災害時に大切なペットの命を守る「PFIキャリーバッグ」開発秘話
創業80年、朝日加工株式会社は「小さくてもキラッと光る企業を目指して」をモットーに、鞄の生地を基軸に高品質素材作りを心掛け、鞄生地の染色において国内トップシェアを誇ります。
その他防災生地(救命胴衣、テント、非常用持ち出し袋)の製造や雑貨用途生地の製造、各種製品の取り扱いも多く行っているのが特長。
カバンの生地染色を手掛ける国内唯一(※)の会社です。
このストーリーでは製品開発に込めたこだわりと、商品の魅力についてお話しします。
※合繊の場合
ペット防災×アウトドアをコンセプトとしたペット用品ブランド、PFI-Pet Friends Industry-
PFI-Pet Friends Industry-は、2022年春に設立した、ペット防災×アウトドアをコンセプトとしたペット用品ブランドです。
バッグの生地を手掛ける企業として、「バッグを作って市場に供給したい」という思いがありました。
また、ペットを飼育している従業員も多く、ペット用品について話を聞く事も多かったです。
一方で、素材が今一つと感じるペット用バッグが多い中で、大切なペットを守れる丈夫な素材を提供できるのではないかと考えていました。
そこで、コンサルタントを雇い、「ペット防災」についての現状を聞き、その必要性を痛感。
普段使いにも、いざという時にも、安心して使えるバッグを作りたいという思いで試行錯誤を繰り返しました。
目指したのは、「日常のいろんなシーンが避難訓練になる」 バッグ
皆さん、一度は避難訓練を経験したことがあるのではないでしょうか。
ですが、ペットと一緒に避難訓練をしたことがある方は少ないはず。
万が一の時、どの道を通って、どこの避難所に逃げるのか。避難所はペットの受け入れを行っているのか。道が悪い場合は、どのように運ぶのか。
普段使っているカバンが避難の時に使えたら、ペットのストレスも軽減できるのではないでしょうか。
そこで、考えたのがいつものお出かけが避難訓練になるキャリーバッグです。
ペット用バッグへのこだわりから始めた新しい挑戦、そして、そこで知り得た「ペット防災」という現実。その開発やリリースにあたっては、さまざまなこだわりや試行錯誤がありました。その一部をお伝えしたいと思います。
ばね式拡張機能により、素早く2倍以上に広がる空間を実現
PFIキャリーバッグの最大の特長は、後方に広がる拡張機能です。
「バッグが広がる」というアイデアは比較的初期のころからの案としてあがっていましたが、「素早く、かつ2倍以上のスペース」と考えていた構想があり、その機構の確立には思いのほか時間を要しました。
拡張部分に関してですが、まずはジャバラ式を考案しました。ところが、広がる面積のわりに天井が低く、あまり意味がないということに気がつきました。
次に、天井部分の高さをキープしながら拡張できるシステムとしてパネル式を検討しましたが、組み立てに手間がかかり自立性も十分ではなく、理想の形にはほど遠いものでした。
そんな折、あるメーカーの「ばね式拡張機能※」とめぐり会い、理想のスピードと空間を持つ本仕様を確立することができました。
※「ばね式拡張機能」は弊社提携企業の特許取得品です。
こうして、ペットたちがリラックスできる納得の機能で、自信をもってこのバッグを世に出すことが可能となりました。
ペットをしっかり守る丈夫さや制菌作用を完備。大事な命を守るためにこだわり抜いた生地
「カバンは単なる“容れ物”ではない」…創業80年の歴史の中で、私たちがいつも心に刻んでいることですが、中でもその多くを構成する「生地」へのこだわりは、誰にも負けたくはありません。
特にペット用バッグ市場における生地の現状は、残念ながらそんな意識から遠いものばかりだと感じました。
「ペットをただ入れるだけのものではなく、しっかり守って快適に過ごせる空間を提供するべきだ」、そう考えたときに、まずはその生地を見つめなおすことからスタートしました。
外側の生地は、数年間学生がハードに使用するスクールバッグや防弾チョッキの表皮にも使用される「ナイロンオックス1680デニール」です。タフな使用に耐えられるその素材には、ペットに長く親しんでもらいたいという願いを込めました。
内側の生地は、制菌剤を練り込んだ繊維に特殊な消臭剤をコートしたものです。大事な命を、ばい菌や不快なニオイから守りたいという気持ちから選定しました。
余談ですが、カバンのコストを下げる方法の一つは、生地の選定を見直すことだと業界では言われています。しかし、私たちには生地のこだわりを捨てることはできませんでした。
「大事ないのちを守るための価値のあるバッグを提供したい」それが、私たちのポリシーです。
丈夫な生地でも軽く、壊れにくい仕様を追及
丈夫な生地で作ったカバンは、その反面重くなってしまいます。
しかし、重すぎるバッグは搬送性が悪く「運ぶ」という重要な役割を果たすためには悪影響を与えてしまいます。
最初の試作では、ショルダーベルトの位置が上端より下がった部分にあり、荷重がかかった際にバッグが斜め後ろ後方にずれてしまう現象が頻発しました。
そこで、吊元を真上につけなおしましたが、今度は取り付け部分でショルダーベルトが抜けてしまう懸念が生じました。
試行錯誤の結果、バッグ内側から「カンヌキ」縫製という補強縫製を行うことで、15㎏の荷重にも24時間以上耐えられる仕様が完成しました。
ユーザーの反映した様々な追加機能
私たちが一番苦労している点、それは「ユーザーの視点を身に付ける」ということです。素材や縫製の良さを伝えたい!という思いが強すぎると、どうしてもユーザーの方の要求案件に目を向けなくなる傾向があります。
もう少しでリリース寸前…
そんな時に、幾つかのモニターやご意見の聴取を行いました。そうして生まれたのが、「なでなでホール」「外れるポケット」「ひんやりあったかマット」等の機能です。
なかでも、「病院でおびえる愛猫を慰めてあげたい…」そんな飼い主様のご意見から生まれた「なでなでホール」は、PFIキャリーバッグの1、2を争う人気の機能の1つです。
今では撫でる機能だけでなく、ワンちゃんが鼻先を出してくれるかわいい機能も追加になりました。
ひょっこり顔を出す仕草で、簡単に「映え写真」が撮れてしまいます。
〈PFIキャリーバッグ愛用者様ご提供写真〉
とはいえ、長い間、生地の染色加工のフィールドだけを生業にしてきた私たちにとって、お客様のご要望されるニーズを形にしてゆくという作業は、まだまだ不慣れな点が多いものです。末永く愛されるブランドになれるよう精進の日々を送っています。
ニーズから生まれた機能
なでなでホール
キャリーバッグの窓を開口していない状態でも、手を入れてなでることができ、安心感を与える事が出来ます。
外れるポケット
バッグ前面についているポケットを取り外すことでポシェットに変身。
貴重品・携行品を入れて、ポシェットだけ外して持ち歩くことも可能です。
ひんやりあったかマット
キャリーバッグの底面に敷いているマットはポケット付き。
暑い時は保冷剤を、寒い時はカイロを入れることができます。
防災ポーチ
もしもの時の防災ポーチは国内防炎基準をクリアした生地を使用しています。
炎に触れても燃え広がらず、中に入れている防災グッズや貴重品などを守ります。
PFIキャリーバッグ完成・販売開始
2022年9月より販売を開始し、今ではお取り扱い店舗数も100店舗(※)を超えるようになりました。
まだまだ認知度は低いかもしれませんが、大手ECショップやチェーン店での取り扱いが進んでおり、更に発展することが期待できるようになりました。
また、一部のお店ではPFIスタッフが店頭に立ち販促するイベントも開催させていただき、商品について直接ご説明をさせていただいております。
その中では、労を要した「拡張機能」「なでなでホール」については、ほとんどのお客様からご評価を頂き、生地のこだわりについても理解を深めていただける機会になっております。
※ECショップ含む
ペット防災について伝えていくことが私たちの使命
もう間もなく、防災への意識が高まる9月に入ります。
9月1日の「防災の日」は災害への備えの見直しや、防災の知識を学ぶ機会でもあります。
また、9月7日は「ペット防災の日」です。
地震・台風・豪雨…災害大国と呼ばれるこの国にペットと共に生きる私たちにとって、「ペット防災」を考えることはとても重要なことです。
防災でも使用できるペット用バッグの開発に携わるようになり、しっかりとしたモノづくりはもちろんのこと、ペット防災の現実に向き合って皆様にお伝えしてゆくことも、私たちの使命の一つであると感じるようになりました。
「ペットとの毎日が避難訓練になる」
その理念を胸に、これからもみなさんの「万が一」にお役に立てる商品を提供して参ります。
また、様々なイベントに積極的に参加し、ペット防災について広めていきたいと考えております。
この仕事をしていて、1番お問い合わせが増えるのが災害後になります。
当事者になった時に動く方が多いのが現状です。
ですが、イベント時に「ペット防災」の言葉に反応する方はたくさんいらっしゃいます。
すぐに意識を変えてもらうことは難しくても、「ペット防災」この言葉を知って、考えてもらうことから少しずつ状況は変わるのではないでしょうか。
イベント情報
イベント名:DEKAKERUwankobuyori ~ペット防災について考えよう~
『ペット防災危機管理』がテーマです。
日時:9月10日(日)
場所:にぎわいの森
〒511-0428三重県いなべ市北勢町阿下喜31番地
時間:10:00~16:00
店舗数:40店舗程
駐車場:500台程
イベント名:TokaiEcoFesta×DEKAKERUwankobuyori
『エコ』がテーマです。
日時:9月23日(土)24日(日)
場所:モリコロパーク
〒480-1342 愛知県長久手市茨ケ廻間乙1533-1
時間:10:00~16:30
入場料:無料
東海エコフェスタ・・芝生広場
デカケル わんこびより・・・観覧車前広場
◾️東海エコフェスタさん
観覧車前の芝生広場で開催
キッチンカーなどの飲食店・ハンドメイドクラフト・雑貨・ワークショップなど
各日100店舗ほどがあつまります。
ステージやお子さんの遊べる広場もあります。
空いたスペースにはレジャーシートなどを敷いてもOK!
イベント名:アニマルピックフェスタ in 浜名湖 2023
日時:9月30日(土)10月1日(日)
場所:浜名湖ガーデンパーク特設会場
〒431-1207 静岡県浜松市西区村櫛町5475-1
時間:10:00~16:00
入場料:無料
ペットと楽しむアウトドア!新しいライフスタイル、見つけよう!
是非、ご来場ください。
お問合せ先
朝日加工株式会社 PFI事業部
担当:本坊(ほんぼう)、野呂(のろ)
TEL:06-6271-2046 FAX:06-6271-2060
メールアドレス:info@pfi-pet.com
ブランドサイト:https://www.pfi-pet.com
本社:〒541-0054
大阪府大阪市中央区南本町1-8-14 JRE堺筋本町ビル8階
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