サービス開始から3年、全国4万人の配送員に使われる「TODOCUサポーター」の誕生秘話
207株式会社が提供する配送効率化アプリ「TODOCU (トドク) サポーター」は、2020年12月の正式リリースから3年で、4万人を超える配送員に使われるアプリへと成長しました。
TODOCUサポーターは「物流のラストワンマイル」と呼ばれる、配送センターから受取人の自宅までの経路の部分の配送業務を効率化するアプリで、まだまだアナログな現場が多い物流のラストワンマイル領域の配送業務の課題は多く存在するのが現状です。
受け取る側にとっても、不在であってもインターフォンが押されていたり、未だに紙の不在票を使っていたり…。配達の時間指定の仕組みも30年間変わらず、受け取る人が2時間の枠で待たないといけないという点もアナログで非効率なポイントです。
こうした配達する人・受け取る人双方にとってもメリットのない非効率なやり方に終止符を打つことは、CEOの高柳が実現させたい世界のために必要であり、ラストワンマイル領域のDXは私たちが行動しやすい世界へと変えられると信じて、TODOCUサポーターの誕生につながることになりました。
CEO 高柳が "ラストワンマイル" にこだわる理由
CEOの高柳が学生時代にバックパッカーでインドを旅していた時、日本にある家は使わなくても、所有している家具や家電を捨てるわけにもいかないので家を手放すことができず、家賃が発生することを不満に感じていました。
その「モノの所有」という制限があることに不便に感じたことから、簡単にモノを預けてすぐに取り出せる "移動トランクルーム" のようなソフトウェアのクラウド的な発想のサービスをつくって、家具や家電を預けて好きな時に取り出せたら、モノの所有の制約から解放されることで旅がしやすくなると考えたことが始まりでした。
社会人になっても、その “リアルなモノのクラウドサービス” の概念が忘れられず、いつか事業化したいと考えていたところ、2015年に株式会社サマリーが「Sumally pocket」というサービスを始めました。これは、専用の段ボール1箱から預けられる宅配型の保管サービスで、好きな時に預けたモノを取り出せるという点が「自分のやりたかったことと似ている!」と共感したことから Sumally pocket にジョイン。しかし、どうしても変えれない部分がありました。それが「物流のラストワンマイル」です。
どれだけ革新的で素晴らしいサービスを考案し提供できたとしても、「モノを運ぶ」という点は自分たちではコントロールすることができません。Sumally pocketでは運送会社へ配送を委託しており、顧客からの「翌日に届けてほしい」といった要望は自分たちではどうすることもできませんでした。
高柳は、「いつでもどこにいてもモノが手に入る」そんな自分が思い描く世界を実現させるためには「物流」のアプローチが必要だと気づくことになります。
再配達はなくすことができる
最初は、自分も荷物を受け取る側として「忙しくて受け取れない」といったペインを日々感じていたこともあり、まず身近な課題を解決するためにラストワンマイル領域に特化したビジネスを展開することを決意します。
特に、事業立ち上げの決定打になったのは再配達の問題です。
2017年10月より国土交通省が実施している宅配便の再配達率サンプル調査によると、宅配便の個数のうち約11.7%が再配達となっており、この約1割にのぼる再配達を労働力に換算すると、年間約6万人のドライバーの労働力に相当します。
テクノロジーが発達し、スマートフォンの普及も進んだことで、位置情報を共有しやすくなっていたにも関わらず
「なぜ、ラストワンマイル領域ではテクノロジーが活かされていないのだろう?受取人の位置情報を配達員さんに共有できれば再配達問題は解決するのではないだろうか?」
と思ったことから、2018年に会社を立ち上げます。
全てはここから始まった…夜間配達サービス "TODOCU"
実際に自身でもペインを体感した方が早いと考えた結果、配送会社を立ち上げて配送業務をやってみることにしました。そこで始めたのが、荷物の受取人から料金をもらって夜間に配達するサービス「夜間配達サービスTODOCU」です。
配達業務を行う中で、再配達を無くすためには、配送員と受取人がお互いに状況が分かれば良いと考え、荷物を受け取る人の在宅状況を配送員へ知らせることができるアプリ「トドク」を開発したのですが、MVPを持って配送会社へ提案に行ったところ、「これじゃないんだよなぁ」と言われてしまいます。
当時、物流システムを構築する知見がなく、どこがどのように「これじゃない」のか、アナログで属人的と言われていた配送現場のペインを知るために、ガレージ付きの一軒家を借りて、自身で軽バンを3台購入、物流組合に入って実際に目で見て肌で感じることにしました。
配送業務を行いながら、「TODOCUサポーター」のプロトタイプを開発、アプリを使いながら配達を行う中での、自分たちの体験から着想を得て作られたのが、配送員向けアプリ「TODOCUサポーター」の始まりとなりました。
配送業務では、配送伝票の住所を確認して紙の地図に印をつけていたり、カーナビに入力したりと手間がかかる上に、同じ住所に複数の物件があったり、住宅街の複雑な道に迷うこともしばしば…。こういった課題を実際に体感し、テクノロジーで解決できないかとエンジニアと話し合いながら作られたのがTODOCUサポーターです。
OCR(文字認識) による伝票の読み取り機能や荷物の登録機能、地図上に配送先のピンを立てる機能など、配送員目線の課題を重点的に解決するプロダクトづくりに取り組んだことにより、「荷物を積み込んでから出発するまでの時間が短縮された」「紙媒体の地図を見る回数が減りスムーズに配達が行えるようになった」と多くの配送員から喜びの声をもらえるようになりました。
配送現場の「こんなツールや機能があったらいいのに」というニーズに寄り添うことを大事にして開発したアプリだからこそ、本当に現場で使えるものになる。この現場目線での開発は、現在の開発においても最も重視しているポイントになっています。
いつでもどこでもモノがトドク世界に向けて
全国約20万人の配送員さんをターゲットに「なくてはならない」アプリとなる近い未来に向けて、配送現場と共に「TODOCUサポーター」はこれからも現場目線で進化を続けていきます。
近い将来、TODOCUサポーターが配送員のデファクトスタンダードなアプリとなり、それに伴って受け取り側もトドクを使う世界が訪れると、再配達という無駄がなくなり、配送する人・受け取る人双方が幸せになります。
こうした社会課題を解消することによって、多くの荷物データが207に集約され、それらのデータの活用によって世界的な物流ネットワークを構築していく。その先に「いつでもどこでもモノがトドク世界」が実現できる、と考えているのです。
次回は、配送業者、配送員、受取人のそれぞれのペインを解決する、配送に関わる方に「使われない理由がない」サービスの提供を目指していくための "道" についてお話しようと思います。
TODOCUサポーター
207株式会社
行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ