「オーガニックを民主化する」。肥沃度の高い完全有機土『THEO(ジオ)』の開発ストーリー
1978年に創業した株式会社クレイは、『花と人をつなぐ』企業として、フラワーベース(花器)を企画・デザインし、プロのフローリストがホテルや商業空間を演出するためのものから、一般の方が使いやすい花瓶まで、幅広く提供してきました。
創業以来、ファブレスで商品開発を続けてきたクレイが、コロナ禍の中はじめて自社工場を立ち上げ、フラワーベースではない『土』の商品を開発しました。完全有機土『THEO(ジオ)』は、プロ農家にとっても難しいといわれる有機野菜の栽培を、一般の方でも簡単に有機栽培がはじめられるように設計された、家庭園芸向けの100%有機の土です。
このストーリーでは、2023年3月21日に、発売された完全有機土『THEO(ジオ)』の誕生の裏側について、代表の小西英夫が振り返ります。
有機でありながら「肥沃度の高い」土を再現。一般の方でも有機栽培が簡単に
『THEO(ジオ)』は土壌の肥沃度を測る「SOFIX(ソフィックス)」診断において、全5ランク中最高位の特Aランクを取得しています。
肥沃度の高い土とは、化学性・物理性・生物性の3つの要素がバランスよく整っている土のことです。化学性や物理性は、化学肥料をつかえば作物にとって最適な環境を作ることができますが、生物性は化学肥料をつかうとスコアが下がってしまいます。有機野菜を作るための有機栽培では、肥沃度が高い土ほど作物がよく育つので、3つバランスを整える事がとても重要です。生物性の高い土は、土の中の微生物が活躍して、有機資材を分解し物質循環をつくりだします。これにより作物の栄養素となる窒素・リン酸・カリウムといった化学物質が分解され作物が吸収しやすい状態に変化させることができます。よって肥沃な土では農作物がもつ本来の力を引き出し、有機栽培でありながら化学肥料を使うのと同様のパフォーマンスを得ることができます。
これまでの有機栽培は経験と勘に頼って、土作りが行われてきました。そのためプロ農家であっても有機野菜を作るのは難しいとされてきましたが、「SOFIX」診断によって、土の中を科学的に見える化することが可能になり、畑の中の足りていない要素を分析し、どういった有機資材をどれだけ足せばいいのかといった指標を示すことで、作物が育ちやすい土壌を再現性が高く作り出すことができるようになりました。このメソッドをベースに、一般の方でも簡単に有機栽培が始められる完全有機な土を提供したいと我々は考えました。
豊かで健康な土の核となる肥料成分の開発から着手
まず最初に取り組んだのは土の栄養素となる有機肥料作りです。地域で出る廃棄物を活用してパフォーマンスの高い有機肥料を作るためには、微生物が豊富で状態のいい堆肥資材と微生物の活動をサポートする有機資材が必要となります。
有機堆肥の確保には、大阪府が提供しているバイオマスマップをもとに地域の牧場や養鶏場などを回り、理想とする牛糞や鶏糞を探して回りました。これらの廃棄物は、当然ですが生産者の方の意識や考え方によって後処理が変わってきます。最低限乾燥させているだけのものもあれば、専用の設備を持ち、時間をかけ発酵させているものなど様々です。それら一つ一つを分析にかけ科学的に検証を繰り返しました。我々が探すのは、微生物が豊富でしっかり発酵された状態のものです。発酵が進むと、発酵時に発生する自熱によって悪い菌が死滅し、匂いもほとんどしない物質に変化しています。より状態のいいものを手にいれたいが、生産者にとっても廃棄するものにどれだけ手間暇をかけていただくのかということなので、折り合いがつくまで何度も足を運び話し合い重ねることも必要でした。
また、有機資材は肥料に必要な化学性を整えるためにも、微生物の餌としても必要となります。これらは地元の食品メーカーなどをまわり、食品を作る際に出る廃棄物を活用しました。こうして厳選した材料を理想的な割合でブレンドすることで、『THEO(ジオ)』の核となる肥料成分ができ上がりました。
研究者のサポートで資材と微生物の相性を確認。一般的に安全とされる資材でも微生物が死んでしまうことが判明
次に土本体の設計にとりかかります。土本体は無機資材が中心となり土の「物理性」が重要な要素になります。物理性とは、排水性・通気性・保水性・保肥性などを指します。『THEO(ジオ)』では作物の育成に最適な環境を作るように設計、実際この工程でも様々な資材を試しました。大きくは、木質資材と、砂や黒土などを使っていますが、前述した有機肥料との相性という点でも試作が必要となりました。理論上は問題ないのですが、最終的なSOFIX診断では予想していたスコアが出ない日が続きました。理由が分からず迷路に陥っていた時にSOFIXの開発者である立命館大学の久保教授によるアドバイスで使っている資材と微生物の相性を確認することを提案して頂きました。それによって一般的に安全と表示されている資材でも微少の農薬成分などが混ざりあっていることで、1週間ほどで微生物を死滅させる資材があることが判明。この問題が解決したことにより一気に商品へ進むことができました。残念ながらこれらの無機資材を厳選するうえで日本各地の資材だけでは作れなくて、世界中から資材を調達することになりました。
簡単だと思っていた土作りですが、1年半以上の苦労と多くの方の協力によって『THEO(ジオ)』は誕生しました。
有機培養土とは似て非なる土であることをどう伝えるのか?
製品開発と同時期に進められたのがブランディングでした。
「100%有機でありながら、化学肥料を使った土と同じぐらいに野菜を育てることができる」といった、これまでになかった製品を作り出すには、インパクトのあるブランディングが必要だと考えました。ブランディングプランナーに、越境の門井舜氏、ロゴのデザインと製品のアートディレクターにT&T TOKYOのトミタタカシ氏を招き、2021年1月にブランディングプロジェクトはスタートしました。これほど大掛かりなアウトソーシングはクレイにとって初めての経験でしたが、広告業界で成功を収めている若き2人に依頼することによって、自分たちの枠を超えた製品を開発したいという代表小西の強い想いが実現しました。
何時間にも及ぶ議論の中から、ブランドのターゲットやターゲットの持つインサイトが話し合われ、どんな方法で、どういった価値を提供していくのかといったブランドの根幹となるBrand Equity Pyramid(ブランド・エクイティピラミッド 以下BEP)を作りました。
結構早い段階で決まったのが、BEPの中心となりブランドの存在意義となる『オーガニックを⺠主化する』というコピーでした。これ以降、様々な開発フェーズを迎える中でBEPの様々な項目は何度も書き直され、いったりきたりしながらブラッシュアップをしていきました。しかし『オーガニックを⺠主化する』だけは何度も見直しを試みましたが、最後まで書き換わることはありませんでした。門井氏が生んだこの力強いコピーが、その後このプロジェクトにまきこまれていく様々な関係者に対して、コンセンサスをとるうえで大事な役割を果たしました。
BEPが固まってくると、次は新しいブランドのネーミング作業に移りました。『土』っぽさもありながら、新しさを感じさせるネーミングで、何年経っても廃れることが無く、愛し続けられるブランドになれるネーミングをリクエストしました。そして数ある提案の中から、THE Organicといった意味や、THE 0(ゼロ)化学薬品や農薬を一切使っていないという意味を込めて『THEO(ジオ)』というネーミングが決まりました 。
ロゴはトミタタカシ氏によってインパクトが強く、微生物の循環を意識したデザインになりました。パッケージも通常のビニール袋ではなく、オーガニックを感じさせる紙のパッケージになり、売り場でもうもれない差別化がはかれるデザインが完成しました。
有機栽培を民主化し、野菜本来の味を楽しんでいただきたい
こうして、様々な人に助けてもらい、完全有機土『THEO(ジオ)』は誕生しました。新しいブランドのポジションは、難易度が低く収穫量が確保し易い化学肥料栽培と、難易度が高く難しいとされる有機栽培に対して、難易度が低く収穫量も確保しつつ有機栽培を可能とするこれまでになかったポジションです。この新しい価値を持った『THEO(ジオ)』は、今後日本で有機野菜が当たり前となり、オーガニックな世界観が浸透していくなかで必ず必要とされていくと信じています。これからの課題は、少しでも多くの人に『THEO(ジオ)』を知ってもらい、有機栽培を通じ収穫する喜びと、野菜本来の味を楽しむ体験者を増やしていかなければいけないと考えています。
次のステップとしてTHEO専用の、整える完全有機肥料『oiTHEO(オイジオ)™』の発売準備中です。『THEO(ジオ)』を中心とした『オーガニックを民主化する』動きを加速させてゆきます。
■製品概要
製品名 完全有機土 THEO(ジオ)
※THEO(ジオ)はクレイの登録商標です
公式サイト https://theoclay.jp
販売サイト https://theoclay.online/
品名:THEO (ジオ) 5L
容量:5L
品番:010-100-001
サイズ:470(L)×190(W)×90(D)
価格:¥880-(税込)
品名:THEO (ジオ) 10L
容量:10L
品番:010-101-001
サイズ:570(L)×230(W)×100(D)
価格:¥1,320-(税込)
品名:THEO (ジオ) 20L
容量:20L
品番:010-102-001
サイズ:650(L)×340(W)×55(D)
価格:¥1,980-(税込)
※記載サイズは、パッケージのサイズです(mmで表記)
※主な素材: ココヤシピート、真砂土、黒土、有機肥料 など
■会社紹介
会社名 株式会社クレイ
公式サイト https://clay.co.jp/
本社所在地 大阪府河内長野市原町1-3-7
電話番号 0721-53-1965
東京SR 東京都港区六本木5-13-14 1F
電話番号 03-6229-2822
代表者名 小西英夫
資本金 1000万円
■製品概要
製品名 完全有機土『THEO(ジオ)』
※THEO(ジオ)はクレイの登録商標です
公式サイト https://theoclay.jp
販売サイト https://theoclay.online/
■倒れても水のこぼれない一輪挿し「bottly top BIJOU」
公式サイト http://bottly.jp/
■子供たちに花の魅力と生命の大切さを伝える花育プロジェクト「一花一葉」
公式サイト http://ikkaichiyou.jp/
■CLAY公式SNS
Facebook facebook.com/clay.co.jp/
Instagram instagram.com/clay.co.jp/
■この記事に関するお問い合わせ
担当者 原田
連絡先 harada@clay.co.jp
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