「みなさんの知恵を貸してください」14名のゲストにPR TIMES新機能をお披露目。率直な声を、どう形にする?|PR TIMES Renewal Journal VOL.3
2023年冬からの“大型”リニューアルを控えている、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」。ここではプロジェクトの背景や過程を、連載形式で皆さまに公開しています。
「利用企業や企業会員の皆さまをはじめ、メディアや生活者の方々など、できるだけ多くの声を聞く」——前回プロジェクトオーナーでありPR TIMES代表の山口さんから出てきた「聞く」という言葉。
連載Vol.3となる今回は、まさに利用者の声を直接「聞く」場となる、オフラインイベント「PR Tea TIMES」の模様をお伝えします!
PR TIMESを日頃からよく使っている14名のゲストが集まり、新たに生まれ変わろうとするPR TIMESへ意見を出し合う貴重な時間……導入予定の新機能を試したゲストの方々からは、どんな意見が出てくるでしょうか。そしてそれを、プロジェクトチームはどう形にしていくのでしょうか?
(取材・冨田ユウリ)
ともにはなし、かんがえ、かたちにする。
7月19日、東京・赤坂のPR TIMESオフィスを訪れると、テーブルに並べられていたのはパソコンとカヌレ。ハンドドリップで丁寧に淹れられた、コーヒーの良い香りが部屋中を包み込んでいます。
今日は大型リニューアルを進めている「PR TIMES」のプロトタイプ(初期型)を、ご利用企業や企業会員の方々に試していただくイベント「PR Tea TIMES」が開催されるとのことで、オフィスへやってきました。
イベントのコンセプトは、「PRの未来をともにはなし、かんがえ、かたちにする」。広報・PRに携わる14名のゲストが集まり、PRについて語り合い、PR TIMESのこれからについて意見をいただきます。新機能が搭載された「PR TIMES」のプロトタイプを操作してもらうだけでなく、「ChatGPT時代のPR 」をテーマにした勉強会もあり、PRのこれからについてみんなで考え、交流する時間にしたいとのこと。一体どんな会になるのでしょうか。
開場の時間になり、オフィスには続々とゲストの方が入ってこられました。リニューアルプロジェクトのメンバーは、「PR TIMES」Tシャツに身を包み、首から名札を下げてお出迎え。14名のゲストの方々は、企業の広報担当者やフリーでPRの仕事をされている方など様々です。ゲスト同士「はじめまして」と挨拶や名刺交換をされるなど、早速交流が始まっています。
イベントの冒頭、PR TIMES代表の山口さんより挨拶がありました。
山口「2007年にサービスを開始し、私たちがここまで成長できたのは『お客様に恵まれたから』です。みなさんが『PR TIMES』を活用して、価値あるプレスリリースを生活者の方々に届けてきてくださったから、今があります。これから新しい『PR TIMES』をつくっていくために、今日はみなさんの知恵を貸してください」
イベントの司会進行を務めたのは、リニューアルプロジェクトのメンバーでカスタマーリレーションズ本部の松田さんです。
松田「みなさんのお手元には、コーヒーをご用意しました。『PR Tea TIMES』という名前の通り、お茶を楽しむようにリラックスした状態で、PRについて意見交換できたらと思っています」
イベントはゲストの方々の自己紹介タイムからスタート。名前と所属、「PR TIMES」との関わりについて一人ひとり語っていただきました。大企業からスタートアップ、代理店に務める方やフリーランスの方など、幅広い業種の方がこの場に集まっていることがわかります。
「2007年のサービス開始当初から利用しています」と「PR TIMES」との付き合いが長い方から、「去年初めて広報を担当することとなって利用し始めた」という方まで、「PR TIMES」との関係性や広報歴もそれぞれ違っていて、多様な視点から意見が出てきそうな予感がします。
「誰が使っても便利」になるまで、改善を繰り返す
自己紹介を終えると、早速プレスリリースを作成する管理画面のプロトタイプを実際に操作していただく時間が始まりました。
松田「ITスタートアップ企業のPR担当になりきって、資金調達のプレスリリースを入稿してみてください」
お題のもと、レクチャーを受けながら、新機能が追加された管理画面を触っていきます。プロジェクトメンバーはゲストの方々の反応が非常に気になる様子で、テーブルを周りながら話しかけています。
この日までにユーザーテストを繰り返し、完成したプロトタイプにはいくつもの新機能がすでに追加されています。
たとえば「テンプレート機能」。用途や業種に合わせた多種多様なテンプレートをもとに、自社の情報を書き加えていくだけでプレスリリースを作成することができます。プレスリリースを書くために必要な情報も一覧化されているので、ゲストの方から「広報未経験の人でも簡単にプレスリリースを作ることができそう」という意見があがりました。他にも商品の購入ページなどのURLに画面遷移する「ボタン機能」や、タイトルやサブタイトルをAIが提案する「AIアシスタント」など、これまでにない機能に「早く実務でも活用してみたい」とワクワクしながら試す姿がみられました。
ただ、ポジティブな意見ばかりではなく「機能の名称がわかりづらい」「印刷プレビューも見れるようにしてほしい」など要望の声もあり、今後の課題もみえてきました。ゲストのみなさまからいただいた意見を参考に、これからさらに改善を繰り返し、新しい「PR TIMES」をつくり上げていくといいます。
(キャプ)ゲストから寄せられたフィードバックの一部
また、今回は管理画面のアップデートだけでなく、新ツール「PR Editor」についての情報も発表されました。
2023年12月にβ版の無料公開を予定している「PR Editor」は、「PR TIMES」のプレスリリースの原稿を作成する「エディター機能」を切り出した、Webブラウザ上で使用できるプレスリリースの作成に特化したエディターツールです。「PR TIMES」に企業会員登録していなくても、誰でも利用することができます。プレスリリースの作成をアシストする「テンプレート機能」や「AIアシスタント機能」など今回のイベントで紹介された機能はもちろん、文章にコメントをつけられる「コメント機能」や共同編集を可能とする「ファイル共有機能」など、年内のリニューアルでは「PR TIMES」の管理画面にはまだ導入されない機能もテスト的に搭載予定とのこと。「PR Editor」にいち早く新機能を実装することで、利用した方々のご意見や反応を得ることができ、改善して新しいUIや機能の精度を高めた状態で「PR TIMES」に反映していくことを意図しているそうです。
AIには奪われない、PRの仕事
ユーザーテストが終わると、続いて勉強会が開かれました。講師は生成AIの専門家であり、今回のリニューアルプロジェクトにも携わっている梶谷健人さん。テーマは「ChatGPT時代のPR 活用テクニックとPRの未来」です。
梶谷さんがゲストの方々に「ChatGPTを利用したことがあるか」と尋ねると、大半の方が手を挙げました。ところが「ChatGPTを業務で活用しているか」と聞くと、手が挙がったのは半分以下。業務でうまく活用できるかどうかは、AIへの指示となるプロンプト(指示文)が鍵を握るといいます。
梶谷「ChatGPTはざっくりした聞き方をすると、ざっくりとした答えしか返ってこないんです。だからChatGPTって大したことないとか、業務レベルでは使えないという人もいるのですが、それは上手に指示できていないから。ChatGPTは非常に豊富な知識は持っているんだけど、ものすごく融通の利かない部下のようなイメージです。まずは『あなたは経験豊富なプレゼンテーターです』などと具体的な役割を提示して、考える材料になる補足情報をできるだけ多く与えることが大事です」
実際に、「PR TIMES」の新機能「AIアシスタント」のプロンプトのテキストは、スライド二枚分にもまたがるほどの膨大な量なのだそう。「自分で生成したものに対して自己採点させる」などプロンプトの作成で使えるテクニックも色々と紹介してもらいました。
梶谷「生成AIを活用できない領域はありません。AIとうまく付き合うことができれば、生産性が10倍になる業務もあります。みなさんの中には『PRの仕事が全てAIに奪われるのではないか』と心配されている方がいらっしゃるかもしれませんが、僕自身はそうは思いません。AIが進化することで、“伝え方”は変わっていっても、“伝えること”は変わらないからです。PRで伝えるべきは、プロダクトや商品のコアとなる価値。情報が溢れる社会だからこそ、『誰が』『どういう思い』で伝えているのかの重要性が増すはずです」
生成AIの活用が進むと情報をスピーディーに発信することができるようになるため、世の中には情報が氾濫することになります。ユーザーにとって時間は限られているので、できるだけ質の高い安心感があるチャンネルから情報を得たいと思うようになる。そうなると企業がきちんと自らの思いを一人称で伝える「プレスリリース」の価値はどんどん強まっていくはずです。講演後には、プロンプトを作成するコツや、各々の実務に沿った質問がたくさん飛び出し、AIへの関心の高さが伺えました。
こうして第一回「PR Tea TIMES」は幕を閉じました。
松田「プロジェクト発足から一年以上かけてつくってきたプロトタイプを、みなさんにお披露目できて嬉しいです。本日のイベントで改めて、みなさんの力がないと『PR TIMES』は成り立たないことを強く実感しました。今後もユーザーテストやイベントの機会をたくさん設けていきますので、これからもお力添えください!」
イベントが終了してもゲストの方々は会場に残って、プロジェクトメンバーやゲスト同士でお話しされているのが印象的でした。「PR」という共通項を通じた「交流の場」として、みなさん素敵な時間を過ごすことができたようです。
ゲストの方々からはイベントに関して、「運営チームの皆さんの想いや人柄を知ることができて、改めて信頼できるサービスだと感じました」「ユーザーテストで触ることができる機能が限られていたのが残念でした」「大手企業に務める方が多かった印象で、もっと多様な参加者が集まると良いと思いました」など、様々な声が寄せられました。ゲストの方々の意見を取り入れた次回の「PR Tea TIMES」は、もっとパワーアップしたものになるでしょう。
今後もリニューアルプロジェクトは進んでいきます。その模様はこの連載にてお届けしていきますので、次回もまたお楽しみに。
【連載更新のお知らせはこちらから】
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取材・執筆:冨田ユウリ
撮影:持田薫
デザイン:大辻佑介(株式会社FLAG)
編集:星彩華(株式会社ツドイ)
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