクトに反映していくサイクルを作っていこうと考えています。また、日本では着目されていない、東南アジア固有の課題もいくつか見えてきましたので、そこに対して新たなソリューションの開発を現地企業とともに進めていく予定です。この2点を同時並行で行いながら、次のステップへの土台づくりをしようと考えています。
―まだまだ発展性のあるマレーシアは、今後も目が離せませんね。
そうですね。ぜひ、スマートドライブマレーシアの今後の動きに注目してください!
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