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「電話番は新人」の風潮を変えたい。「fondesk」が提唱した身近な社会課題「TELハラ」を伝えるPRの裏側とは?

著者: 株式会社Birdman

2021年3月末に「今こそ、職場から「TELハラ」をなくすとき。」というfondeskによる新聞広告が掲載された。耳覚えのない「TELハラ」というキーワードは、ネットを中心に瞬く間に賛否が巻き起こった。「TELハラ」は、発表から2年が経過してもなお、新入社員が入社する4月頃にマスメディアで特集が組まれることがある。社会にインパクトを与えたコミュニケーションの裏側に迫る。

fondeskってどんなサービス?


株式会社うるるが開発・運営する電話代行サービス「fondesk」。オペレーターが会社宛ての電話を代わりに受けてくれ、その受電内容をチャットやメールでお知らせしてくれるサービスだ。これにより、すぐに対応しなくて良い電話や、不要な営業電話に悩まされることがなくなる。さらに、受電内容がチャットやメールに履歴として残るため、幾度となくかかってくる営業電話など、導入企業にとって対応不要な電話番号も可視化ができる優れものだ。

きっかけはコロナ禍真っ只中の2020年末、1件の問い合わせからはじまった。


うるる執行役員(掲載時)の脇村は、デジタルを活用した独特のクリエイティビティで定評のあったプロデュース会社「Birdman」の問い合わせ窓口から相談。当時、「アフターコロナでも成長させていくのは難しいかもしれない」という焦りとともに、「アフターコロナのタイミングで私たちはどうやって成長すれば良いのか?ブランドの進むべき道はどこにあるのか」と、事業の在り方やブランドのアップデートに課題を抱いていた。

当時のビジネス環境としては、2020年1月以降、新型コロナウイルスの流行によって世の中の職場環境が大きく変わり、その影響で都内のITベンチャー企業を中心にfondeskの導入企業数は大幅に伸びていた。しかし、非IT企業、特に地方や大手企業にはサービス認知が低かった。コロナ禍で伸びた事業であるからこそ、コロナ後の市場でどう生き残っていくべきなのか。真剣に考えた結果、Birdmanのクリエイティブ力やビジネスをアップデートさせる手腕に期待を抱いていたのは確かだ。

渡りに船。叡智を集結して、提案から実装に挑む。


広告業界の中でも、デジタルを活用したイベントやオフラインのプロデュースに強みのあったBirdmanは、コロナ禍で苦境に立たされていた。自社のクリエイティブスキルに着眼点を持った相談はまさに渡りに船。Birdmanの現取締役CCO(当時執行役員)の布施を中心に、社内でも実力のあるメンバーを集めてプロジェクトを開始させた。

仮説と検証のフェーズでは、まずは自分たちもと、この「fondesk」を導入し実際に使ってみた。 使ってみてすぐに見えてくるのは、煩わしい受電業務からの開放。その中でも、この恩恵を強く受けられるターゲットは誰か、取り除かれる苦痛は何か。実体験から得られた仮説をもとに、オンラインワークショップを重ねながら、両社で戦略を固めていった。

立ちはだかる壁は既存の商習慣やオフィスの中の雰囲気。


 最終的には、電話代行サービスとして「fondesk」が本当に越えなくてはいけないハードルは、「新卒や総務の人が電話に出るべきだよね」という空気感や、「お客さんに対して代行を挟んで電話をとるって失礼じゃないか」など、既存の商習慣やオフィスの中の雰囲気であると考えるようになっていった。

前提として、 そういったカルチャー自体がオワコンであるという考え方というよりは、コロナ禍によりビジネス環境が大きく変化していく中で、そのカルチャーだけをずっと残すというのは、そぐわないのではないか?ということで意見が一致した。

染み付いたカルチャーを強烈に変えるため、あえて強いワードを。


まずは「既存のカルチャーが新しいソリューションの浸透を阻害している」という仮説をもとに、インターネット調査でこれらを実証することに。仮説は概ね間違っておらず、そこで得られた確固たるファクトを武器に、これまで考えてきたことをアウトプットするべく、「意見広告」のような形で表明しましょうと提案し、合意した。 その過程の中で生み出されたのが、「TELハラ」という少々強めのワードだった。


これは表面的にみれば電話番カルチャーを言語化したワードであったが、それ以上に「fondesk」というサービスそのものを売るのではなく、自分たちの意見を表明し、考える機会を皆さんに作っていただくことが、「fondesk」が今後目指すマーケット拡張の素地作りになる。という目線合わせをして、あらゆる角度から深く議論した上で活用するに至ったのである。ある種、挑戦的なメッセージにはなるとの覚悟がそこにはあった。

電話に出たくないは「甘え」。賛美だけでなく厳しい声も集まる


広告を掲載した2021年3月31日、新しい社会記号として「TELハラ」は世の中に産み落とされた。それと同時に、ある程度事前に予測をしていたものの、「電話に出たくないというのは仕事を放棄している」「若い世代に多いけど理解ができない」と、コミュニケーションツールの主流を走ってきた「電話」とハラスメントをかけ合わせる強いワードに対して、強い反発が上がった。ある程度は予測をしてきたが、想像以上にそれらが多かった。



しかし、チームにこの挑戦を辞めるという選択肢はなかった。変革には痛みが伴うことを覚悟して、最後までやり切ることで、拓ける世界があると信じていた。この反響を受けてうるる執行役員の脇村は「少なくとも、広告をきっかけに得た社会からの反応は、必ず私たちの財産になると思いました。その意味でBirdman布施さんたちには、深い理解と共に良い提案をしていただけたなと思っています。」と手応えを掴んでいた。

うるる執行役員 脇村瞬太氏

キャンペーンローンチから2年経過した今も取材される状態に


結果としてこのプロジェクトでは7億円相当のメディア露出効果を得て「fondesk」の認知・利用意向を大きく高めた。さらに、今年4月には地上波テレビ全国ネットのニュース・報道番組で特集されるなど、ローンチから2年経過してなお、「TELハラ」というキーワードをきっかけに「fondesk」に注目が集まり続けている。


<企業と人の「変わりたい」を実現し、共創するプロデュースカンパニーであり続けること。>をパーパスに掲げるBirdmanでは、お客様が抱える課題に寄り添いあらゆる角度から思考し、可能性を探って、課題解決に向けて伴走していきます。


Birdman 取締役 CCO 布施 優樹





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