悪い会社探しのプロが本気で挑む、良い会社探しプラットフォーム「QFINDR」。国内99%を占める非上場企業データを、幅広い方へ届けるために奮闘した挑戦の裏側。
株式会社クレジット・プライシング・コーポレーション(以下、CPC)は、『知的探究心溢れる多様な個性で、次なる挑戦への扉を開く。』という新たな企業理念のもと、主に金融機関向けの信用リスクコンサルティングや分析モデル構築を行う設立20年を超える会社です。
その私たちは2020年初頭に、独自開発の「良い会社探し」のための企業情報プラットフォーム『QFINDR』をリリースしました。
企業信用格付や倒産確率などに代表される信用リスク評価は、どちらかといえば「悪い企業を正しく評価する」ことを目的としたものです。
2001年の設立から信用リスク評価の第一線を走り続けてきたCPCが、なぜ真逆の「良い会社探し」のための企業情報プラットフォーム『QFINDR』を開発するに至ったのか。
今回は、QFINDRの開発初期からプロダクト・マネージャーを務めているシニア・コンサルタントの西家氏に、開発の経緯や、どのように「良い会社探し」をするためのプラットフォームを構築していったのか、また開発にかける想いについて話を聞きました。
良い会社探しプラットフォーム『QFINDR』とは。
QFINDRは、日本国内の約100万社の企業データベースをもとにして、売上高や営業利益などの定量的な条件、また大株主や代表者、取引先銀行、取扱い商材・サービスなどの定性的な条件、の両面において80項目以上の条件で企業検索を行うことができる企業情報プラットフォームです。
CPCは設立から20年に渡って企業の信用リスクを評価するためのモデルや分析技術などのノウハウ、分析のための国内上場・非上場企業のデータを蓄積してきました。
また、2013年以降の国内株式市場の好転に伴い、特に上場企業を投資対象として、優れた企業を求める声がより一層大きくなりました。その声を受け、これまで培った「悪い会社」を探す技術を「良い会社」を探す技術に転用できないか?という発想が社内で生まれました。
特に2010年代後半は、金融業界で通常の財務や株価などのデータではない、オルタナティブ・データの投資指標としての活用が注目され始めた時期でした。
そこで、2016年頃から国内の大手従業員クチコミサイト様と共同で、クチコミのテキスト情報から企業の組織文化の良し悪しを測定するための定量化スコア(VCPCクチコミインデックス)を開発したり、特許情報から高い技術力を持った会社を探したりするような、『良い会社探しプロジェクト』を、西家が主導して進めてきました。
『良い会社探しプロジェクト』は、これまで使われてこなかった情報を利用して、特に上場企業の良い会社を探すことを目的としていました。
プライベート・エクイティファンドやベンチャーキャピタルなどでも投資対象としての「良い会社」を探すニーズが今後増加するのではないか、という仮説を立て、CPCが保有する技術・非上場企業データを活用して「非上場企業の良い会社探し」ができないか、というアイディアがもととなり、QFINDRの開発プロジェクトがスタートしました。
アクセスしづらい「非上場企業データ」。国内の99%以上を占めるセグメントに、ニーズが集まっていた。
上場企業では、情報の開示や電子化が進んだことにより、有価証券報告書や統合報告書などの情報ソースを用いることで、近年上場企業のデータへのアクセスは格段に簡単にできるようになってきています。
500万社近くあると言われる国内の企業のうち、99%以上は非上場企業であり、一般的に情報開示が少なく、それらの情報にアクセスすることは極めて難しい状態です。
一方、国内の非上場中小企業で顕在化してきている事業承継問題や、逆に事業拡大のためのM&A、非上場企業の株式に投資を行うプライベート・エクイティ投資などでは、より深く、より素早く非上場企業のデータにアクセスし、M&A候補先リストや投資先リストを作成するようなニーズが高まってきています。
そのため、ユーザが簡単・直感的に操作でき、一般的な非上場企業データよりも深い洞察が得られるデータに、素早くアクセスできるように、QFINDRの設計を行いました。
データ分析専門の会社が、初めてWebサービスを作るにあたって。
立ち上げの意思決定をしたものの、CPCはモデル構築やデータ分析を専門としている会社のため、WebUIなどの開発を行うことができる人材がいませんでした。
そこで、会社としても全く新しいタイプの人材としてWebUI開発の担当を採用し、西家がデータベース実装とAPI実装を担当し、開発に着手しました。
これまでCPCが蓄積してきたデータベースには約100万社のデータが保持されているため、様々な条件で検索を行うためには、効率的な実装が必要となります。また、UIについてもユーザが簡単・直感的に操作を行うことができるように工夫を重ねました。
特にWebUIでは、「非上場企業データ」へのアクセスは幅広い層から求められている事もあり、企業分析のプロが使うような企業分析サービスではなく、就活生や転職者などの一般のユーザが利用するリクナビなどの求人情報サイトでの求人検索を参考に、より直感的で分かりやすいUIとなるように日々改良を行っています。
また、定量・定性両面での効率的な検索のために、データベースは一般的なリレーショナルデータベースだけではなく、全文検索に特化した分散型検索エンジンであるElasticsearchも用いることで、多様な条件での高速な企業検索を実現しています。
そのため、利用者の皆様からは、検索や閲覧の操作性について極めて高い評価を頂いております。
また、日々様々なユーザ様へのヒアリングを重ね、そこから挙がってくるユーザ様の声をそれぞれのエキスパートが力を合わせて、素早く取り入れることにも尽力してきました。
「わさび」をも扱う会社を検索したい。
非上場企業では扱う商材やサービスが極めて多様です。
そんな中、プライベート・エクイティ投資会社様やM&Aアドバイザリー会社様から、「一般的な業種区分での検索では『荒い』企業リストしかできないため、『食料品製造業』のような業種レベルでの検索ではなく、ピンポイントで「わさび」のような商材やサービスレベルで企業を検索したい」、との要望を頂きました。
そのため、非上場企業の各社の企業HPを独自に特定し、その情報をもとに自然言語処理技術を用いて、商材・サービスのタグ情報=QFAIアノテーションタグの開発を行いました。
QFAIアノテーションタグは7万種類以上のタグ情報で、上記の「わさび」だけではなく、「リチウムイオン電池」などの一般的な商材から「ペロブスカイト太陽電池」などの専門的な商材まで、幅広く検索対象とすることができます。
近年では、機械学習や自然言語処理などのアルゴリズムの専門家にもジョインいただき、最新のAI技術を用いて、企業HPから様々な情報を構造化データとして抽出したり、企業概要や想定される課題などを生成したりと、多種多様な情報を約100万社のデータベースに付加することを行っています。
PEファンドやM&Aアドバイザー以外からも。
QFINDRはリリースして2年余りで、30社以上の企業様にご導入頂いております。
お客様からは、
- 企業ソーシングの幅が広がり、より効率的になった。
- 個社を調べたいときにすぐに調べられる。
- 類似のサービスがありそうでない。
などのご評価を頂いております。
近年、事業会社様が買収先の企業候補を自社自身で探すことが増えてきており、事業会社様からのお問い合わせが増えてきております。
また、地域金融機関様などでも所在都道府県の外の都道府県の企業データへのアクセスのためにご利用いただくケースも増えてきています。
そのため、より一層のデータ拡充や精度向上を進めています。
良い会社を「発掘する」体験から「つながる」体験へ。
QFINDRでは、これまでアクセスが難しかった非上場企業のデータに簡単にアクセスし、「広大な企業の海から、良い会社を探し発掘する体験」を通して、良い会社にお金や人材や技術が適切に流れ、企業同士の連携が活性化されていく社会を実現することを目指しています。
まだまだ、非上場企業のデータに上場企業のように簡単にアクセスするのは一般的に難しいです。
CPCの既存の技術や、新しく生まれてくる技術を使い、上場企業レベルの非上場企業データを目指して、データ拡充と精度向上を行っていきたいと思っています。
さらに、良い会社を「発掘する」プラットフォームとしてだけではなく、将来的には、良い会社と「つながる」ことができるマッチング・プラットフォームへと進化させていきたいと考えています。
ぜひ、これからのQFINDRにご期待ください。
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