コロナ禍の中、広告事業の売上激減からの再起をかけた新規事業「ビデオクリエイト」。動画制作とモデル依頼のプラットフォーム誕生までの開発ストーリー
株式会社ビジネスワールド社は、1971年設立、日本を代表する「英文メディアのリーディングカンパニー」です。創立から50年以上に渡り、英文雑誌・書籍の発行や英文ウェブサイト運営を中心に、外国人観光客や日本在住外国人をターゲットとした飲食店や企業に向けて、外国人の集客や販促を担ってきました。
2020年に世界を襲った新型コロナウィルス感染拡大に伴い、外国人観光客が激減、収益の核を担っていた広告売上は壊滅的に減少し、会社は存続の危機に立たされました。
3年間も続いたパンデミックとの戦い、その中で会社の再起をかけて代表取締役の宮田真理が挑んだ新規事業「ビデオクリエイト」、その開発までのストーリーを紹介します。
(株式会社ビジネスワールド社 代表取締役 宮田真理)
外国人向けの英文メディアのリーディングカンパニーとして成長
株式会社ビジネスワールド社は、1971年に創業者の宮田泰紘が、国際出版業と国際広告・販促業を事業目的として設立しました。創立から50年以上に渡り、海外と日本の架け橋となり、外国人にとって有益な情報を英文で世界に向けて発信し続けてきました。
その主力メディアである「WINING & DINING in TOKYO (ワイニング&ダイニング・イン・東京)」は、1992年創刊、外国人旅行者や日本在住の外国人向けの「英文飲食店情報誌」です。書店販売の他、大使館や外資系企業への無料配布を通じて、外交官や駐在員などに絶大な人気を誇っています。ホテルや観光案内所にも配布をしており、電子書籍版はAmazonなどを通じて世界170カ国にて入手可能で、外国人旅行者にも幅広く読まれています。
創業当時は、雑誌やガイドブックなどの出版業を中心に事業を展開していましたが、2006年に現在の代表者・宮田真理が父親の後を継いで、COOとして就任してから、時代の流れに合わせて、英文飲食店検索予約サイト「JapanRestaurant.net」、英和WEBマガジン「JAPAN SELECT」など、オンラインメディアの運営を手がけています。
新規事業「ビデオクリエイト」の起案は、ONLY ONEを目指す代表の思いから
代表の宮田真理には、常にこだわっていることがあると言います。
それは「ONLY ONE」のプロダクトを提供すること。
「ビジネスワールド社自体が、外国人向けメデイアを専門に扱っている数少ない会社であり、外国人の視線で雑誌やウェブサイトなどを制作している、唯一無二の存在です。プロダクツやサービスも、私たちの会社でなくては提供することが出来ない「ONLY ONE」であることを大切にしています」
それまでの既存事業である、出版業、オンラインメディア運営業、翻訳事業、制作事業、イベント企画運営業とは異なる新規プラットフォーム事業「Video Create (ビデオクリエイト)」を開発にいたるまでに、どのような紆余曲折があったのでしょうか。
新型コロナウィルス感染拡大による売上の激減。新たな顧客開拓のため、メディアとアプリケーション開発に着手
世は常に諸行無常。宮田真理は代表に就任した後、リーマンショック、東日本大震災後に発生した外国人の日本離れなど、世界情勢による危機を幾度も乗り越えてきました。経営状況は2012年以降、右肩上がりで成長していましたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、訪日外国人数が激減、また緊急事態宣言による飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛により、売上構成比の中で最多であった広告掲載料の売上が壊滅的に減少しました。
「2020年3月、緊急事態宣言が発令された時は、まさか3年間もの長期戦になるとは思いもよりませんでした。本来であれば、数ヶ月後に東京オリンピックが開催となり、2020年には4000万人以上の訪日外国人が来日すると見込まれていたんです。当社の主力メディアの「WINING & DINING in TOKYO」とそのWEB版「JapanRestaurant.net」の主なユーザーは外国人、そして主な取引先は飲食店やホテルでした。コロナ禍において外国人旅行者はゼロですし、飲食店やホテルも臨時休業や時短営業を余儀なくされ、誰も外国人向けの集客に広告を出稿してはくれませんでした。売上は、前年同月比で15%まで激減してしまいました」当時を振り返り、宮田は語ります。
飲食店向けであった主力メディアでの売り上げが激減した中で、2020年8月、宮田は別のメディアに活路を見出そうとしました。
「外国人旅行者がいなくても、日本には300万人もの外国人が住んでいます。彼らはコロナ禍で日本人と同じように日本に留まって生活をしていました。日本在住外国人向けの有益な情報を英和WEBマガジン「JAPAN SELECT」で特集として掲載することにしたんです。「JAPAN SELECT」は、2018年にサイトリニューアルをしましたが、日本の文化や食文化、旅行、著名人のインタヴューなどの普遍的な記事を発信するアーカイブ的な存在でした。コロナをきっかけに収益性のあるメディアとして展開させることが出来ました。英語の話せる病院や歯科医院、英語でのレッスンができる自動車学校、日本語学校やインターナショナル特集など、より外国人の日本での生活に密着した便利な情報を提供しています」
「JAPAN SELECT」の収益化以外にも、翻訳業にも注力し、日本語↔︎英語の翻訳のみならず、中国語や韓国語、ベトナム語、ミャンマー語など、各々の言語を母国語とする在宅ワーカーを起用して、多言語対応を可能にしました。
2021年8月には、持続化補助金に採択された新事業として「Japan Restaurant」と「JAPAN SELECT」のモバイルアプリ開発を行い、新規ユーザーの獲得に勤しみました。
JAPAN SELECT App Store (iOS) Google Play (Android)
Japan Restaurant App Store (iOS) Google Play (Android)
「その時に与えられた状況の中で、何が出来るのかを考え、出来る限りのことを実行していました。でもやはり、売上は例年の半分以下という類を見ないほどの逆境が続いていました」負けず嫌いの性格という宮田真理。諦めない精神で前向きに過ごしたと言います。
その後も、想定よりも長く、コロナによる厳しい時期は続きました。
そして、コロナ感染拡大や外国人数の減少に左右されずに、幅広い業種の顧客を獲得できる事業を新規展開して、売上強化対策の模索を始めたのです。
外国人の視点で作るPR動画制作に着眼
「新規事業を立ち上げるにあたり、既存の事業で築いてきた経営資源を使い、当社の強みを活かせるる事業をゼロから企画していきました。ビジネスワールド社だから出来る『ONLY ONE』の新事業を模索していました」
外国人向けのシェアハウス、外国語や日本語のオンラインレッスン、他にも様々な発案をしましたが、アイデアもどれも新規性に欠け、ただただ熟考の連続だったと言います。
宮田真理は、自分たちの強みは何なのかを列挙し、その中で、新規事業「ビデオクリエイト」のアイデアを見出して行きました。
「当社では、欧米人プロデューサーが手がける「外国人の視点で作るPR動画制作」事業を2018年より開始しました。
『日本人と全く違う視点で外国人に訴求できるPR動画が出来て満足。』
『欧米人モデルをキャスティングしてもらい、スタイリッシュな動画に仕上がった。』
『インバウンドマーケット向けPR動画を外国人の制作者に全てお任せで作成出来た。』
クライアントから多くの喜びの声をいただきました。
その際に培った、外国人モデルのキャスティング、動画制作のノウハウを生かすことが出来る新事業が、頭に浮かんだ瞬間がありました。動画制作プラットフォーム事業の核となるアイデアが生まれました」
ビジネスワールド社にて外国人クリエイターが制作したPR動画例
動画市場は急速に拡大傾向にあったことも、新事業企画において重視しました。当時、新型コロナウイルス感染症による「巣ごもり需要」が高まっていることに起因していると考えられ、外出の機会が減り、仕事も含め自宅で過ごす時間が増えているため、娯楽がインターネットに移行していきました。
ブランディング、商品・サービスのプロモーションなどの広告用の動画以外にも、セミナーやイベントの撮影、採用活動、マニュアルなど、企業や店舗が動画制作をする目的・用途は多岐に渡ります。動画制作依頼先としては、広告代理店、動画制作会社が主となりますが、高額な費用が必要となります。大企業は大きな予算があり広告代理店、動画制作会社に依頼するのが一般的ですが、日本にある382万企業のうち、99.7%が中小企業、85.1%が小規模企業です。動画制作には、演出やシナリオ制作、撮影、編集、モデルのキャスティングなど、様々な工程があります。動画制作の専門知識のない中小企業や小規模企業が、少ない予算でも動画制作を直接クリエイターに依頼でき、かつ一括管理できるプラットフォームを開発するに至りました。
プラットフォームの開発は初めての経験であったので、システム開発者、ウェブデザイナーと協議を重ねながら、内容を詰めていきました。プラットフォーム内でのアカウント登録、プロフィール登録から、発注者によるプロジェクト作成、契約、仮払い、納品、検収、支払いまでの流れを作るところから始め、Webサイト内の全ての文言や自動送信メールの文言を日本語と英語で作成するので、気の遠くなるような作業量だったと、宮田真理は振り返ります。特にシステム内に組み込んだ、自動計算機能において、個人の会員も法人の会員もいるので、案件ごとに源泉徴収税がかかる場合とない場合があり、複雑な計算を顧問税理士とも相談をしながら進めていったと言います。
新事業「ビデオクリエイト」の強みは、三者間のマッチングモデル
動画制作を依頼できる制作会社や広告代理店は日本に数多く存在します。またフリーランスのクリエイターと企業のマッチング、モデルと撮影者をマッチングするサイトも存在します。しかしながら「クライアント」「クリエイター」「モデル」の三者間のマッチングサイトは、他には存在しません。
その点に着目し、ビジネスワールド社の強みである、英語力を活かし、英語と日本語の2ヶ国語対応の動画制作プラットフォーム「Video Create (ビデオクリエイト)」を開発しました。インバウンドマーケット向け動画を外国人モデルのキャスティングで、かつ外国人撮影者や動画編集者の視点で、外国人消費者に訴求できる動画制作が可能となります。
動画制作を全体で依頼するだけでなく、例えば国内で撮影だけを、編集は海外へ発注など、制作を部分的に別のクリエイターに依頼するなど、三者三様にカスタマイズできる「ONLY ONE」唯一無二の動画制作プラットフォームです。
幅広いニーズに応えるために、動画制作、写真撮影、ロゴ制作などのクリエイティブ、そして、モデル、キャスト、エキストラ、ナレーター、インフルエンサーなどの依頼も可能です。法人だけでなく、個人が結婚式の動画撮影、プロフィール写真や七五三などの撮影などを依頼する事も出来ます。
新規事業の現状と今後を見据えて
英語と日本語の2ヶ国語対応の動画制作プラットフォーム「Video Create (ビデオクリエイト)」は2023年6月に本格運営を開始、現在、会員登録者数は1300人を突破しました。特にクリエイターとモデルの登録者数が多く登録されています。
「新事業をラウンチして3ヶ月弱、発注者からのプロジェクト依頼が思うように集まらず、苦戦しています。外国人クリエイターや外国人モデルに直接仕事を依頼できる強みなどを全面に押し出してアピールを続けていきます」
「しかし、新事業立ち上げ時は、動画制作とモデルのキャスティングに特化して、動画制作プラットフォームとしての知名度を上げて地固めをする期間です。3年目以降にシステムの安定的供給を確立した上で、事業を拡大させ、仕事内容のカテゴリーを外注業務全般に拡張し、唯一の『バイリンガルの総合アウトソーシングプラットフォーム』へと飛躍させていくことにより、付加価値を向上させたい。」宮田真理は、そう意気込みを語ります。
世界に向けて『日本』を発信し続けてきた「ビジネスワールド社」。外国からの旅行者、日本に在住する外国人には、彼らが必要とする有益な情報を、日本を好きな世界中の人々に向けて、日本在住の外国人の視点で「日本」を発信し続けていきます。
企業情報
株式会社ビジネスワールド社
株式会社ビジネスワールド社は、1971年設立の英文メディアのリーディングカンパニーです。創立から50年以上に渡り、外国人観光客や日本在住外国人をターゲットとした飲食店や企業に向けて、外国人の集客や販促を担っています。東京唯一の英文飲食店情報誌「Wining & Dining in Tokyo + Kansai」の印刷版および電子書籍版の発行、英文レストラン検索サイト「JapanRestaurant.net」、英和WEBマガジン「JAPAN SELECT」の運営、ソーシャルメディアを使った販促事業、外国人視点で製作するPR動画制作、イベント企画運営、多言語翻訳事業などを行なっています。https://businessworldcorp.com/ja/
メディア・サービス情報
Video Create
「Video Create (ビデオクリエイト)」は、クリエイター・モデル・クライアントをつなぐ、英語と日本語の2ヶ国語対応の「動画映像コンテンツ制作・モデルキャスト依頼」が出来るプラットフォームです。
インバウンドマーケット向け動画を外国人モデルのキャスティングで、かつ外国人の撮影者や動画編集者の視点で、外国人消費者に訴求できる動画制作が出来ます。また動画映像制作の依頼を、細分化し、三者三様に「カスタマイズ」出来る、唯一無二の動画制作プラットフォームとなります。
「Video Create (ビデオクリエイト)」では、企業や団体などの法人、また個人のクライアントの 様々なニーズに応えます。動画制作だけでなく、スチール撮影、ロゴ制作などにも対応しています。また、イベントのMCやナレーター、ダンサーなど、モデルキャスティングだけでもご利用できます。結婚式やパーティーの撮影、子供の成長記録のためにカメラマンを探したいなど、個人での利用も可能です。
詳しいサービス内容は、プレスリリースをご参照ください。
JapanRestaurant.net
「JapanRestaurant.net」は、海外からの外国人旅行者や日本に在住している外国人を対象とした、飲食店検索予約サイトです。外国人ライターが執筆する英文店舗紹介記事、多言語メニュー翻訳、SNSの多言語配信など、飲食店や企業の外国人向けのPRや販促をトータルサポートしています。
JAPAN SELECT
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