Logo

お気付きの点があれば、いつでもお声かけください!

水族館のミュージアムグッズ市場に一石を投じたい。大人の女性が欲しいと思える、オシャレだけどさりげない海の生き物デザイン「umi-mikke(うみみっけ)」が誕生するまで

著者: 株式会社オークコーポレーション

株式会社オークコーポレーション(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:奥福雄)は、全国の博物館・美術館・水族館・動物園等にてミュージアムショップを運営しています。今年で創業36年を迎え、これまでに約40館のミュージアムショップを手掛けてきました。

なかでも水族館のミュージアムショップは、現在7店舗を運営しています。各店舗にて魅力ある商品ラインナップを実現するため、それぞれの特色にあわせたオリジナル商品を制作するのはもちろんのこと、水族館向けのプライベートブランドを企画・開発し、運営店舗のほか全国の水族館にて販売しています。

そのような中、さらなるニーズに応えるために2016年に誕生したのが、「umi-mikke(うみみっけ)」です。北欧風のオシャレでさりげない海の生き物デザインは、多くの水族館のお客様からご好評をいただき、大人の女性が日常遣いできる水族館商品として、水族館のミュージアムグッズ市場に新しい風と可能性を吹き込みました。このストーリーでは「umi-mikke」開発の経緯とこだわりをお伝えします。


2016年発売当時の初期ラインナップ(現在は終売している商品も含みます)

全国26店舗を運営する当社が考える、ミュージアムショップは「もう一つの展示室」というコンセプト

当社では「高感度なミュージアムショップの経営と、高品質なミュージアムグッズの創出を通じて、社会に貢献」という企業理念のもとに、全国26店舗(2023年8月現在)のミュージアムショップを運営しています。私たちは、ミュージアムショップは「もう一つの展示室」であると考えています。展示施設の特色や理念を反映した内装や品揃え、オリジナルグッズのデザインやSNSでの発信などを行うことで、単なる売店ではなく、教育普及や広報活動の一端を担う場所にもなり得るからです。


<運営店舗事例>国立アイヌ民族博物館ミュージアムショップ


<運営店舗事例>富山市ガラス美術館ミュージアムショップ


<運営店舗事例>劇場型アクアリウム「AQUARIUM ✕ ART átoa」ミュージアムショップ


お客様はミュージアムショップに立ち寄り、展示を見た記念や感動をグッズに託してお持ち帰りになり、グッズはお客様の元で思い出として寄り添い、時にはまた足を運ぶきっかけを育みます。ミュージアムグッズは展示施設とお客様をつなぐ大切な役割を果たしてくれます。

<グッズ事例>四国水族館「お遍路ぬいぐるみ」


<グッズ事例>築地本願寺「四季の和三盆」


<グッズ事例>福岡市美術館「こぶうしくんボールチェーンマスコット」「こぶうしくんぬいぐるみ」


展示施設の重要な一部分をお任せいただく当社では、ミュージアムショップ運営会社として業界のリーディングカンパニーを自負し、常にナレッジとノウハウを蓄積して、あらゆる業態の展示施設に対応できるよう備えています。

ミュージアムショップ立ち上げを担う店舗運営部や、ミュージアムグッズを企画・制作する開発部、そして実際に店頭に立つショップのメンバーの中には、学芸員資格を保有していたり、さまざまな生き物を飼育していたり、全国各地の水族館や博物館を巡ることを趣味にしていたりと、プライベートでも研究を怠らない、こだわり強めな布陣を誇ります。

展示施設と足並みを揃え、展示で得た感動や知識を形にしてお持ち帰りいただくショップとグッズの開発・販売を日々行なっています。

2009年、水族館グッズのプライベートブランド開発に着手

遡ること2009年、水族館ショップの運営店舗増加を背景に、各施設のオリジナルグッズのほかに、水族館向けの自社商品の企画・開発を行い、全国の水族館での販売を始めました。数年かけて実現した水族館限定の「亀田製菓 柿の種」「グリコ プリッツ」のネームバリューが後押しとなり、大型施設との取引を増やすことに成功し、自社商品の有益性と可能性を大いに感じるターニングポイントとなりました。


2009年発売の最初の自社商品 女児向け水族館グッズ「アクアプリンセスシリーズ」


ファミリー層が多い水族館で人気のメラミン食器シリーズ「Have a happy time」


発売以来、食品の中でもダントツに売れ続けている「水族館限定 亀田の柿の種」


これを受けて、さらなるプライベートブランド開発の機運が高まります。

商品企画開発担当を中心に、水族館向けグッズの企画では後発となる当社が参入できる場所を探すなかで、店頭商品のラインナップに対して大人の女性たちから不満の声が聞かれる事に着目しました。

“子供向けしかない。おもちゃが売っている場所ってイメージ”

“大人が買えるようなものなんて、売ってなくない?”

“お土産用のお菓子を買うだけ。他に欲しいと思うものも無いし”

確かに水族館のミュージアムショップは、子供向けの商品が多い印象でした。水族館はファミリー客が多く、主力商品は子供向けの食器やぬいぐるみと、お土産としての食品がダントツ人気。ファミリーで来館したママ層を含めた大人の女性客の多さに対して、彼女たちが自分のために購入するのに適した商品の少なさが、上記のような不満の声に繋がっていると考えました。

女性は文具や雑貨など日常的に使うものに楽しみの要素を求める傾向が強く、またせっかくの来館の記念に何かを買いたいという購買意欲も高いはず。大人の女性が持っていて違和感の無いデザインのもの。しかも、水族館を訪ねた思い出の品でありながらも日常で使えて愛用品となり得るようなもの。

必要とされている商品イメージが漠然とできあがり、「大人の女性が愛用したくなる、毎日使いたくなる、(だけど実は)水族館グッズ」というコンセプトができた瞬間でした。 

日々お客様に接する店舗スタッフからも希望や意見をヒアリングし、プライベートブランドとして育て上げる企画を数点、決定しました。それらの企画の中の目玉のひとつが、のちの「umi-mikke」へと発展していきます。

ターゲットは30代女性! 大人の女性に似合う、オシャレなグッズ開発にチャレンジ 

大人の女性にとって、イルカやペンギンが大きく描かれたデザインは、“子供っぽく見える”“オフィスシーンにそぐわない”等の理由で敬遠されがちです。そこで、北欧テキスタイルを参考にして、生き物が柄と一体化してパッと見では生き物が明確にわからないような模様にすれば、大人の女性の“水族館に来た思い出に何か買いたい”と思う気持ちに寄り添えるのでは、と閃きました。

商品企画開発担当のほかに、売り場やお客様の嗜好を一番知っている店長、デザイン性と生き物の特徴を両立させるデザイナー、市場動向を広く押さえる卸営業など、社内の各分野のメンバーから情報を集めたり意見交換をしたりしながら、大人の女性をターゲットにしたデザインイメージを固めていきます。

モチーフは、様々な水族館グッズの売れ行きなどから、ペンギン、チンアナゴ&ニシキアナゴ、クラゲの3種を想定し、イメージ資料やラフに意見を加えながらデザイン案を作成しては修正する、ということを繰り返して進めていきます。水族館のグッズである以上、水族生物の特徴を正しく表現するということは譲れないものの、デザインとして北欧風に仕上げるさじ加減が難しく、生みの苦しみをかなり味わいました。しかし、“絶対に大人の女性を驚かせ、嬉しそうにお土産を買う姿を見たい!” という思いを原動力に、探究を続けました。


苦労の末にデザインが確定しました!umi-mikkeが形になった瞬間です


(左)ペンギン:ペンギンの卵にも見える丸いものが連なるイメージに、4種のペンギンを当てはめました。卵から生まれるペンギン、様々な羽の模様、白黒のペンギンのコントラストを連想させるデザインです。

(中)チンアナゴ&ニシキアナゴ:デザイナーが総出でチンアナゴとニシキアナゴのイラストをいろんな風に並べ、試行錯誤を繰り返して、水玉とボーダー柄を感じさせる様々な模様を組合せた形に辿り着きました。

(右)クラゲ:水の球とクラゲの集まりが花のように見えるよう構成し、そのなかに6種のクラゲを描いています。


大人の女性が持ちたいと思えるオシャレさはもちろんのこと、ただクラゲやペンギンを描いているのでは無く、クラゲは6種、ペンギンは4種の種類を描き分け、水族館のミュージアムグッズに相応しいこだわりを組み込むことで、一般のアニマルグッズとは一線を画したものとなりました。

デザインと共に大きな壁となったのが色使いです。基本色が定まるまで何度も話し合いを繰り返し、出力紙の束は10センチを超えるほどの厚さに。水族館商品はピンクや水色が主流です。ペンギンに採用した黄色は水族館では売れない色とされていて、黄色い商品はまったく無いなかで、かなりの挑戦でした。ショップ店長やスタッフの意見も割れ、男性は否定的、女性は肯定的な反応。

最終的には、ペンギンの種類によってはボディーカラーに黄色が含まれていて、ペンギンを象徴できる色であること。また、3種類並べた時のバランスや店頭でいかに映えるかを考慮して、デザインを最も活かす色=黄色に決定しました。


試行錯誤の跡。様々な配色を試した結果、ベストな色に落ち着きました。


思い切った決断となりましたが、結果としてはペンギンが一番売れゆきが良く、「黄色は売れない」というそれまでの常識を打ち破り、良いデザインならお客様は受け入れてくださることを学ぶ機会にもなりました。


ブランド名でも悩みましたが、北欧柄に隠された海の生き物を見つける楽しみを表現した「海、見っけ!」=「umi-mikke」に、関わった全員が賛同して決まりました


初期ラインナップでは、大人の女性が仕事でも使えるような、文具や雑貨を充実させました (現在は終売になっているものもあります)


水族館のミュージアムグッズ市場といえば、主流の客層となるファミリー層向けグッズで同じパイを奪い合っている状況でしたが、大人の女性という新たな層に対してのグッズを展開し、ゼロをプラスに変えられたことは大きな成果として業界にも受け入れられました。また、社内でも新しい客層の開拓にチャレンジしやすい環境ができ、今まで作らなかった商品や大人向けでより実用的な商品にトライすることができるようになりました。


2016年3月に発売した「umi-mikke」。これまでにないデザインは店頭でも目を引きました(名古屋港水族館ミュージアムショップ) 

一気にたためるショッピングバッグ「Shupatto(シュパット)」とのコラボを企画。「ここで買いたい」と思っていただけるアイテムを目指して

オシャレな水族館グッズとして成長した「umi-mikke」。コロナ禍の停滞期を挟み、再び観光市場の盛り上がりを迎えた今年、カラーリニューアルを実施しました。キーワードは「KUSUMI(くすみ)」。近年流行っている“くすみカラー”と呼ばれる彩度の低いグレイッシュなカラーを「umi-mikke」にも取り入れ、新商品を製作しました。


KUSUMIカラー 3種並べた時のバランスに難航し、色替えだけで3ヶ月を要しました


リニューアルに際しては、北欧柄が活きる総柄のバッグに挑戦してみたいという思いと、近年マイバッグ普及率が格段に上がったことから、エコバッグを念頭に進めていきました。恐らく既に持っているであろうエコバッグの2個目、3個目を水族館のショップで買っていただくためには、「ここでこれを買いたい」と思っていただけるような、特別な商品である必要がありました。

そこで、デザイン性と独自の機能性を兼ね備えた、他のエコバッグとは異なる存在である、株式会社マーナ(本社:東京都墨田区)の「Shupatto(シュパット)」とのコラボレーションを思いつき、アプローチさせていただきました。これまで多くの企業とコラボ商品実績のあるマーナですが、「umi-mikke」のコンセプトに共感していただき、実現することができました。


「umi-mikke x Shupatto」ショッピングバッグ


店頭売上は好調で、自社運営店舗7カ所以外でも全国10館ほどの水族館でお取引いただいています。今後も「umi-mikke」は、ミュージアムグッズ市場内での流行だけではなく、広く世の中のトレンドや需要を反映させて、日常の中で愛用される水族館グッズブランドとして成長していきたいと考えています。


「umi-mikke x Shupatto」ショッピングバッグ販売風景。「Shupatto」の知名度により、売れ行きは好調です(名古屋港水族館ミュージアムショップ) 

【umi-mikke × Shupatto】ショッピングバッグ商品詳細

商品名:umi-mikke KUSUMI Shupatto ショッピングバッグ

価格 :2,700円(税込) 

サイズ:W350mmxH300mm 

    ※サイズは一例です。中に入れるものの形状により変化します。

素材 :生地(ポリエステル100%) 

販売開始日:2023年7月5日(水)

取扱店舗:すみだ水族館ミュージアムショップ、新潟市水族館 マリンピア日本海ミュージアムショップ、スマートアクアリウム静岡ミュージアムショップCOCO AQUA、名古屋港水族館ミュージアムショップ、京都水族館ミュージアムショップ、神戸ポートミュージアムátoaミュージアムショップ、四国水族館ミュージアムショップ、宮島水族館ミュージアムショップ 他

オークコーポレーションECサイト https://auc-onlineshop.stores.jp

※入荷状況・在庫状況に関しては、各店舗へ直接お問い合わせください。


ペンギンやクラゲを描いた北欧風のデザイン「umi-mikke (うみみっけ)」と、一気にたためるショッピングバッグ「Shupatto(シュパット)」がコラボレーション!

PR TIMES




行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ
STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。

この他の企業のストーリー

6min read
United State Land Seismic Equipment and Acquisition Market by 2020-2025
United State Land Seismic Equipment and Acquisi...
6min read
株式会社アールキューブ
「業務用餃子の餃包」はなぜコロナ禍に月次125%で成長するのか。社長初日にリストラ、2度の倒産危機から大逆転の裏側。
「業務用餃子の餃包」はなぜコロナ禍に月次125%で成長するのか。社長初日にリストラ、2度の倒産...
8min read
パナソニック株式会社 コミュニケーションデザインセンター
特許取得の「パソコンくっきり光」「文字くっきり光」を搭載!ニューノーマル時代の「LEDデスクスタンド」ができるまで
特許取得の「パソコンくっきり光」「文字くっきり光」を搭載!ニューノーマル時代の「LEDデスクス...
4min read
STORES 株式会社
店舗拡大中のパーソナルジムを支える予約システム「STORES 予約」―「REAL WORKOUT」の導入の背景にある「複数店舗ならではの課題」と「現場で徹底ヒアリング」
店舗拡大中のパーソナルジムを支える予約システム「STORES 予約」―「REAL WORKOU...
4min read
ライク株式会社
障がいを持たれる方の「働く」を叶える支援員の想い
障がいを持たれる方の「働く」を叶える支援員の想い 東京品川区、大森駅前北口から徒歩1分のビルの...
6min read
合同会社BIGS
整形外科医・歌島大輔がうちわを使ったセルフケアで「肩の痛み」を解決。誤った医療情報に警鐘を鳴らし、著書へ込めた想いを語る。
整形外科医・歌島大輔がうちわを使ったセルフケアで「肩の痛み」を解決。誤った医療情報に警鐘を鳴ら...
6min read
佐賀県
みんなで作り上げる「SAGA2024国スポ・全障スポ」の象徴・アスリートのピクトグラム化
みんなで作り上げる「SAGA2024国スポ・全障スポ」の象徴・アスリートのピクトグラム化 「国...
6min read
株式会社TRULY
オトナの男女に寄り添う更年期ケア・スタートアップ【TRULY】がついに女性ホルモン検査キットをリリース。創業者が語る、まずは自分自身を「知る」ことの大切さ
オトナの男女に寄り添う更年期ケア・スタートアップ【TRULY】がついに女性ホルモン検査キットを...
4min read
IW-PR合同会社
かつての港町の賑わいを取り戻したい。地元住民の集い場と観光客への拠点をめざす鮮魚店+漁師料理店「IWANAI BANYA 魚希」のオープン秘話
かつての港町の賑わいを取り戻したい。地元住民の集い場と観光客への拠点をめざす鮮魚店+漁師料理店...
6min read
株式会社SUM RICE
農業経営環境を変えるべく創業した「株式会社SUM RICE」。野菜パウダー・乳酸菌K-1をコーティング加工米「野菜サポート米」が商品化するまでのストーリー
農業経営環境を変えるべく創業した「株式会社SUM RICE」。野菜パウダー・乳酸菌K-1をコー...