アフターコロナの環境変化をヒントに生まれた、新しい将棋「どこでも どうぶつしょうぎ」開発ストーリー
株式会社ジーピーは、1978年に玩具メーカーとして創業。玩具製品の企画制作、玩具製品のライセンス事業などを経て、2007年より自社ブランドを開始。製品販売やカタン日本選手権などのイベント活動を行い、ボードゲームの普及に貢献してまいります。
弊社製品の代表作は、初心者からゲーマーまで楽しめる名作「カタン」、パズルゲーム「ウボンゴ」、そして自宅で楽しむ脱出ゲームなど幅広い方が楽しめるゲームを展開しています。
ボードゲームは、遊びを通じて人々をつなぎ、新しい発見や学びを提供します。そうしたつながりは、その瞬間の楽しさだけではなく、人々の未来をも楽しいものとしてくれるはずです。私たちはボードゲームを通じて人々に「楽しい未来」を提供してまいります。
今回、「どこでも どうぶつしょうぎ」の開発ストーリーを、担当した常務取締役・米川秀治よりお伝えさせて頂きます。
将棋に触れてこなかった私が、「どうぶつしょうぎ」に魅了された
ボードゲーム業界にいながら、私自身はあまり将棋に触れてきませんでした。なぜなら小学生の時に将棋を遊んだ時に、難しくて勝てないと感じてしまったことが原因です。
「どうぶつしょうぎ」の魅力は、まずはルールが簡単で、短い時間で遊べること。将棋が苦手という方は、ルール把握が難しく、1ゲームが長いという点を指摘されることが多いですが、「どうぶつしょうぎ」は違います。コマの動き方が書いてあるので、ルールを知らなくても始められて、短ければ5分で終わることもあります。5分しか遊んでいないのに、何回もプレイしたくなるほどハマってしまう。3×4の小さい盤面だからこそ、将棋の魅力がギュッと詰まったゲームシステムになっています。実は将棋ってこんなに面白い!と感じてもらえるはずです。
また、「どうぶつしょうぎ」が遊べるのは子供だけではありません。実は大人もハマるほど奥が深いゲームです。年齢性別に関係なく、一緒にゲームを楽しむことが出来ます。世代を超えたコミュニケーションツールであり、ジェンダーレスを実現する最適なツールの1つであることも人気の理由です。
「どうぶつしょうぎ」開発者、北尾まどか先生との出会いがきっかけに
「どうぶつしょうぎ」は、2008年の発売以来、累計100万部を突破し、将棋界で一世を風靡したミニ将棋。私の娘も含めてこの世代の子供たちが夢中になって遊んだ作品でした。
その開発者である北尾先生に初めてお会いしたのは、実は日本ではなく、ドイツでした。
世界最大のボードゲームの祭典「Spiel Essen」(ドイツ、エッセン)、2018年のイベントにて日本の出展者として北尾先生が参加されていた時です。同じく弊社も日本からの出展者として参加しており、個人的にも「どうぶつしょうぎ」を遊ばせて頂いていたことから、以降親しくさせて頂くことになりました。この出会いが、今回の「どこでも どうぶつしょうぎ」開発へとつながります。
コロナ禍での「イエナカ」遊びで、久しぶりに手にした「どうぶつしょうぎ」。あらためて、作品として感銘を受けた
具体的に開発へと動き出した経緯は、家族とのイエナカ遊びからでした。コロナ禍となり、ステイホームでボードゲームが注目された時、私もステイホームの中で、家族といろいろなゲームを遊びました。久しぶりに手にした「どうぶつしょうぎ」、難しい将棋を手軽に遊べるようにしたこのゲームで、娘と何度か遊びました。考え込むゲームがあまり得意でない娘が、“もう1回”と言ったことを鮮明に覚えています。ルールを知らなくても、ゲームが得意でなくても遊べるこの作品に改めて感銘を受けました。
後日、どこで販売されているかを改めて調べたのですが、最寄りの玩具売り場で「どうぶつしょうぎ」が販売されている場所がなく、北尾先生に電話したことが開発のきっかけとなりました。現行で発売されている「新装版どうぶつしょうぎ(小学館刊)」は、主に書籍ルートにて販売されています。そこで、弊社の商流である玩具ルートと専門分野を掛け合わせることで、シリーズ販売の相乗効果を狙うこととなりました。
試作品への好反応。小型化、低価格化を目指した商品開発に着手
発売に先駆けて、2023年1月業者向け展示会にて、試作品の展示を行い、主な販売店様へヒアリングを行いました。
※2023年1月段階の試作品画像
「うちの子が幼稚園で遊んでて、親子で勝負したら大人が負けちゃうからびっくり!勝ち方を子供に教えてもらったわ」
遊びの中に学びがあるということが、具体的にリアルに表現された感想でした。この商品に対する可能性をとても感じた瞬間でした。
「この商品が玩具ルートで販売されるのを待っていましたよ」
「藤井さんも活躍しているから、将棋の市場拡大にとてもいい商品だよね」
折しも、プロ棋士・藤井聡太さんの活躍もあり、2023年は将棋がブームとなっています。ヒアリングを通じて、この日本伝統文化・将棋の普及に貢献できる商品であると感じ、改めて商品の将来性を認識いたしました。
また、ヒアリングで得た声には以下のようなものもありました。
「手軽に買える値段だといいね」
「今後遊びに出かけることが増えるだろうから、持ち運びしやすいといいな」
上記のヒアリングを踏まえ、玩具ルートの発売にあっては、より多くの人に楽しんでもらいたいとの思いから、小型化、低価格の新商品開発がすすめられました。
小型化は低価格にならないと判明。部材を確定する困難が続いた
まず最初に検討していったのは、商品の小型化でした。一番重要なパーツはコマです。従来のコマは木製コマを使用していますが、これを小型化してみましたが、作業工程がそれほど変わらず、小型化で手作業が一部増えてしまいました。また、木材の値段が上がっていることもあり思うほど低価格にならないことが判明。
次に比較的安価な素材である紙を考えました。ですが、その紙製でコマを作ると、最大の厚みが薄くて遊びづらい。当初予定していた工場では実現できずに、新しい工場を探すことになりました。アフターコロナとは言え、中国への出張が叶わない中で、東京事務所からの作業が続きました。幸いにもコマとして最適な4㎜厚の紙加工が出来る工場を発見しコストも目標を達成することが出来たのですが、当初予定したよりも部材を確定するまでに2か月以上を費やしてしまいました。
アフターコロナの環境変化を受け、内から外へ、「どこでも遊べる」コンセプトで開発
また、市場環境も変わり始めました。コロナ5類移行で、人々の生活が戻り始めました。
外に出て人と出会うことも増えはじめ、旅行も増え始めました。ボードゲームの基本は誰かと対面で遊ぶことです。対面で人と遊ぶから楽しいのです。2023年はこの機会が急激に増えることが想定された結果、開発のポイントになったのは“どこでも”です。
コロナ禍では、安全面から身近な人たちだけの交流にとどまっていましたが、今は、いろいろな人と交流する、いろいろな場所へ出かけてく傾向にあります。そうなのだとしたら、家で遊んでいた「どうぶつしょうぎ」を、手軽に持って行って“どこでも”楽しむことで、多くの人が将棋という文化に触れ、遊びを通じて人々をつなぐツールとすることが出来ます。
そこで、従来の商品よりも小型化を行い、さらに“どこでも”を実現するため、専用の収納袋を付属させました。これによって片付け易く、持ち運びし易い商品になりました。
また、あらゆる商材が値上げとなる中、1,650円と手ごろな価格帯にしたことも非常に評価を頂いております。
様々な試行錯誤を経て、“どこでも”遊べて、“どこでも”買えるように手ごろな商品を目指しました。それがネーミングとなり「どこでも どうぶつしょうぎ」となったのです。
既存商品を、販売環境や市場性に合わせた商材にしたことで、玩具ルートでは多くの反響を頂いており、幅広く導入されることがすでに予定されております。
また、年末に向けてもさらなるプロモーションを企画しておりますので、ご期待ください。
■商品のお知らせ
累計100万部を突破し、誰でも遊べる簡単な将棋として日本全国で愛されている「どうぶつしょうぎ」。現在発売されている「新装版どうぶつしょうぎ」(小学館)に続くシリーズ新作を、2023年8月26日にジーピーから発売いたします。
「どこでも どうぶつしょうぎ」は、いろいろな場所で遊ぶ、いろいろな人と遊ぶ。楽しいだけではなく、多くの学びを得ることもできます。このすばらしい将棋の世界を「どこでも どうぶつしょうぎ」で体験してみてください。
※本製品は玩具流通限定での販売となります。詳しくはお問合せください。
※製品URL:http://www.gp-inc.jp/boardgame_dokodemodoubutsushogi.html
製品名:どこでも どうぶつしょうぎ
価格:1,500円(税込1,650円)
発売日:2023年8月26日予定
JANコード:4543471003973
プレイ人数:2人
対象年齢:4歳以上
プレイ時間:5分以上
ルール:きたおまどか、デザイン:ふじたまいこ
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