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「スマホの着信をライトの光で知らせるアプリ」で高齢者とその家族に安心を - ICTで社会課題を解決する「さきのこと」の取り組み

著者: 株式会社永和システムマネジメント

株式会社永和システムマネジメントは、福井県福井市のIT企業です。1980年の創業以来、金融システム構築、地域の医療機関へのシステム導入サポートに始まり、近年では、アジャイル開発20年の老舗企業としても知られています。

そんな当社で、2023年8月、私たちがこれまで培ってきたICT技術をもって社会課題を解決するチーム、その名も「さきのこと」が立ち上がりました。


今回、「さきのこと」の取り組みのひとつとして、スマホの着信をライトの光で知らせるアプリ「いろどり+」(イロドリタス/いろどりたす)を開発しました。

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なぜこのサービスを提供することになったのか、その思いと、今後の取り組みについて、ご紹介します。


高齢者の一人暮らしや夫婦のみ世帯が増加中

若者の都市流出、核家族化に伴い、今、高齢者の一人暮らしや夫婦のみ世帯が増えています。内閣府の令和5年版高齢社会白書によると、令和3年時点において、65歳以上の方が居る世帯は全世帯の49.7%を占めています。

また、そのうち、一人暮らし世帯の割合は28.8%、夫婦のみの世帯の割合は32.0%となっています。つまり、65歳以上の方が居る世帯の6割以上が一人暮らしか夫婦のみ世帯となります。(図1)


図1:65 歳以上の者のいる世帯数及び構成割合(世帯構造別)と全世帯に占める 65 歳 以上の者がいる世帯の割合(出典:「令和5年版高齢社会白書」(内閣府)

https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2023/zenbun/pdf/1s1s_03.pdf ))

高齢の家族のことが心配に。...なのに電話しても気づいてくれない!

そんな高齢のご家族を持つ子ども世代の方からすると、「具合悪くなっていないかな」「ちゃんとごはん食べているかな」と、離れて暮らすご家族が元気で生活しているのか心配になりますよね。実際に「さきのこと」のメンバーの中にも、ご家族が一人暮らしをされている人がいます。


ある日のこと、そのメンバーから、こんな話がありました。

- 「元気かな?」と電話をかけてみたら電話に出ないんだ

- 心配になって、何度かけなおしてもつながらない

- 他の兄弟がかけなおしてもつながらない

- もしかして倒れているんじゃないか!?と不安に...

- すぐに急いで家まで様子を見に行ったよ

- で、行ってみたら、どうやら電話に気づいていないだけだったみたい

- 着信音量MAXだったけど、聞こえにくいみたいで

- 普段からスマホいじらないから、不在着信にも気づかないし

- 元気だったのは良かったけれど...もうっ


こんな経験をされた方、もしくは、見聞きされた方、実はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

身近な課題の解決は大きな社会課題の解決への第一歩。まずは「高齢の家族と連絡が取れない」問題を解決

この話をきっかけに、「さきのこと」として何かができるのではないかと、皆でアイデアを出しました。



  • 「核家族化」「高齢化」といった大きな社会課題を解決するにはとてつもなくハードルは高いけれど、それに繋がる「家族に連絡が取れない」というちょっとした身近な課題ならば私たちの技術で解決することができそう
  • 今はスマホを持つ高齢者が急速に増えているので、これからは固定電話だけでなく、スマホで連絡を取りやすくする仕組みがあったら良いかも?
  • それによって、高齢の方もそのご家族も、「連絡が取れない」問題から解放されて、今までよりスムーズにコミュニケーションを取れるようになるといいよね。


そして、この企画がスタートしたのです。

高齢者が電話に気づかない理由「高音の電子音が聞き取りづらい」

そもそも、なぜ、高齢になると、電話に気づきにくくなるのでしょうか。日本耳鼻咽喉科頭顎部科学会によると、聴力は、加齢に伴い、高音域から低下してくるそうです。つまり、高齢になるにつれ、高音の電子音が聞き取りづらくなってくるため、電話や通知にも気づきにくくなってくるようです。


参考:「難聴について」(日本耳鼻咽喉科頭顎部科学会)( https://www.jibika.or.jp/owned/hwel/hearingloss/

聴覚だけでなく視覚でもお知らせ。スマホの着信をライトの光で知らせるアプリの開発へ!

そこで私たちは、耳から着信音が聞き取りにくくなるのであれば、他の方法でお知らせすることができないか、と考えました。固定電話であれば、固定電話にライトを接続して電話をお知らせするような機器が販売されています。スマホの着信に気付かないことの対策としても、同じように、スマホにライトを接続して電話をお知らせすることができないだろうか?そうすれば、耳だけでなく、目からも情報が入ってきて、電話に気づきやすくなるのではないか?


こうして、スマホの着信をライトの光でお知らせするアプリ「いろどり+」を開発することになりました。


当時の企画案

どんな機能があったら良いだろう?高齢者とその家族に優しいアプリを考える

このようにしてはじまった「いろどり+」のアプリ開発ですが、高齢の方が使いやすくて、そして、分かりやすく、安心して使うことができるアプリはどんなアプリだろう、どんな機能があったら嬉しいだろう、と、何度も考えて工夫を重ねました。


ちなみに、たまたまではあるのですが、「いろどり+」の開発チームメンバーはなんと全員が40代後半〜50代のミドルシニア世代。まさに、自分たちの親が心配になってきているジャストな世代でした。結果的に、自分だったらこういう機能があると嬉しい!うちの親だったらこの操作できないかも?と「自分ごと」として、アプリを開発することができたように思います。


「いろどり+」でできることと私たちが取り入れたアイデアをちょっとだけご紹介します。


スマホに電話やSMSがあったら接続された「お知らせライト」が光ってお知らせします

(※事前に接続設定したスマート電球を光らせます。ここでは「お知らせライト」と呼びます。)

家族からの連絡はパッと目に入るくらいの光でお知らせしたい。でも、迷惑電話や詐欺SMSはお知らせしたくない。そのため、スマホの電話帳に登録されている人からの連絡しか光らせないよう制限できる設定を用意しました。


スマホの充電が切れそうになると「お知らせライト」が光ってお知らせします

家族が電話に出てくれない理由のひとつとして、実は充電切れだったから、という話もよく耳にしました。そこで、充電が残りわずかになったときに「お知らせライト」を光らせる機能を盛り込みました。


Wi-Fi なしで使えます

高齢者のお宅は、Wi-Fi が使えないお家も多いと思われます。Wi-Fi を使う見守りサービスはよく見かけますが、わざわざ通信環境を用意するのは大変。そのため、「お知らせライト」に使うスマート電球は、スマホと Bluetooth で接続できるものを選びました。


「いろどり+はどうですか?」介護のプロにも聞いてみた

「自分ごと」としてアプリを作ってみたものの、「いろどり+」が実際に、当事者の方に受け入れられるアプリなのか、自信はありませんでした。そこで、福井県近郊にある病院や介護施設(約20施設)に伺い、実際にアプリを見ていただいて、介護士、ケアマネージャーといったプロの視点からアドバイスをいただきました。


アプリ自体は非常に好評だったものの、高齢者の家に裸電球のまま置くのは怪我をしやすく危険だとか、家族がサポートできる機能があると良いね、といったご意見をたくさんいただきました。私たち開発者とは全く違った視点でのご意見もあり、新たな気づきもありました。


いただいた改善ポイントは、今後の追加機能として盛り込んでいきたいと考えています。直近では、非常にご意見が多かった「お知らせライト」の電球シェード製作を開始しました。


電球シェードの試作品

家族や周りの人がサポートできるような機能を追加していきたい

今後は、家族や周りにいらっしゃる方(以下、サポーターと呼びます)が、高齢者をそっと見守っていけるような機能を追加したいと考えています。

例えば、

  • 不在着信にずっと気づいていないこと、スマホの充電が残り少ないこと等を、サポーターが知ることができる
  • アプリに服薬時間などを登録できて、その時間になったら、ライトが光ってお知らせしてくれる
  • アプリの設定は、遠くにいるサポーターでも行うことができる

などです。


このアプリによって、高齢の方とそのご家族の生活に、彩(いろどり)がもたらされることを願っております。


さきのことメンバー



<関連情報>

■ いろどり+

https://sakinokoto.esm.co.jp/irodori-tasu


▽ アプリダウンロード

https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.esm.sakinokoto.irodoritasu


*Android のみ対応しております。

*ご利用の前に「お知らせライト」をご用意ください。



▽ 使い方イメージ

×


■ さきのこと

https://sakinokoto.esm.co.jp/





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