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BBQの新定番。岐阜県飛騨市産広葉樹を活用したウッドプランク『HIDA WOOD PLANK』誕生の裏側。

著者: 株式会社ファーストペンギン

アウトドアブランド「Newie」を運営する株式会社ファーストペンギンは、7月7日(金)に公式サイトにて『HIDA WOOD PLANK』の発売を開始しました。この商品は、岐阜県飛騨市産広葉樹の「桜」と「栗」を利用したウッドプランクです。


燻製チップの王道の香りを用いながら、原木選定から携わり、材木を余すところなく有効利用している点が魅力となっています。本ストーリーでは、『HIDA WOOD PLANK』の発売までの裏側をお伝えします。

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「ウッドプランク」とは

ウッドプランクとは「木の板」という意味で、BBQの本場アメリカで親しまれている「プランクBBQ」で使用されます。プランクBBQでは、食材を板の上にのせて、板ごと焼いて調理することから、ウッドプランクには無添加の木材で良い香りの煙が出る樹種が用いられます。板が焦げて出る煙で食材が燻され、独特の風味が付くので、燻製のような香り高いバーベキューが楽しめます。

プランクBBQへの探求心から飛騨市へ

開発のきっかけは、「プランクBBQを定番の杉以外の木でやったら、どんな味になるんだろう?」という好奇心でした。昨年発売した岐阜県山県市産の美山杉板を活用した『MIYAMA WOOD PLANK』が、キャンパーやグランピング施設から多くの支持を集めているなかでのことです。


特に、スモークチップで人気のある桜やクルミなどの”広葉樹“をウッドプランクにしたら面白いのではないかと考えました。そのアイデアを追求するために、「広葉樹といったら飛騨でしょ!」ということで、私たちは一路岐阜県飛騨市へと向かったのです。


▲古い町並みが美しい飛騨古川。自然と共生してきた素朴な暮らしも魅力的な町です

広葉樹が呼んでいる!いざ、飛騨へ!

岐阜県最北部にある飛騨市。森林が占める割合はなんと驚異の約94%で、そのうちの約68%が天然の広葉樹という地域でした。地域の特徴のみ、浅い知識だけを携えて我々は飛騨市へ降り立ちました。まずは広葉樹のことをちゃんと知ろう!ということで、飛騨市役所農林部林業振興課の竹田課長さんにお話を伺いました。


▲ 案内された市役所のミーティングルームは、内装のほとんどが広葉樹からできていて、さすが飛騨市だ!と感心させられました。(画像提供:飛騨市役所)

実は活用しきれていない広葉樹!

竹田課長のお話でまず驚かされたのが、飛騨市内の広葉樹は細い「小径木」が多いため、家具などの用材になるのは、伐採した広葉樹の中のわずか6%程度しかなく、他の約94%は製紙や燃料用の安価なチップにしかなっていないという現実でした。


▲小径木は粉砕され、チップとなっている(画像提供:飛騨市役所)


杉などの針葉樹は、真っ直ぐで太さも長さも安定し、建築用などの用材として扱いやすいのに対し、広葉樹は曲がっているうえに太さもなく(小径木)、用材として活用できる部分が非常に少ないことがその理由です。また針葉樹と違って樹種も多様なので、伐採後の仕分け作業に手間がかかり、価格も高くなります。そのため、ごちゃ混ぜでチップにしてしまうほうが割に合うというのが現状だといいます。


▲上が針葉樹で下が広葉樹。用材としての扱いやすさは一目瞭然です


この現状を打開するために飛騨市は、民間会社と協働で「十分に活用されていなかった小径広葉樹に新たな価値を加え、新しい経済循環を作り出そう!」という取り組みを始めることになります。その中でまず目をつけたのが、従来の流通の仕組みによるミスマッチ問題でした。

価値ある広葉樹を多様なニーズに届けよう!

従来の流通では、山で伐採した広葉樹を、伐採業者が独自の基準で仕分けし、使えると判断した木を製材所へと運んでいました(これが伐採した木のたった6%程度)。その製材所から、木工作家や家具工房へと用材が販売されていましたが、この時点でミスマッチが生まれていたのです。



いわゆる川下に当たる木工作家さんたちは、小径木でも広葉樹独特の味のある材を求めていました。しかし製材所には求めるものが少なく、仕方なく外国からの輸入材を購入していたのです。一方、川上に当たる伐採業者は、まさか川下でそんなニーズがあるとは思いもしないため、本来は活用できる材のほとんどをチップに回してしまっていたのです。まさにミスマッチ!


▲従来の流通の仕組みでは、価値ある材が作り手まで回っていなかった(画像提供:飛騨市役所)


そこで飛騨市は、川上、川中、川下の関係者を巻き込んだ官民連携組織「飛騨市広葉樹活用推進コンソーシアム」を結成し、川上での仕分け作業に基準を設けました。そうすることで、川下のニーズに合った原木がちゃんと川中に降りてくるようにし、その原木の見える化のために中間土場も整備します。さらには「広葉樹活用コンシェルジュ」も配置し、川下の多様なニーズと原木をつなぐ取り組みを始めたのです。


▲新たな仕組みにより、チップになるはずだった広葉樹に新たな価値が生まれます(画像提供:飛騨市役所)


そんな「川下の多様なニーズ」の中にポコっと現れたのが、まさに「ウッドプランクで広葉樹に新たな価値を!」と飛び込んできた私たちだったのです。


▼飛騨市の取り組みについて詳しくはこちら

https://hidatsumu.com/

HIDA WOOD PLANKプロジェクト始動!

小径広葉樹に新たな価値が加わり、経済循環の新たな形ができれば、適正に森を調査・管理できるようになって(価値ある森づくり)、担い手も増やすことができる。まさに、実益と公益性を兼ね備えた持続可能な取り組みが、飛騨の広葉樹活用プロジェクトだったのです。


▲飛騨市と森林総合研究所との共同による更新状況のモニタリング調査の様子(画像提供:飛騨市役所)


今、私たちが扱っている『MIYAMA WOOD PLANK』も、元は岐阜県山県市で衰退したかつてのブランド杉板「美山杉板」に新たな価値を創造し、地域産業を持続可能なものにするためのプロジェクトでした。

▼詳しくはこちら

美味しくて環境にもいい!プランクBBQ用杉板「ミヤマウッドプランク」誕生秘話


今度はこの飛騨で小径広葉樹を活用してプランクを作れば、チップになるしかなかった広葉樹に新たな価値を作れる上、家具や工芸品以外の可能性も生み出せる!しかも、ユーザーさんにも杉以外のプランクを提供でき、美味しく楽しんでもらうだけで持続可能な広葉樹の森づくりに間接的にでも貢献してもらうことができる!


こうして飛騨市の熱い思いを受け取った私たちは、その後も川中の製材所や、広葉樹活用コンシェルジュの方のお話を聞き、その上で『HIDA WOOD PLANKプロジェクト』を進めていきました。


▲「まずは飛騨の森を見てほしい」という思いから、森の見学も積極的に行なっているそう(画像提供:広葉樹コンシェルジュ及川さん)

プランク作り~川中に潜入!中間土場にて木を選定しよう!~

プランクの製作にあたり訪れたのが、飛騨市古川町にある(株)西野製材所さんでした。ここはいわゆる“川中”に当たる場所で、全国でも珍しい広葉樹専門の製材所です。その製材所に併設しているのが(株)柳木材さんで、山で仕分けされた原木が集まる中間土場の役割を担っています。この川中で、原木販売と製材がワンストップでできるようになっているというわけです。


私たちはプランクの製作にあたって出る端材を、出来る限り少なくしたいと考えていました。アウトドアを楽しむためには自然との共存が必要不可欠であり、できるだけ自然に配慮したモノづくりをしたいという思いがあるからです。ここでは原木選定から製材まで一貫して行えるので、現場の方と材木を最大限活用できるように、取り都合などを相談しながら製造を進めていくことができました。


西野さんの案内で土場に行くと、そこには多種多様な広葉樹の原木がズラリと並んでいて、それはもう圧巻の光景でした。


▲西野製材所の西野社長。多種多様な広葉樹を、愛情を持って丁寧に解説してくれました


木を見ても何の樹種かもわからない私たちでしたが、西野さんが丁寧に説明をしてくれました。針葉樹と違って、広葉樹は本当に多くの種類があり、サイズや形、材質も様々で、広葉樹らしい個性的な原木が溢れています。整然とした針葉樹は大量生産に向いていて効率的であるけど、どこで作っても同じ規格のものになります。一方で、広葉樹は個性的で扱いにくい反面、地域の特性が現れやすく、個性的であるがゆえに付加価値もつけやすいとのこと。 


加えて西野さんは、「木は光合成で二酸化炭素を吸って酸素を溜め込みます。でも老木になると酸素の蓄積量が衰えるので、ある程度伐って若返らせる必要があるんですよ。飛騨の山は、広葉樹が天然更新できる貴重な山です。育てながら伐っていくのが今の広葉樹林業の在り方ですね。」とも教えてくれました。


早速私たちは、今回プランクにしてみたい「桜」と「栗」の原木選定に入りました。もちろん、できるだけ家具などにするにも扱いにくいものを選ぶようにしました。チップと用材の狭間にこそプランクの役割があると思っているからです。


▲原木に書かれた直径と長さを見て選定します

 

▲大きな重機で私たちの木が軽々と運ばれていきます。大迫力で興奮しました!

土場である柳木材さんと、製材所である西野製材所さんの広葉樹活用の想いについては、以下にも詳しく書かれています。ぜひこちらも併せてチェックしてみてください。

飛騨の森と君とつむぐ

「柳木材」https://hidatsumu.com/interview/yanagi/

「西野製材所」https://hidatsumu.com/interview/nishino/

プランク作り~製材所に潜入!原木から板材を作り出そう!~

製材所に運ばれた原木はベルトコンベアに乗せられて、まず皮剥き作業に入ります。


▲大きな機械で、剥くというより削り取る感じ


綺麗に皮が取れたあとは、そのままコンベアを流れてカット作業に入ります。カットの機械に何度も原木を通していくと、みるみるうちに板になっていきました。理屈ではわかっていても、原木から板がこんなふうにできていたことに、新鮮な感動がありました。


▲決まった厚みでカットして板にしていく


▲切れた板は乾燥用に間を開けて積み上げていく


このあとは天日に晒して、乾燥するのを待ちます。そして約1ヶ月後に再訪し、プランクに向けた加工作業に入っていきました。

加工場に潜入!板を磨いてカットしていこう!

訪れたのは、柳木材さんの土場の脇にある「ひだザイの加工所」という小さな加工場です。ここでは、現役の大工さんである、代表の原さんがフローリング材をはじめ様々な板材の加工を行なっています。川中で作られた板を加工して販売する、いわゆる“川下”に当たる場所です。


▲多様な広葉樹で作られた入口と看板がかわいいです 


原さんは、規格品を組み立てるだけのハウスメーカーに違和感を抱き、自分の手で木に触れ、加工し、それを提供することを大切にされている方です。飛騨市の広葉樹活用の取り組みを知り、山の中での伐採や更新の作業も目の当たりにし、「自分にできる役割はなんだろう?」と考え、この工房を作ったのだそうです。


本当に木への愛情が溢れていて、お話ししているだけで私たちも木の見方が変わってきました。やはり、作り手さんの顔を見て、大切にしていることを知ることはとても大事なことだと思わされます。そんな原さんに、乾燥済みの桜と栗の板を加工してもらいます。樹種によって反りや曲がりが違うので、それを一枚一枚丁寧に手押しカンナで表面を削って綺麗にしていってもらいます。



▲作業が終わって重ねると原木の形に!現代アートのよう(笑) 左が桜で右が栗です 


ここからいよいよプランクのサイズにカットしていきます。まっすぐな杉板と違い、広葉樹の個性を出したいので、あえて縁はそろえず原木の形を活かします。


こうして多くの人の愛情を受けて、ついに広葉樹のプランクが出来上がりました。大した知識もなく「広葉樹といったら飛騨だ!」と乗り込んでから、飛騨市役所の竹田課長、柳木材さん、西野製材所の西野さん、そして製材所の方々と「ひだザイの加工所」の原さんのお力があって、ついに製品が完成したのです。飛騨の人たちに共通していたのは、間違いなく「広葉樹への愛」でした。その愛情に恥じぬよう、しっかりとこのプランクを世に送り込まねば!という使命感でいっぱいになりました。


▲最後にNEWIE本社にて、焼き印を押して完成です

実食!桜と栗のお味やいかに!?

早速私たちは、桜と栗の新プランクを実食してみました。実食した方達の意見をまとめると以下のような感じになりました。


▲イベントなどで、多くの人にも実食してもらいました 


〈桜の感想〉

 ・ほんのり甘みがあり、サクラの香りも楽しめる

・子供でも食べやすい

・風味が強めで、杉とは全く違う感じで美味しい


〈栗の感想〉

・クセがなく食べやすい。甘みもしっかりと感じられた

・まろやかなスモークさで食べやすい。爽やかな香り

・鼻抜けの香りが、ほんのり栗って感じがしてよかった



結果的に、杉板のMIYAMA WOOD PLANKはビターな風味で大人向けだったのに対し、この2種は、誰もが楽しめる甘めで優しいフレーバーの王道路線だったことが確認できました。これならお子さんも含めて、より多くの方にプランクBBQを楽しんでもらえると確信し、正式に『HIDA WOOD PLANK』を商品ラインナップに加えることになったのです。


このプランクを味わうときは、ぜひ飛騨に思いを馳せてみてください。製造過程はもちろんのこと、そこに携わる人たちの想い、そして飛騨の森のことを思って食べてみてください。そうすれば、きっとより一層、このプランクを美味しくいただけるはずです。


今後もNewieでは、このご縁を大切にして、飛騨の広葉樹を活用したアイテムを開発していきます!小径広葉樹の可能性を広げ、少しでも豊かな森づくりに貢献できるよう、今後もがんばります!プランクも、桜や栗以外のものもテストしてく予定。次はどんな樹種の広葉樹がプランクになるのか?乞うご期待です!


▼商品ページ

https://newie.jp/products/hida-wood-plank


<仕様>

・大きさ :

 Mサイズ:約230~250×130~170×13mm、

 Lサイズ:約250×180~250×13mm

・セット内容:

 さくらMサイズ2枚セット、さくらLサイズ2枚セット、

 くりMサイズ2枚セット、くりLサイズ2枚セット

・付属品 :チャック付き袋×2(浸水用)

・材質 :岐阜県飛騨市産 桜、栗

・価格 :

 Mサイズ2枚セット:¥1,980(税込み)

 Lサイズ2枚セット:¥2,420(税込み)

 ※サイズには若干ばらつきがございます 


▼コラムはこちら

広葉樹を活用した『HIDA WOOD PLANKプロジェクト』始動!飛騨市の取り組みとともにご紹介します!


『HIDA WOOD PLANKプロジェクト』後編|桜と栗の木でプランクを作ってみた!




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