子どもたちに「起業マインド」を。起業支援サービスの株式会社ツクリエが仕掛ける、人とまちの可能性を広げる「ミライクルラボ」とは
株式会社ツクリエ(HP: https://tsucrea.com/#indextop)は、確かな“起業品質”をコアに持つ、起業支援のパイオニアとして、日本、そして世界の“起業品質”を高めていくプロフェッショナル集団です。インキュベーション事業、アクセラレーションプログラム事業のほか、様々な事業開発を手掛けながら、起業を目指す方、起業家を支援する方を支援しています。
「小学生への起業家教育」と言うと、「まだ早い」「難しくて理解できないのでは」と思われる方もいるかもしれません。しかし「起業家教育」はビジネスを学ぶだけではなく、「未来を切り開いていく力」「課題を解決に導く精神」を育み、それぞれの人生の可能性を広げてくれるものでもあります。この記事では、株式会社ツクリエの起業家教育プロジェクト、ミライクルラボの責任者である渡邉涼太へのインタビューを通じ、子どもたちに起業について考えてもらう意義や今後の可能性についてご紹介します。
子どもたちの将来の選択肢を広げるための「起業×教育」プロジェクト
ミライクルラボは小学生以下~大学生を対象とした起業家教育プロジェクトです。僕はもともと「街づくりや教育に関わりたい」という思いがあり、起業家支援の道に進んだのもその一環でした。そんな中、鈴木社長が「幼いころから将来の選択肢に『起業』を加えてもらいたい」と考えていると聞き、「ぜひ自分にやらせてほしい」とお願いしたんです。
大人向けの創業支援を主な事業としているツクリエには、子どもたちにわかりやすく伝えるノウハウが足りなかったため、ゲーム制作のノウハウを生かして教材を開発している株式会社キッズプロジェクトと連携することになりました。最近は大学の中にも創業支援施設が生まれてきていて、教育系の会社が起業家育成教育の事業をしているケースもありますが、本格的な創業支援の会社が小学生向けに教育をしているのはほとんどありません。創業支援が得意なツクリエと、子どもが楽しめる教育が得意なキッズプロジェクト、この2つが連携することで、大人や世界が驚くような起業家、起業アイデアが将来生まれると感じています。
ワークショップでは、学びを日常に帰着させる工夫を
最初のころは、子どもたちに事業計画書を作ってもらう「アントレプレナー体験ワークショップ」と、「科学実験×起業」という2つのテーマでイベントを企画しました。アントレプレナー体験の参加者は、親御さん自身が起業家だったりして、もともと起業に興味のある子が多かったですが、科学実験の方は起業には全く興味のない子もたくさん来てくれました。参加のきっかけとしては、お子さんがイベントの情報を見つけて自主的に「やりたい」と言って来てくれたご家庭がほとんどでした。
企画内容は、プログラミング教室や科学実験教室で行われているような探究学習のワークに「起業マインド」の視点を加えたものです。僕たちは答えを教える講師ではなく、子どもたちと同じ目線で楽しみながらも一緒に考えていくファシリテーターであることを意識していますね。僕は、プラネタリウムを見終わった後のように、ただ「よかったよね~」で終わるワークショップはもったいないと思っているので、最後には必ず「今日の帰り道は、このことを考えながら帰ってみよう」と言って、「日常」に帰着させるようにしています。
実際ワークショップの中で「おじいちゃんにお寿司を握る」という事業計画書を作った子が家でその通り実践してくれたそうで、「儲けが全く出ませんでした」と教えてくれたことがあります。そういうことを体験することで、家族と「ゲームを買うためのお金を稼ぐのは大変なんだね」という話ができますし、親御さんからも「生活での視点が変わりました」と言っていただき、しっかりと学びを日常に落とし込んでもらえるとすごく嬉しいですね。
子どもたちの選択肢を増やす「まちづくり×アントレプレナー」のプロジェクトとしての地位向上を目指す
苦労するところは、ツクリエは良くも悪くも「創業支援の会社」というイメージをしっかり持たれているので、自治体や企業の方に「ミライクルラボで一緒にやりましょう」と提案すると、「(将来のビジネスにつながる)起業家を増やしたいんでしょ」と思われてしまうことが多いんですね。その認識のずれを正すのは大変ですが、キッズプロジェクトが進めている子ども向けのSDGs啓発事業(かいじゅうステップSDGs大作戦)などを例として紹介しながら、「楽しみながら視野を広げてもらい、人生の選択肢を増やすことが目的です」と説明して、少しずつご理解いただいています。
徐々に協力してくださる自治体も増えてきて、今ではいくつかの自治体と「まちづくり×アントレプレナー」で連携し進めています。ただ、子どもたちへの起業家教育に関心のある企業や自治体は多いのですが、ノウハウや予算がまだまだ限られるので、実行に移せるところは少ないのが現状です。また、ノウハウがないために「全て委託します」というスタンスを取られることもありますが、一緒に作り上げていかないとなかなか良い形にはなりません。そこで、従来のように限られた予算や自治体が提示した仕様書から事業を考えるのではなく、「予算をつけていただくところ」「仕様書を作るところ」から一緒に取り組めるよう、今社内で新しいプロジェクトを進めています。
起業家教育を通じて まちづくりの可能性を広げたい
今後の課題としては、自治体だけでなく、色んな企業のご協力もいただけるようにしたいと考えています。現在は、産業ロボットを作っている川崎重工さんのロボットチームと一緒に「ロボットを通じて起業を学ぶ」というアントレプレナー企画を実施しています。川崎重工さんは日本で一番古いロボットの会社として、「ロボットと働く」「ロボットを使う」ことの楽しさを伝えたいという思いがあり、以前から「ロボット教室」を開催していました。従来も子どもたちから「楽しかった」という感想が聞こえてきたそうですが、ミライクルラボで共同開催したところ、親御さんからも「面白かった」という声を出していただけるようになったそうです。起業家教育にはそんな風に、「好きなものをきっかけに視野を広げられる」という力があるんですよね。
ミライクルラボの3つの柱、①人生の選択肢としての起業、②ビジネスとは何か、③自分で学んで自分で解決策を考える、ということを通じて、街に「教育→起業→雇用→街づくり」という流れを生みだしたいと考えています。
今の子どもたちに「この地域に欲しいものは?」と聞くと、大手ショッピングモールの名前を答えることが多いんですが、大切なのは「何が欲しくてそう言っているの?」「ショッピングモールができたら八百屋のおじちゃんは喜ぶかな?」という視点を持ってもらうこと。まちづくりに必要な税収と雇用を生む企業、そしてまちの作り手となる人たちを育てるため、「地域にとって本当にためになることは何だろう」と考えられる子どもたちを育てていくために、色んな企業や自治体と連携して起業家教育の可能性をどんどん広げていきたいですね。
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