家族への想いと震災の体験から生まれた!持ち運べるレンジバッグ「WILLCOOK」開発の3年間
わたしたち株式会社WILLTEX(ウィルテックス)は、糸一本一本が発熱する異次元の布製ヒーター「HOTOPIA」を使用した、製品開発・事業構築する様々な事業を行っています。アパレル業界で培った企画・開発力とパートナー企業の製品や技術力を活かして、課題解決とともに、求められることを実現することで、アパレル業界のものづくりを根底から変えていくこと、そしてアパレル業界にとどまらず、さまざまな業界において、布を使った豊かな未来をつくるヒーローを目指しています。
独自の特許技術に裏打ちされたWILLTEX4つのビジネス
繊維、編み、伸縮電線、すべてが独自の特許技術で構成されるこれまでにない繊維(布)、それが「HOTOPIA」をはじめとする「EXFIBERS」です。
通常の布と全く変わらない性能を持ちながら、導電することによって、発熱・冷却・センサーにもなる、あなたの生活を一変するほどの可能性に満ちた技術・製品です。発熱や感知などの機能は繊維自体が行うため、柔軟であり軽量、断線の心配がない耐久性に優れた面状導電体です。
三機コンシス様が特許を持つ繊維技術「HOTOPIA」に対して、WILLTEXでは、ライセンス契約を結び、製品の企画・開発、販売を行っています。また、複数のパートナー企業と協力をして、製品の製造をおこなっています。
具体的には、4つの事業を行っています。
1つめは、働く人の健康を守る、働く人を快適にする、未来的ワーキングウェアを布で実現する事業。
2つめは、あらゆる布製品(アパレルブランド、下着メーカー、バイクウェアなど)とEXFIBERSの融合事業。
3つめは、工業用ヒーターの製造・販売を手掛ける株式会社スリーハイと連携した事業。
4つめは、人の五感を拡張するEXFIBERSを使用した自社ブランドの開発。
この自社ブランドの開発として、2022年より「WILLCOOK」ブランドを展開しております。
WILLTEX立ち上げのきっかけは、真冬の部活応援に欠かせなかったベンチコート
私たちWILLTEXは、繊維業界の出身のメンバーが、それぞれの想いが重なり合い、ファブリックヒーターで温かな未来を作ろうと立ち上げた会社です。
創業のきっかけの1つは、Promotion Director・上田 彩花が息子の部活応援をするために着ていたベンチコートにあります。
1年中部活、土日遠征をする子供の応援に行くときのこと。真冬にも外で応援する親たちの間で、寒さは大変なものでした。
ならば、自分たちに必要なヒーターウェアを作ろう! と思いたち、電熱線を利用するのではなくヒーター自体の開発から研究を開始。
銀ペーストを細くして線状にし、オーブンで焼いて、自分で印刷してヒーターができないかと研究を日夜おこなっていました。
▲写真:実際に作った銀ペーストを使った試作ヒーター
個人レベルでの作業では塗り方にムラができたりもし、その分野の研究所までいって研究依頼をするなどを経て、とある展示会に試作品を出展。
この展示会で、三機コンシス様が世界初の技術として開発した繊維自体が発熱するこれまでにない布製ヒーティングシステム「HOTOPIA」に出会います。
私たちが必要とし、目指していた技術がすでにあることがわかり、すぐに三機コンシスと打ち合わせをすることに。
三機コンシス様の技術と、WILLTEXの繊維業界を知り尽くした強みで、未来の事業が作れる、こう確信しWILLTEXを立ち上げることになりました。
電子レンジは持ち運べる時代へ。どこでも温かく!レンジバッグ「WILLCOOK」
▲写真:WILLCOOK
三機コンシス様の糸一本一本が発熱する異次元の布製ヒーター「HOTOPIA」は、導電繊維を独自の技術で編み込む特許技術ともう一つの特許である伸縮電線で、通常の布と同じ柔軟性・軽量性を持ちながら、素早く均一な温かさを実現する布製ヒーターです。WILLCOOKはこの布製ヒーターを使用しています。
コンビニで購入した温かいペットボトルはすぐに冷めてしまいますが、WILLCOOKに入れておくことで、大人がおいしいと感じる60℃を2時間キープすることができます。
さらに、WILLCOOKは保温の為に入れている断熱綿と遮熱効果の高いアルミフィルムの効果で高い保冷力も備えています。発熱機能を使わない季節は、保冷機能でも楽しみが広がります。
外出先でもレトルト食材を20分で温めることができます。日常時も非常時も役立てることができる備えない防災「フェーズフリー」にも対応しています。
2022年makuakeにて11,068,000円の応援購入を達成しました。
阪神淡路大震災での温かい食事のありがたさを思い出し、WILLCOOK開発へ走り出す
WILLCOOK誕生のきっかけは、上田が自身の子どもたちに冬に温かいものをという想いの他、代表取締役・木村 浩が1995年の阪神淡路大震災を経験したことにもよります。
震災直後、ガラッと変わる日常。同僚や知人の安否の確認、安全確保の必要、インフラがすべて止まるなど、非日常が続く中、自衛隊による炊き出しで食べた温かい食事。温かい物を食べ、震災後初めて生きている実感がわいた木村。その時初めて、現実(人との別れ)を受け入れ、涙がとまらなかったとのこと。悲しみ・苦しみよりも生きることに精一杯で、人々が寄り添い、はげましあって生活を過ごしていた中、温かいものを食べることで心が取り戻されたのです。
震災後、日常に戻り忘れていたこの体験を、上田の企画で再度思い起こすこととなり、WILLCOOKの開発へ走り出すことになりました。
開発まで3年間。4社の得意領域を生かした開発の現場
WILLTEXが三機コンシス様の「HOTOPIA」に出会ってから、WILLCOOKを完成させるまで3年間。
WILLCOOKは、WILLTEX、三機コンシス様の他、株式会社丸東様、株式会社スリーハイ様の4社の協力で開発が行われました。
4社での開発にあたり、木村は、各会社のポジショニング、ロジック、政治的観点を含めず、ものづくりだけに本気でこだわった開発にしたく、技術や現場を知るメンバーだけでの開発体制を構築、女性メンバーだけでのプロジェクトとして開発がスタートしました。
WILLTEXは企画、三機コンシス様は技術アドバイス、スリーハイ様は素材調達・試験、丸東様は製造を担当。
利便性と安全性を追及し、2022年ついに完成
WILLCOOKには、最終の形状にいきつくまで、主に温度・大きさ・素材において課題がありました。
当初、高温で湯が沸かせるようなものとして着想していましたが、安全性の観点から、簡単に手軽に使えることをポイントとし安全のため温度を下げ最適な温度になるように開発。さらに高い保温機能を実現するため高温をキープし熱を籠らせるために、バッグ構造へと行き着きました。
サイズも、おにぎりをすぐ温めることができるよう小さいものを想定していましたが、飲み物も温めることができるようペットボトルが入るサイズへと修正。
また、外に放熱させない素材が何かを探すため、工業用分野に強いスリーハイが工業用途
の布ではない素材で断熱性が高いものを調達し試験を行いましたが、最終的には毎日使える手軽な製品にしようと繊維製品で高性能な綿素材に行き着きました。
こうして着想から3年を経て、2022年にクラウドファンディングサイト「Makuake」にてWILLCOOKが世に発表されることとなりました。
ユーザーの声を反映し、登山用やコラボ製品も発表
WILLCOOK HO-ONをリリース後、応援者していただいたみなさんに、実際に使った感想・便利だった利用方法・逆にこうしてほしい!という改善点やご要望をインタビューしました。そんな中、山での利用を想定されている声が多かったことから、登山をする方にさらに深堀りインタビューを行い、機能は継承しつつ、素材や形状を新たにした登山に最適化された「WILLCOOK TREK(ウィルクック トレック)」を開発し応援購入を実施しました。
WILLCOOK TREK(ウィルクック トレック)応援購入ページ
さらに、第1弾、第2弾での応援購入実績を認められ「WILLCOOK」が『ジュラシック・パーク』とコラボ することになり、2023年9月7日より、応援購入が開始されました。
冒険でも快適な食事を。WILLCOOK第3弾 『ジュラシック・パーク』コラボ
WILLCOOKを利用したレシピの開発
日常で気軽に利用できるWILLCOOKをさらにご利用していただけるよう、WILLCOOKを使った本格的なレシピ開発にも着手。
防災にも役立つレシピ「ポリCOOK®」代表の森下 園子先生を WILLCOOK MDとして迎え、本格的な美味しいレシピの開発も行っています。
生活の様々なシーンにWILLCOOKがある未来を目指す
3年かけたWILLCOOKの開発と、makuakeでの応援購入を続けているWILLCOOK。
今後もさらに開発を続けていきます。
開発担当・上田の目標は、布でお湯をわかすこと。「布一枚でお湯がわくとか調理方法の概念を変えることが目標。おもしろい製品を届けたい。」
代表・木村は、震災で経験した温かいものを食べることがとても大事なことであり、冷たいものは冷たいもの、温かいものは温かく食べることができるこのWILLCOOKを世界中に届けることを目標としています。かつ、WILLCOOKをインフラの1つとし、移動中・生活シーンの中にWILLCOOKが存在する生活を届けたいという夢をかかげ、WILLTEXは人・社会のより豊かな未来をつくっていきます。
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